終章「未来の大地」
「……アルレシャ」
 
神の座・至高の頂に座るその神は静かに呟いた。

今、向こうの世界にいるであろうアルレシャの生命の脈動が消えたのをハッキリと理解した。

「……お前だけは私が創る新世界の住人として共に歩む気であったが」
 
あの時、ルナとミシュラを見逃さず殺しておけばこの結果は変わっただろうか。
ふとそう思ったアケルナルだが、すぐにその考えを嘲笑する。
 
過去を振り返るなど凡人のする事。そのような考えが自分の中にまだあったとは。
 
「…アルレシャ。お前は私が見た中で最も美麗の蝶だった。
もはや私にとっての未練はこれで消えた」
 
静かに神は立ち上がる。
そう、もはやこれで神が抱くあらゆる感情も固執も執念もそれら俗なものは取り除かれたのだから。
 
「さて、それではこの世界の未来のために――物語を再開させよう」

ルナ:(あれ? 逆に世界、ヤバくね?)

ミシュラ:(過去を振り返るなどPLのする事。そのような考えがうんぬんって神サマがいってた)

神は奏でる。

全ては己が信ずる未来のため。

◆    ◆    ◆

GM:それではエンディングシーンです!
まず最初にルナですけど、一応聞きます。どこに行くの?(笑)

ミシュラ:(行くところがあるでしょ思念波送り中)

ルナ:(どこだっけ……思いだせん)

ミシュラ:(ひでえええwww)

GM:了解。ではそれでEDいきましょう。

ルナ:(ワリとルナさんが自分を演じてたときの約束だもん)


◆エンディングシーン1 〜泡沫の絆〜
戦い終わり、君はただ歩んでいた。

暗い深淵の道、森の奥をただ一人。
どこをめざすのか、どこへ行くのか、何も分からず。

いや、それだけではない。自分がこれまで“何のために戦っていたのか”
それすらも思い出せずに歩いていた。

そうして今までの戦いの負荷か、耐え切れず血を流し君はその場に倒れる。
その時、ふと君の前にいる男の姿に気づく。

ルナ:「……?」

GM(???):「んっふっふっふっ…いやぁ、素晴らしいぃデータでしたよぉ〜、ルナたぁん」
それは白衣を着た痩せぎすの男。
青白い肌に気持ちの悪い笑み、生理的に嫌悪感すら覚える男。
だが雰囲気で感じられる、こいつはデミウルゴスだ。


ルナ:「……………………誰?」
機関には居なかったはずだ。

GM(ヌンキ):「あぁ、これは失礼を。私、ヌンキと申します。
貴方が知らないのも無理はありません。
私は滅多に表に出ない引篭りデミウルゴスなのでぇ、んふふふ。
こう見えてもオグドアスbフ11です。制服は機関本部においてきましたけどねぇ」

ルナ:「思い出した。他の皆さんから露骨に避けられてたショボくれた不潔男」

GM(ヌンキ):「おやおや、“貴方を拾った人物”に対してそれはひどいですねぇ」

ルナ:「…………?」

GM(ヌンキ):「いやぁ、貴方のおかげで私の研究データもまた広がりを見せましたよぉ。
やはり、私の星宝は貴方のように心の情緒が不安定なものにこそ、力を見せる!
んんっ、心ってやつは深いですね〜〜、これは研究のしがいがありますぅ〜!」

ルナ:「そう。少し黙って」

ミシュラ:ミシュラはこの場に居ないんですよね。

GM:いません(笑)
「とりあえずは今まで私の研究に付き合ってくださって
ありがとうございましたぁ、ルナたん。これはほんのお礼です」

“どすっ!!!”

ルナ:「……あぁ」

GM:あっさりと、彼の放った光の弾は君の心臓を潰した。

ルナ:「(……ゆっくり、眠れるかな?…すごく、眠いよ……)」

GM(ヌンキ):「あぁ、そうだぁ、最後に一つだけぇ。貴方はアケルナル様が貴方を拾い
全てを与えたように感じてたみたいですけど、それは私の星宝の効果によるものですよぉ。
何しろ貴方はアケルナル様と“会った事などない”ですからね〜」

ルナ:「(ママ……どこ? どこにいるの?)」

GM(ヌンキ):「【偽りの絆(スピュアリアス・バンド)】
人の心に絆を生み出す私の星宝。心を持った人間や人物にしか通じませんが
まさかこれほどの効果があるとは…これは次の研究に活かせますよぉ!くひゃひゃひゃひゃひゃ!!!
手に持った資料を恍惚な笑みで見つめ高らかに笑い去っていくヌンキ。

ルナ:「(わたし、がんばったよ? あたま、なでて……ママぁ)」

GM:静かに、ルナの意識は沈む――。

アケルナル。

そんな人物など君の中の偶像。
本物はあの時、君と会っただけのデミウルゴス。

アケルナルにとっても君にとっても絆や思い出など最初から何もない。
 
空っぽの少女は誰にも知られることなく、ただ静かに…
歴史に残される事なく、ただ静かに……。

ルナ:(にゃーん……)

静かに――――……。


それは誰にも伝わる事がなかった少女の物語。


◆エンディングシーン1終了

ルナ:さめざめ。

ミシュラ:馬鹿なっ!? え… マジですか。

GM:冗談でこんなエンディングすると思うのか(笑)

ルナ:しくしく

ミシュラ:「アケルナル」が知っているのは【最終同調(シンクロ・フィナーレ)】を持っている
自分のコピーとしてだけのルナ?思い出とかは全部偶像?

GM:うん(キッパリ)。だからアケルナルは完全に道具って割り切ってたの。
全部、勝手に作られた絆の記憶。

ミシュラ:うあっ…さっきのシーンラストに乱入したい。

ルナ:とりあえずこのキモいおっさんブチ殺しにいこうぜ!

GM:ルナが都合のいい記憶を自分で作った感じですね。
では次のエンディングシーンいきましょうか。

ミシュラ:うう…ダメか、りょーかいです。

ルナ:(にゃーん)


◆エンディングシーン2 〜終焉の雨〜

――ざぁぁぁぁ…――

雨が降っていた。
静かに世界を包むように暗い夜の中、雨が降っていた。

 “ガーディ”はそんな雨の中、降りかかる滴を払う事無く打たれていた。
 
そこは約束の大樹の前。
 
この大陸、ベルシェルス大陸の発足と共に生まれた大樹。
その前で“ガーディ”は静かに待っていた。
 
すでにその腕は折れ、体中の傷は致命傷。
流れる血は止まる事無く、意識もまどろみへと沈む手前。
 
自分自身でも分かる死の匂いが纏わせながらも
“ガーディ”は待っていた。
 
そして――
 
そこに人が来た。
 
前方の森を掻き分け、その場に姿を現す。
 
“ガーディ”はその音と気配に反応して顔を上げる
約束の人物が来てくれたと信じて――
 
だが。
 
「奴は来ない」
 
目の前に現れた男は開口一番、そう言った。
約束の人物では無い。
男は“ガーディ”のよく知る者。
 
「…シリウス、か」
 
シリウスの、その手に握られた真紅の刀はこの世ならざる美しさを放っていた。
 
「……最後に、一つ聞いていいか」
 
シリウスは“ガーディ”の前まで近づき静かに問うた。
 
「お前はこうなって――後悔…していないのか」
 
シリウスのそんな問いに“ガーディ”は――
 
「後悔はない。オレは自分の信じた道を命を掛けた歩んだ。
結果がどんなに無残でも誰も傍にいなくても、そこに悔いはない」
 

――ざぁぁぁぁ…――

 
「……そうか」
 
静かに雨が降っていた。
まるで世界全てを包むように。
 
静かに、シリウスは手に持った剣を掲げる。
そして――――
 

物語は終わり―――始まりを迎える。
全ては新たなる時代の幕開けを告げるために。


◆エンディングシーン3 〜業火に消える者〜

“どごおおおおおおおおんッ!!!”

そんな轟音と共に少女の家が崩れた。
 
少女は奪われた。
つい先ほどまであった全てを、村を、家族を。
 
「父さん、父さん!…どうして……」
 
少女は涙を流す。そんな少女を男は“エルナト”は静かに見ていた。
 
人のイデアを喰らった。
 
人を襲い、人の感情を極限にまで高め喰らいもした。
 
だが、どんなに喰らおうと。どんなにそれを手にしても
エルナトには決してそれは生まれなかった。
 
目の前で泣いている少女の“心”が。
 
「…悲しいのか。少女よ」
 
エルナトは静かに目の前の少女に声を掛けた。
 
「誰?!」

とっさに振り返り、声をかけてきたエルナトを少女は見上げる。
 
「――エルナト。
君達にはこの大陸を支配する神人の種・デミウルゴスと言ったほうがいいかな」
 
「神…人…?」
 
「そう我らはこの大陸を支配する権限が与えられた種族。
だから…私はその権限でこの集落を――奪った、ただそれだけだ」
 
「…あなたが。あなたがこんな酷い事を?!」
エルナトの言葉に逆上した少女は身構える。
 
ああ、どうして、そんな風に感じられるのだろう。
どうすれば、そのように涙を流せるのだろう。
どうすれば、そのように一つの想いを胸に叫ぶことが出来るのだろう。
 
羨ましかった。そうなりたかった。

自分はこんな完全として生まれたくはなかった。
デミウルゴスとして存在したくはなかった。
 
「…そうだ。だとしたらどうするんだ、少女よ」
 
「そんなの、どうしてあなたに言わなくちゃいけないのよ!」
 
「知りたいんだよ。私は君達の事が。
どうして君達がそんな風に出来ているのか、私は知りたいんだ」
 
本心だった。
 
知りたかった。

そして出来ることなら近づきたかった。

不完全だが、心をもちあらゆる可能性を持っている彼ら、人に。

「ふざけないで!」

そう言い放って少女はエルナトの瞳をきっと睨みつける。

「あなたみたいな…あなたみたいな人殺しに、教えてやるようなこと何もないわ!」
 
「人殺しか…、そしてそれが君の憎しみか」

一呼吸置き、エルナトは集落を見渡し、そして再び少女へ視線を戻す。
 
「この集落にいる全ての人間を殺しても私はまだ理解できない…。
少女よ、君を殺せば私も――理解できるかな?」

そう言った瞬間、エルナトの手に光の刀剣が生み出される。
 
そしてそれは風を切り、少女の心臓へと――放たれた。
“死”その感覚が少女の頭によぎる――だが。
 

“がきいぃぃぃぃん!! ”

 
「大丈夫か」
 
そう言って少女を庇うように現れた帝国の鎧を身に纏った一人の男。
 
「…あなたは…誰?」
 
「…ラヴァード帝国第一皇子にして帝国最強の七将王の統括・レクトル=へルアー=ラヴァードだ」
 
レクトル。その名にエルナトは聞き覚えがあった。
確か、少し前に機関に所属した帝国最強の騎士の名前。
 
「…エルナト。世界を総べる種でありながらこのような非道な行い。
貴様に神人デミウルゴスの資格はない。ここでオレが貴様の存在を終らせてやろう」

そう言ってレクトルは果たすべき事を果たすべく剣を握る。
 
「…なるほど…そうか……貴方が来たという事は、これが私への報いか……」
 
エルナトにはこの瞬間に全てが分かった。
 
シリウスが言っていた。機関を裏切った自分を機関は必ず抹殺すると。
 
そう、これが自分の最後。
結局は人になることも行きつく事なくただの“狂人”として歴史の済みへと消える運命。
 
「ならば、終らせてみせてください。英雄騎士・レクトルよ」

一拍の後、覚悟を決め彼は呟く。

「【エペ・ルーチェ(光刀の千突)】」

エルナトは放つ。自身の最強の星宝を――だが。
 
“ばきいいいいいいいいんっ!!!』”

耳を裂くような何かが無数に砕ける音が広がり、そして――。
 
「……なるほど…」

静かに眩い光が収まっていく中、エルナトは呟いた。
 
「自分とその少女に向けられる刀剣にのみ集中し…一撃で決着をつけたか……。
まあ、力ある者同士の決着は存外に一瞬であるもの…だ……」
 
「ああ、そうだな…」
 
静かに、レクトルの剣はエルナトを貫いていた。
 
感じられる自分の消える感覚が。
 
最後の中で思い出されるのはミシュラ。
彼がいたから、彼がいなければ自分はずっと人形のままで神の下で無意味な人生を送っていただろう。
 
彼がいたから自分は動けた。変われた。
結果は無残で隣りには誰もいない、その目標にも届かなかった。それでも……


「――シリウス…私は…後悔しませんでしたよ……」


後悔だけは、しなかった。


「…大丈夫か」

「……大丈夫です……私は、なんとか…」
一連の出来事を呆然と見つめていた少女は
やっとの思いでその言葉を口する。

「……名前は」

「……アスタロト…」


やがてその出会いが星の未来を変える運命の出会いであった事はまた別の物語。
 
◆エンディングシーン3終了

GM:はーい、おまたせー!いよいよ!ミシュラんのEDだよー!

ミシュラ:すっげえ凹んでます…。

ルナ:3はアレだよね

ミシュラ:星の〜に続く。

GM:三連続バッドEDだったぜ(笑)かつてこれほど鬱なEDもないな。

ルナ:せめてミシュラは幸せに……なさそう。

GM:ミシュラんで最後の締めをするんだ!

ミシュラ:ええい!全部の鬱をひっくり返せるほどハッピーなので締めたい!
シーンOKですっ

GM:では!いきます!

◆エンディングシーン4 〜未来の大地〜

雨が、止んだ。


GM(カストル):「……あ、見て、ミシュラ」
君と支えあいながらカストルと君はそこへ辿りついた。
森が拓けた美しい場所。自然と調和した都市。
ファルナスがいた都市クロナス。

ミシュラ:森の中でルナっちと別れ、二人で歩いてきたこの場所は―――
帰るべきところ。 約束の地。
「綺麗だ…いつ見ても」そう漏らす。

GM(ファルナス):「…おかえりなさい。ミシュラさん、カストルさん」
そんな君達を出迎えるように、優しい笑みを浮かべファルナスがいた。

ミシュラ:「うん、ただいまファルさん」
今まで我慢していた疲弊がどっと体に襲い掛かってくる。
安堵の笑みを返し、そう言います。

GM:ではファルナスさんは君を抱き抱え
「よく、戻ってきましたね。貴方達だけでも戻ってこれてよかったです」

ミシュラ:「…だけ…?って 何…?」
その言葉の意味をよく理解できない。理解したくない。
だって、ルナっちはちょっと前まで一緒に居て。
がっちーとも、この場所に帰ってくるって約束したのに。

GM(ファルナス):「…ミシュラさん…彼らは……」
そう言い掛けた時だった。何かが崩れ落ちる音が聞こえた。
それはどさりと、ミシュラの後ろにいたカストルが倒れた。

ミシュラ:「かっちゃん!?」
急いでファルナスから離れ、抱きとめる。

GM(カストル):「……あ、もう限界が…きた、みたい……。
…私…星宝を…使いすぎちゃったから……」
君に抱かれたままカストルは力なく呟く。そう、彼女の顔からは生気が、失せている。

ミシュラ:「そんな…かっちゃん…」
神との戦いの後も、ずっと星宝を使っていた――人の体を越える力。
それに気付かず頼りきりになるとはなんて愚かしい…!
「ごめんかっちゃん…!僕…僕…」
何も言えない。涙が止め処なく流れ落ちる。
カストルは助からない。 そんな現実を突きつけられ、否定する事が出来ない無力感。

GM(カストル):「……ミシュラ……私ね、最後に貴方に…お願いがあるので………」
言って彼女はそっと君の持つ“鎖”に触れる。
「…故郷に帰りたい……私達が生まれ育った場所にもう一度だけ…戻り、たい……」

ミシュラ:「うん、一緒に行こう。だから、だから…」
その手を上から両手で包み込む。
「死なないで、かっちゃん」 振り向き、掠れる声で呟く「…助けて…」
縋るように懇願するように。
「助けてファルさん…僕、なんでもする。だから、かっちゃんを助けて…」

GM(ファルナス):「…人の身体から失われた命の源イデアやデュナミスを
他から調達ことなど…たとえ、私の力を持ってもしても出来ません…。
すみません…ミシュラさん、私に彼女を存命させる事は……」
だが、そこまで言って彼は真っ直ぐ君を見る。
「ですが…“星の命”…いえ、星の奇跡があれば、あるいは……」

ミシュラ:カストルをそっと地面に寝かせ、ファルナスに掴みかかる。
「教えて!僕が何をすればいいか」

GM(ファルナス):「星は生きています。人と同じように温もりと育みをもっています。
その星が自分の子を見捨ててなければ、星は子の命に温もりを与えてくれるはずです」
言って彼は何かを確信するように言う。
「ミシュラさん、我々が今いるここはなんですか?
星王の大地、星から離れた浮遊大陸です。我々はかつて星の大地を見捨てる事により
自分たちの存続を得ました。今更、かつて我々が住んでいた星の大地に
戻るなど都合がよすぎる話かもしれません…」
ですが、と彼は付け加えながらミシュラに語る。
 
「それでもたった一つの奇跡を信じるなら…彼女の故郷に行きなさい。
“答え”はそこにあります」

ミシュラ:唯、頷きを返す。
「判った。ファルっち…ありがとう」
そう言ってカストルの横に座る。
(かっちゃんはもう絶対安静で動けない感じですか)

GM:(そんな感じです)

ミシュラ:「かっちゃん…僕、行ってくるよ。かっちゃんの故郷へ」
彼女の髪を手櫛ですき、続ける。
「だから待ってて。僕は絶対帰ってくるから」

GM(ファルナス):「…長旅になるでしょう。これを受け取ってください」
言って彼は君に銀包みの保存食料を手渡す。

ミシュラ:「色々ありがとう、ファルさん。かっちゃんをよろしくね」

GM(カストル):「…待って…ミシュラ…私も一緒に…連れて行って……」
と彼女はそっと君の腕につかまり、力なく微笑む。

ミシュラ:(大丈夫なの!?)

GM:(背負うんだ!)
「連れて行ってあげたほうがいいでしょう…彼女は故郷に行きたいのですから。
それにきっと“その方がいい結末”に続くはずです」

ミシュラ:「かっちゃん…」
彼女の瞳に、確固たる意思を感じる。
沈んだ目で生きていたあの頃とは違う、色を宿した瞳。
「わかった。いこう、かっちゃん」
そう言ってかっちゃんをお姫様だっこで抱き上げます。

GM(カストル):「うん……」
ぎゅっと君の服を握り、彼女は微笑んだ。
 
◆    ◆    ◆
 
かつて世界は緑溢れる大地があった。
 
そこには調和と、そして世界を存続させる為のシステムがあった。

その中で人々は暮らし、世界を調整する“干渉者”と呼ばれる人物達もいた。
 
だが、200年以上も前に、世界の大地は全て星蝕に汚染され、大地は死に絶えた。

だからこそ、この浮遊大陸だけが世界の全てだった。

そうして長い旅路の果て、ミシュラは辿りついた。かつてのカストルの故郷に。
 
そこは何も無い、ただ一面に荒廃した地が広がる平原。
いや、ただ一つ目の前に存在するものがある。
それは巨大な穴。都市を包むほどの穴が眼前に広がり、底が見えないほどに
浮遊大陸の大地に穿たれていた。
穴の底を見ると、そこには汚染された雲が真下に広がるのみであり
不毛な空間が漂うだけであった。

ミシュラ:「これは…」
破壊の後…否、消滅の【痕】。
目の前に広がる大穴を前に、足がすくむ。

GM:君の背に感じるカストルの鼓動。
だが、今はそれも、もうわずかにしか感じられない。

ミシュラ:ここに昔、かっちゃんの故郷があったのか。
思い出も人の気配も何も感じられない、この死んだ地に。
「ついたよ、かっちゃん」

GM(カストル):「……ここが、私の故郷………もう、これで…思い残すことは……」
彼女の生が、命が、もう尽きようとしていた。
彼女は微笑み、見渡し、そして――その身体が光に包まれ始めた。

ミシュラ:「かっちゃん…かっちゃん!」
抱き留める。最期の温もりを感じ、そしてカストルにも与えられるよう。


最後の瞬間――だがその時。


風が、薙いだ。


「――――――――」


聞こえたその声はなんであっただろうか?

まるで祈りに満ちた世界の声、とある少女の願いのように。
 
吹き抜けたそれは生命の息吹の与える母の温もりのように
全てを忘れていたはずの世界に今、鼓動が甦る。
 

「…ミシュラ」

 
見ると消えかけていた彼女の身体はその構成を留めていた。
 
いや、目の前の彼女には生命の、命の温もりが感じられる。
 
「ミシュラ……あれ」

そっと彼女は指を指す。

ミシュラ:「…かっちゃん」
暖かい、原初の温もり。先ほどの息吹は何だったのだろう…。
あれが、ファルナスの言っていた星の命―――奇跡なのだろうか。

カストルの指差した方をそっと向く。
指をさしたその先、そこにあるのは大地に開いた巨大な穴。
 
そこにあったのは汚染された雲が風により吹き飛ばされ見えた
そこにあった、198年間、ずっとそこにあって存在して、君達が帰る日を待っていたもの。
 
消えてなかった。残っていた。希望の姿。


そう、そこにあったのは――――――


ミシュラ:「大地が…」
カストルの手を握る。

星は、生きている。 確かにそれを感じられる。
全てが枯れ果て、何も無くなったかに思えた。


だが、確かにそこに在ったのだ。


今ここに新たなる“新世界”が生まれていたのだ。

そう、それはやがて星の伝承記と呼ばれる物語の先にある世界の始まり―――。


エスペランサー・セイバー
星の伝承記
〜Memory of Isthar〜

TEH FIN



◆エンディングシーン4終了

GM:では最後にミシュラたんのEDぶち壊しのエピローグをします(笑)

ルナ:マダあった(笑)

ミシュラ:うええ!?(笑)


◆エピローグ 〜新世界〜

「以上を持って報告を終えます。エルナトは抹殺。ガーディも貴方様の命令通り。
我が神――アケルナル様」
 
シリウスはそう目の前に存在する神、アケルナルへと報告をする。
 
「機関の方はどうなっている?」
 
「は、イシュタルが死んだ事は残ったプロパテールのベテルギウス、サダルスードのみが知ったようです。
ただサダルスードはまだ兄の死を受け入れていないようで
ベテルギウスが0として機関の統治を行なうようです」
 
「そうか。所詮は見せかけの統治。もはや機関なぞはこの先の歴史には不要な遺物だな」
 
「では、残った機関を潰しますか?」
 
「いや、もうしばらくそのままにしておけ」
 
アケルナルは先を見ていた。
そう、これから自分が創る世界とその世界にある国を。
 
「世界を創造し、そこに神がいても住民を支配する王が
いなければ統治は完璧にはならない。神が王の役割を担うのもいいが、神はあくまで全てを把握し、
それに対処しなければならない。故に、我が世界の王に相応しい人材を探す必要がある」
 
「なるほど…機関を潰した者にその王の資格を与える、と」
 
「その通りだ。故に“私は機関の残骸たちを残しておいた”。
そして、私の予測通りならば、それを討ち果たすのは“あの二人”の内のどちらかだな」
 
「あの二人…ですか」
 
「そう、王道を貫く王者か。覇者を通す覇者か。いずれにしろあと数年先には答えは出る」
 
「御意…では私は機関に戻り、引き続きアケルナル様のご意志のために尽力いたします」
 
そう言って下がろうとしてシリウスだったが不意に思い出したように
 
「そう言えばヌンキの始末はいいのですか?
奴は我々の計画に協力したため、我らの目的や貴方が神になった事も知っていますが」
 
「放っておけ、あれはただの科学者。
知識と星宝の研究にしか興味は無い。マークを失った今、奴を消すのは早計だ」
 
「…仰せのままに」
 
その一言と共にシリウスは姿を消す。


そして―――


「さて、新世界の王として君臨するに相応しいのはお前達のうちのどちらかな。
ヴァーレンハイト王国第二王子クフィル、ラヴァード帝国第二皇子ユリウス」



物語は新世界へと向かう。

 
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