第三十三章「至高に挑む者達」
◆ミドルシーン5 〜至高に挑む者達〜
リアン軍率いる増援部隊の救援。
それを見越していたかのようにユリウスの指示により神殿内部にいた全ての兵と
クフィル、ライラは神殿の外にいた残る敵の掃討へと移った。
それは最初の開幕からは想像しがたい、逆転劇。

クフィルやアスタロト、ミュラー、ガゼル、個々の能力は無論。
それを的確に正しい場所に配置し移動させるユリウスの手腕。
恐らく、ここにいた誰か一人が欠けていたらこの勝利は無かっただろう。
ミシアン史上、最もその名を残すであろう大戦はこうして幕を閉じた。

後に残されたのは再会の喜びと主従の絆。そして―――仲間の危機。

◆    ◆    ◆

――神殿・作戦会議室。

そこに集まったのはクフィル、ライラ、ユリウス、リアン、ブルーメ、ミュラー
ガゼル、シャマリー、そしてユニ。

そしてすでに状況はブルーメより伝えられていた。

GM(ブルーメ):「…シリウスは言いました。アスタロトを取り返したくば機関本部へ来い、と」
どこか怒りを含んだブルーメのその報告をユリウスはやはりいつもと変わらず受け取る。
「なるほど。ならば、これで全ては予定通りだ」
次いでハッキリとユリウスは宣言した。
「ではこれより、機関本部を潰すぞ」
それはこの場にいた全員が息を呑まずには入られない大胆すぎる発言。

ライラ:(共通語でおk)

GM(ユリウス):(ユリウス語でおk)

クフィル:「まぁいつかはやんなきゃいけねぇ事だしな」
普段通り気負わず自然体でその発言に答える。

GM(ユリウス):「正直に言うならば私は機関の場所さえ分かるならば
すぐにでもそこを落すつもりだった。だが、生憎と機関本部がどこにあるのかまでは
私でも分からなかったのでな。しかし、それもアスタロトが連れ去られた事で判明した」
ユリウスはクフィルとシャマリーを交互に見て話す。
「先日のファルナスの言葉が真なら五つの欠片は元々一つであり、
それならば完全に覚醒した欠片同士であればお互いの場所を感じとる事も可能。
最初はその感覚を目印に飛空艇による移動を考えたが…
作戦会議の前にそちらの女が持つ星宝の能力を聞き、その問題も解決した」

そうしてユリウスの言葉を継ぐようにシャマリーが続ける。

GM(シャマリー):「…フィル様、それに皆様。私はデミウルゴスであり星宝も無論持っています。
ですが私の星宝は戦闘系のものではありません。私の星宝は言うなれば移動手段として
最高位の星宝。ただし、移動先の場所が判明、または目印となるものがなければ行けません」

クフィル:「成程、な」

GM(シャマリー):「先のユリウスさんの言葉を告げるならクフィル様。
貴方様の星宝と貴方様が感じるアスタロトさんとの欠片の同調を元に
それに対し私の星宝を使えば――機関本部へと向かえます」
それはまさにユリウスの言う通り、全ての条件が揃ったという事に他ならない。
「さて、では機関本部へと向かうメンバーについてだが…クフィル、お前は無論同行してもらう。
そもそもお前がいなければ移動は完成しないからな」
とユリウスが君を目で指しながら言う。

クフィル:「ま、主役は当然参加だろ」

GM(ユリウス):「言っていろ」
あくまでいつもの態度のまま華麗にスルーする美形皇子様。
「次にシャマリーも無論同行する。この女がいなければ移動そのものが出来ないからな。
そして――」
続けようとしたユリウスの言葉に間を入れる一人の男。
「僕も連れて行ってもらいます」
それは七将王の一人“四季の華”ブルーメ。

ライラ:(もう治ったのか)

GM(ユリウス):「…いいだろう。戦力的に考えてお前ならば囮程度には使える。同行しろ」
あくまで駒の配置としてユリウスはブルーメの参加を認める。
「では後は私の四人で決まりだ。後の者はこの地に残り、防衛、修復に専念せよ」
とハッキリと宣言した。
そしてもう会議は終わりとばかりにユリウスは奥の部屋に行っちゃおうとしちゃう。

クフィル:これは誰か連れて行ってもいいフラグ?(笑)

GM:一人足りなくね?って言う突っ込みが欲しいフラグ(笑)

クフィル:やはりか(笑)

アスタロト:ライラがいないよ!

ライラ:でもライラは防衛戦力だから突入作戦には向かないと思うよ!
というわけで自分では「連れてって」って言えないと思うんですよ。
中の人はもちろんそうではないんですが…ジレンマですお(笑)

GM(ユニ):「…あ、あのぉ〜、にいさん…。そのぉ、ライラちゃんは……?」
とおそるおそるユニたんが発言する。

クフィル:流石ユニ子(笑)

GM(ユリウス):「………」
足を止め、ちらりとユリウスはライラを見る。

ライラ:「いいえ、ユニ様。ユリウス様の人選は妥当です。
私は拠点および要人の防衛に特化して調整されています。
攻勢の作戦に於いては、味方の足を引っ張りかねません」
…AI的には言わざるを得ねぇんだよなぁ……。

GM(ユリウス):「ほぉ、さすがはマシーナリー、己の力量を正確に把握しているな。
そうだマシーナリー、加えて言うならお前の戦力はこの中でも最も低い。
故にお前を連れて行くメリットなどない」

クフィル:「ライラ、お前レイに頼まれたこと忘れたのか?
お前が俺を護らないで誰が護るんだよ」
堂々と胸を張って言いますよ(笑)

ライラ:えーとえーと、恐ろしい勢いで中の人が板挟みになってるからちょっと待ってやってね。
メタ→同行したい。
建前→戦力外。
障害→さっき、戦力外だから選外だけどしょうがないよって言っちゃった。
一回言ったものをそう翻すのもロボットとしてどうかってうわァァァァ!

GM(ライラたん):「いや!行きたい!私行きたいの!お願い連れてってユリウス様!
じゃないと私…泣いちゃうんだからっ!!」
にせもの が 現れた。

クフィル:GMが壊れた(一同笑)

ライラ:でも正直、ちょっと正気じゃなくなる路線しかないんですよねぇ…。

GM:そこはあれですよ。ライラたんに感情が生まれつつある経緯って感じで
ここでライラたんのある種の人間的成長を見せるんですよ

クフィル:「ライラ、お前自身はどうしたいんだ?」

ライラ:「私は……」
『連れて行っていただくわけには、参りません』と言おうとして
「連れて行っていただきたいです」
と言ってます。んで、自分の言葉に自分でびっくりしてます。

GM:ライラたん!!!(笑)

ライラ:「ユリウス様。曲げてお願い致します。私をどうか戦列にお加え頂きたいのです」
言葉が止まりません。
「そもそも楯たることを目的として作られたこの身の上、まともに戦えないことは承知しています。
……ですが」言いながら、AIは混乱しています。どう考えても戦術的に誤り。
同行はパーティの被発見率を上げるばかりか、万が一の戦力すら低下させかねない。
この選択は不適だ。戦術電子頭脳はそう訴え、メインAIに「キャンセル」の指示を飛ばしますが
止まりません。
「私は、私の主から命を受けています。クフィル殿下の御身を守るようにと。
ここで留守番に甘んじてしまっては、主の下命を果たすことが出来なくなってしまうのです」
(うわぁぃ支離滅裂な長文スマソ)

GM:人間っぽい感情が生まれてる感がいいと思うよ!(笑)

クフィル:その様子を微笑みながら見ていよう(笑)

GM(ユリウス):「………」
しばし黙っていたユリウスだが、やがて背を向けると同時に一言を告げる。
「…好きにしろ」
そう言い残しユリウスは会議室より立ち去る。

ライラ:「……了解」
言いつつ、頭を下げる。頭の中はエラーメッセージで一杯で、どう考えても行動に筋が通っていなくて
平たく言えばマシーナリー的にはめちゃくちゃで、でも不思議と悪い気はしなかったり。

GM:一方でユリウスの言葉を聞いたユニはライラの方に足早に駆け寄り
「良かったね!ライラちゃん〜!」と手を握る。

ライラ:「……え、ええ」 戸惑いながら応じます。

クフィル:「成長したじゃねぇか」
殿下もニヤニヤしながらライラの頭をポンポンする(笑)

ライラ:「何であのようなことを申し上げたのか、自分でも判断がつきません」
と怪訝そうで不満げな表情をしています。
「ですが……思考が妙にクリアです。これが…「すっきりした」という感覚なのでしょうか」

GM(ユニ):「うんうん!そうだよそうだよ〜!ライラちゃん〜!
思った事はやっぱり口にしないとだめだよ〜!」
とわきあいあいとしている君達の間にリアンが入ってくる。
「…しばらく見ぬ内に良い仲間を得たのですね、殿下は」

ライラ:ライラの思考回路に「私情」が発生しました←NEW!  と。

クフィル:「リアン姉、助かった。約束を果たしてくれてありがとう」
思わず抱きしめます。

GM(リアン):「………」 無言でひっぺはがす。
「殿下、遅らせながらリアン=メルディアス。ただいまより殿下の陣営へとはせ参じます。
これは現在の国王レイル様からの私へ与えられた正式な配属でもあります」

クフィル:「ミシアン領地領主代行クフィル=フォン=アレクサンドロス。
騎士リアン=メルディスの力添え感謝する」

GM:君のその宣言にリアンは静かに頷く。
「クフィル様。現在、王国と帝国はレトの丘にて小競り合いを始めております。
すでに戦争の火蓋は切って落とされておりますが、まだ大規模な戦いは先のようです。
どうやらレイル様には何かしらの考えがあるようで、しばらくクフィル様は
機関殲滅に集中できるようにとの言伝も預かっております」

クフィル:「俺はダチの信頼は裏切らねぇよ」
己を信じ、そして己の信じる友の言葉。是ほど心強き物は無し!

GM(リアン):「それと…」
リアンは姿勢と視線をクフィルから隣りのライラへと移す。
「貴方がライラですね。貴方宛にレイル様からの言伝も預かってきております」

ライラ:ピクリと反応しますよ。
「マスターから、ですか?」

GM(リアン):「引き続きクフィルの護衛をお願いする、頑張ってくれ。
それと…貴方から預かった「幸運の欠片」はちゃんと僕の手から君に返すから。と
そうおっしゃっておりました」

ライラ:「言伝、確かに承りました」
頭を垂れ、謝意を述べる。周りの者が気付いたかどうか。
機械の娘の口許、当人も気付かぬかすかな微笑に。

GM:ライラたーーーん!!!(笑)

クフィル:(ニヤニヤ)

ライラ:ホホエミ回路が強化されました←NEW!

それは兆しであると同時に予兆。
そう、機械の少女は今、変わりつつある。
それは彼女自身気づかぬ“成長”という名の変化を―――。

◆    ◆    ◆

GM(???):「ライラたんキタアアアアアアアァァァァァッ!!!!」

男は絶叫し恍惚に身を委ねていた。

ライラ:(なんだいきなり)

男の眼前モニタースクリーンに映るのは、太古のマシーナリー・ライラ=マウアー。

GM(???):「くっくっくっ、いいよぉ、いいよぉ…ライラたぁん…それでいいんだよぉ、私のライラたぁん…」

スクリーンに映ったライラの顔を比喩ではなく実際に舐めながらその男は悦に身を委ねる。

クフィル:これはひどい(笑)

ライラ:中の人の背筋が粟立ってたまらないんだがどうしてくれる(笑)

アスタロト:誰か粉砕バットを持ってきてくれ(笑)

おぞましい。それ以外はいえない光景。
否、最もおぞましいのは彼の背後、そこに詰まれた資料と写真、ファイル。
それら全てライラがレトの丘で目覚めていら一秒たりともやめずに取り続けた
彼のライラたんファイルである事を当のライラは知らずにいた。

クフィル:GMなにしてんすか(爆笑)

ライラ:誰か、ライラにレールガンとビームライフルとプラズマレーザー砲を
装備する作業を開始するんだ。

GM(???):「はぁはぁ…もうすぐだよぉ…ライラたぁん…」

来るその時を想像し、男は堪らず息を切ら叫ぶ。

GM(???)「もうすぐ私と君は…恋人同士になるんだよおおおおおおぉぉ―――!!!」

◆    ◆    ◆

GM:(やっちまた)

ライラ:(ライラに攻撃用火器が搭載されていないのが悔やまれる)

アスタロト:(これを機に装備を整えろということじゃないかな)

ライラ:(なるほど、そういうフラグか)

―――数時間後。

GM:全ての準備を整え、クフィル、ライラ、ユリウス、ブルーメ、シャマリー。
五人は神殿の前にて集結する。ちなみにハイヒーリングポーションとハイアルカナポーションを
それぞれ一つずつクフィルとライラに。あと無論のようにHPMPは全回復です。

クフィル:ごちです!

GM:という事で準備を整えた君達を出迎えるようにユニやリアン、ミュラーなどがいる。
「…フィル様、ご武運を」
そう静かにミュラーは君へ声を掛ける。

クフィル:「応、ミュラーこっちの護りは任せたぞ」
その眼にあるのは絶対の信頼。

GM(ミュラー):「無論です、お任せを」
君の信頼に応えるように彼もまたそうハッキリと返す。

クフィル:「略式だが…。汝、アーグスト=ミュラーの魂を
我、アシュレイ=クフィル=フォン=アレキサンドロスと共にあることを命ずる。
我より先に死ぬ事は許さぬ、我より後に死ぬ事も許さぬ。いいな?」

GM(ミュラー):「…確かにお受けいたしました。我が魂は生涯、フィル様と共にあり生き続けましょう」
そうして礼のし合いを終え、それに続くようにユニもまた。
「…えっと、そのフィル。ちゃんと戻って来てね!それと無理もしないでね!
もしあれだったら…アスタロトさんを連れてすぐに戻って来てね」

クフィル:「ばーか、アストも俺達の仲間だろうが。嫌だつっても無理やりつれてきてやるよ」

GM(ユニ):「うん!待ってるから!それまでここの護りは私達に任せて!
えっと、いいよね?ガゼル…さん」
「……無論」
とガゼルとのやり取りをして、ユニはいつもの笑顔をフィルに向ける。

クフィル:「ガゼル、頼んだぜ」
握り拳を前に出す。

GM(ガゼル):「…言われるまでもないさ」
静かにその拳に己の拳を当てる。
「それじゃあ!フィル!気を付けてね!それと、頑張って!!」

クフィル:「任せな、ユニ」 手のひらを出す。

GM(ユニ):「うん♪」
その手のひらをにぎにぎする。

クフィル:にぎにぎされた(笑)
「んじゃ、征くか!皆、覚悟は出来たか?俺は出来てる」

GM:君のその発言には無論のように全員が頷く。
もはやここに来て覚悟ができていない者などいないのだから。

クフィル:「結構結構」
皆の顔を見渡し満足げに微笑む。

GM(シャマリー):「…では我が星宝を発動させます。皆様、少しお下がりください。
星宝を発動する際、私は本来の姿に戻る必要がありますので」
そう言って下がった君達を確認し、シャマリーの姿が変わっていく。
光に包まれ、その姿は人の数倍以上となり、やがてそれは一つの生物、太古に滅んだ
幻獣の姿へと変化していく。そう、それは空を駆ける十数メートルある巨大なくじら
即ち――空くじら。

クフィル:ぶほ(笑)やっぱりかよ(笑)

ライラ:!?

アスタロト:くじら?!(笑)

GM(シャマリー):『さあ、私の背にお乗り下さい。このまま星宝を発動させます』
巨大で可愛いらしいクジラさんがそんな事を言う。

クフィル:「んじゃ、失礼して…っと」 よじよじ

ライラ:無表情でよじ登ります。でも目ぇすっげぇキラキラしてます。

GM(シャマリー):『では、クフィル様。アスタロト様の欠片を思い浮かべて下さい』
君のそのイメージに同調し、シャマリーはアスタロトのいる場所を察知する。そして――

クフィル:シャマリーの背に腕を組み仁王立ちで(笑)
「…見えた!」

GM(シャマリー):『――では飛翔します』

『【空間飛翔(ベクトル・グライダー)】発動!』

そのシャマリーの星宝発言と同時に空間が歪んだ―――。

◆    ◆    ◆

――機関本部

クフィル達がそこへ来る数時間前。彼はその少女を連れて戻ってきていた。

「………」

機関本部の通路を気絶したアスタロトを腕に抱いたままシリウスは歩いていた。
そして、そんな彼の前に一人の男が行く手を遮るように現れる。

「…べネトナシュ、か」

「シリウス、貴様を処刑する。機関に仇名す存在を私は許しはしない」

そう宣告する目の前の同胞に対しシリウスは追い詰められた様子はなく、ただ冷静に返す。

「べネトナシュ。我らが仕えるのは何だ?」

「…なに」

「答えろ、べネトナシュ」

唐突に、しかも答える必要もない当然の事を問われ鼻で笑いながらべネトナシュは答える。

「決まっている。我らが神、星王様だ」

「ならば、お前が今の機関に仕えている事、それ自体がすでに無意味だな」

「…なんだと」

ますます持って意味が分からない。
否、もはや問答など無用。そう判断し、構えるべネトナシュだが――

「べネトナシュ。オレのこの行動は全て“我が神”の意志だ。
そう、――――――様の意志だ」

「――ッ?!」

その言葉を聞いた瞬間、彼は凍りつき戦慄を覚えた。

「ま、さか…あの御方が…いや、だが、しかし……」

「べネトナシュ、考えるのだな。ここでお前が一体“誰の側”に付くべきなのかを。
我らデミウルゴスの存在理由を考えるならな」

「………」

シリウスのその言葉にベネトナシュはしばし黙りこみ、やがて―――


◆ミドルシーン6 〜機関突入〜
そこは一面青空と雲に支配された場所。
見るとすぐ天には星空さえも見えかねないほどの高さ。

そんな一面空が支配する場所に“それ”はあった。
それはまさに神が住まうに相応しき居城にして機関本部――“星王殿”

GM:君達はその星王殿扉の前に瞬時に転移し、シャマリーもまた人間の姿へと戻る。
「クフィル様、先程の私の星宝【空間飛翔(ベクトル・グライダー)】はすでにクフィル様に刻まれました。
戦闘向けではないかもしれませんが、万一の移動の際に使用してください」

星宝:【空間飛翔(ベクトル・グライダー)】 形状:現象型 ランク:B 取得D:自動取得 必要変化FP:2
タイミング:宣言 対象:射程内の任意 射程:自身を中心に50m
説明:空間そのものを飛翔する星宝。これは速力上昇型の星宝と異なり、
使用者の速力や能力が上昇するのではなく、むしろ空間干渉に近い星宝である。
頭でイメージした場所と現在の場所の空間を繋げ、瞬時にその場所へと移動する。
この為その気になれば世界の裏側にも秒も満たずに移動できる。一度行った場所も勿論の事
頭で正しくイメージできる場所(写真や見聞などの情報により)であれば行った事の無い場所にも
行く事が可能。この性質上、最高速度を誇る星宝ですらこの空間を渡る星宝には追いつく事は出来ず
Aランク相当の星宝の攻撃すら回避する事が可能である。
戦闘中に使用した際、使用者はこの星宝が発動している限り自身に向けられた
[絶対命中]の攻撃を必ず[絶対回避]する。

クフィル:「ありがとな、シャマリー。いざとなったらこれで尻尾巻いて逃げるぜ」
と不適に微笑む。

GM(ブルーメ):「…では先に行かせてもらいます。僕はアスタロトを探す役目を自らに課していますの
で」言ってブルーメは何の遠慮も無く扉を開き、深淵の如きその場所へと足を踏み入れて行った。
「…フンッ、我らは纏まって行動するぞ。そこの女、シャマリーは念のため後続から来るやもしれぬ
敵に備え扉の前で待機していろ」
言ってユリウスもまた君達の前に立ち歩き始める。

クフィル:「さーて、ほんじゃまぁ一丁行きますか」

ライラ:「……はい。行きましょう」
首肯して、殿下の左斜め後ろに陣取ります。

GM:そうして君達は神の城へと足を踏み入れる。

この時、誰もが本能で理解していたのかもしれない。
これから起こる絶望的な惨劇を。


◆アスタロトシーン 〜交差する因縁者〜
GM:そうしてしばらく後にアスタロトは眼が覚めた。
そこは美しい宮殿をイメージした部屋。中には世界中のどこにも
並び立つ事ができない絵画や装飾などが飾ってある豪華絢爛な一室であった。

アスタロト:まだぼやける意識の中辺りを見回します。

GM:「気づいたか」
不意にかけられる声。見ると君から少し離れた位置にあの男、シリウスを名乗る人物がいた。

アスタロト:「ここは…?」
問いながら、緊張で身体を強張らせる。

GM(シリウス):「星王殿に設けられた私室の一つ。いや、お前にはこう言ったほうがいいな。
機関の本部だと」

アスタロト:「…ッ!」驚いて息を呑む。

GM(シリウス):「…安心しろ、オレがお前に何かをすることはない。
お前をここに連れて来たのは…そうだな、最終試験のための準備、と言ったところか」
言いながらシリウスは歩く。彼の向かった先にはガーデニングがあり
そこに咲いた花々の美しさに眼を奪われる。
見るとその花々の中に一つ、以前にアスタロトが見た花があった。
それは一年前にお墓に飾られた花。

アスタロト:「試験…ですか…。さっき私の星宝を覚醒させた事といい…
あなたは不思議なことばかりするんですね…。
そのお花を、私の村のお墓に捧げたときも…」

GM(シリウス):「……実際、お前をここに連れて来たのは正直に話せば私情が絡んでいたのだろう」
言ってシリウスは君を見る。
「オレはお前と話したかった。アスタロト」

アスタロト:「私と…話す? 一体何を、ですか…?」
そう言って、シリウスの鋭い瞳を覗き込む。

GM(シリウス):「告げておく必要があった。
二年前にお前の故郷を滅ぼしたデミウルゴス、それが我が親友エルナトであった事を。
お前からすれば、あの時のエルナトの行動は狂人、故郷を奪った悪魔以外の
何者でもなかったのだろうな」

アスタロト:「あの日の出来事については、正直に言って、まだ完全に心の整理がついていません…。
…でも、あんなことをした理由なんて聞いても、きっと無駄なんでしょうね――」

GM(シリウス):「…そうだな。お前からすれば奴にどんな目的があろうとも
お前が奪われた事実は変わらない」
静かにどこか過去を思い出すようにシリウスは言う。
「二年前…、オレはあいつを止めようと思えば止めれていた。
だが、オレは止めなかった。いや、止めれなかった。その結果、お前が故郷を失う事となった。
だから、憎むならエルナトではなく、オレを憎め」

アスタロト:「あなた達デミウルゴスには、常人を遥かに超える力がある。
そして、あなた達の言う『つまらない』感情も…持ち合わせてはいないんですよね。
だったら、あの小さな村を、焼き尽くし、滅ぼす…私にとっては勿論、大きな、辛い出来事です。
…あれは、あなた達にとって、つまらない、些細な行動だったんですか?」

GM(シリウス):「………」

アスタロト:「力があるなら、村一つなんて取るに足らないものでしょう。
憎しみが無いなら、あんなに人々を踏みにじらなくてもいいでしょう。
それなのに…私には、それが、分かりません」

GM(シリウス):「…我らに取っては…神より与えられた責務以外は、些細な事に属するのだろう。
だが、そうは思わぬデミウルゴスが存在することもまた、事実エルナトは…
神に仕える責務を放棄し、奴は……人間になろうとしていた」
そこで一区きりし、シリウスはどこか遠くを眺めるように呟く。
「そしてアルタイルも、あれも恐らく神への忠誠ではなく
かつての宿敵との闘争を己が最重要目的としている。…オレには、どちらも理解できぬがな」

アスタロト:涙の雫を光らせながら、シリウスの言葉に驚き、耳を澄ます。

GM(シリウス):「…デミウルゴスが感情を持つとしたら
それは偽物以外の何者でもなく本物に憧れる愚かしい行為だ。
我らは完全なのだ、なのに不完全に憧れる矛盾。
理解できない…、オレにはあいつが分からなかった」
言ってシリウスは何かに気づいたように剣を手に取る。
「…つまらん話しだったな。敵であるオレや仇であるエルナトの話など
お前に取ってはそれこそ無意味だったろうに」
言いながらシリウスは扉のほうを見やり呟く。
「どうやら出迎えが来たようだ。お前はこのまま、あの漆黒の呪印の持ち主クフィル共と合流するがいい」

アスタロト:「…合流?私、部屋から出ても、いいんですか?」
シリウスの意外な申し出に耳を疑い、そう尋ねる。

GM(シリウス):「言っただろう。オレはお前に何もしない」
その言葉と同時にこの部屋の扉が破壊される。そこから現れるのはブルーメ。
「…無事ですか、アスタロト」

アスタロト:「ブルーメ…! 私は、大丈夫です」

GM(ブルーメ):「…そうですか、良かった。急いでこちらへ
すでにクフィル達もこの城へと潜入しています。彼らと合流してください」
君の下まで駆け寄り剣を構え前に出てブルーメは告げる。

アスタロト:「よかった…皆、来ているんですね」
同じくブルーメの元へ駆け寄り、ふと、シリウスを振り返る。
「…つまらない話ではなかったです。…ありがとうございました」

GM(シリウス):「…そうか」
一言、君のその言葉へ頷いた。
シリウスは先程の宣言通り、黙って君を見ているだけであり、追う気配はない。

アスタロト:アスタロトはそれだけを言い残し、ブルーメについて部屋を出て行く。

GM(ブルーメ):「…アスタロト、貴方は先に行っていて下さい。
僕はどうしてもやらねばならぬ事がありますので」

アスタロト:「…どうしても、ですか」

GM(ブルーメ):「…僕なりにけじめをつけたいのです」

アスタロト:「…どうか、無事に戻ってきてください」

GM(ブルーメ):「ええ、約束します」
そう言って君はブルーメと別れクフィル達の元へと向かう。
君の中には様々な思考、想いが渦巻いていた。

シリウスの言った言葉。
デミウルゴス、機関、そして神。
未だ、それら全ての明確な答えは出ずに―――。


◆ライラシーン 〜私と愛しいライラたんと恋人の日々〜
ライラ:タイトルちょっとまてwww

――機関本部・星王殿。

GM:そこはまさに神々が住まう美しき居城。
それ以外の表現など一切不要なほどあらゆる無駄がない完璧な空間。
その純白の通路を君達は走っていた。

ライラ:「たち」と申しますと?

GM:クフィル、ライラ、ユリウス。

ライラ:把握。

GM:君達三人は固まって行動しておりますので。

ライラ:了解。それなら戦力的に安心です。

GM:天上にも美しい神の楽園を髣髴させる絵画や彫刻が施され、
一度立ち止まれば瞳や意識を奪いかねないほどのものだ。
やがてしばし歩いた所で一つの大きな扉の前に出る。

クフィル:芸術センスの可笑しいフィルに死角は無かった

ライラ:芸術の判らないライラにも死角は無い。

GM(ユリウス):「…妙だとは思わないか」
扉を前にユリウスは呟く。

ライラ:「どうかなさいましたか?」

GM(ユリウス):「ここは仮にも機関本部にして神の居城。
であれば敵の精鋭が待ち構えてもおかしくはない。
にも関わらずここまで“一切の妨害が無い異常”だ」

クフィル:「まー、罠かなんかじゃねぇの?」

ライラ:「使用した手段が手段です、対応が後手に回り、有効な手を打ちかねている……
というあたりを期待したいところですが……クフィル殿下の仰る通り、罠だと考えるほうが妥当かと」

GM(ユリウス):「まぁ、打倒に考えるならばそうであろう。
そして恐らくはこの扉、あるいは先に何かが待ち受けている。お前達、油断はするなよ」

クフィル:「まぁ罠なら罠でいいじゃねぇか。それごとぶっ飛ばせばいいだけさ」
2人を見てにやりと笑う。

ライラ:「それもそれでどうかと思いますが」
軽く嘆息しつつ奥へ奥へ。タメイキ回路が以下略

GM(ユリウス):「…では行くぞ」
そう君達が宣言し、扉は開かれた。
そこは庭園だろうか。ファルナスの神殿の最深部にあったそれよりなおも美しいまさに神々の庭園。

ライラ:茂みは伏兵的な意味で危険ですから楯を構えて先行突入して周辺を警戒します。

クフィル:堂々と周囲を見回します。

GM:そこに足を踏み入れたクフィル、ユリウス、ライラであったが――
ライラがその空間に足を踏み入れた瞬間

「ライラたぁん、ご案内〜〜〜〜♪」

GM:そんなおぞましい声が聞こえた。
瞬間、この空間に足を踏み入れたはずのライラの姿が消えた。

ライラ:ォゥフ

クフィル:「おい、ユリウス…。今物凄くおぞましい声が聞こえたのは俺の気のせいだろうか?」

GM(ユリウス):「…やはりか。だがあのマシーナリーに対しのみとは意外だったな」
声の質なんぞ知るかという感じでユリウスは続ける。
「クフィル。あのマシーナリーの消失程度であればまだ範囲内だ。このまま奥へ突入する」

クフィル:「まぁお前がそういうんならいいけどよ…」
ライラの消えた方へ一瞬眼をやる。

 
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