第九章「太古の存在」
◆前回までのあらすじ
――“機関”
それは神イシュタルが神人デミウルゴスによって作り上げた神の機関。
機関の目的は星触によって現在の世界を滅ぼし新たなる世界と種を創りあげる事。
だが、いまこの機関の存在自体を疑問視し、その理想に刃を向ける者達が集う。
彼らは同じ機関のメンバー、その代表はガドフリート。
彼らは機関を刃を向け、人間に戻ろうとしていた。
そして、機関統治者0アケルナルが神に反旗を翻し
今、198年に及ぶ世界を統治した存在の運命が大きく変わる。
その鍵を握るのは、一人の少女。

エスペランサーセイバー・機関編
第二幕 「神の驕り」

星の果てに人は自らの運命を握る。


◆ミドルシーン7 〜太古の存在〜
GM:ミシュラ、ルナはガーディ、エルナト、カストルらと共に移動をしていた。
すでにガーディの隠れ家は機関に知られているため、彼は君達を連れ別の場所を目指している。

ルナ:憔悴した様子で付いていこう

ミシュラ:周囲への警戒を絶やさず、かっちゃんとエルっちを
何があっても守れるような位置取りで歩を進める。

GM:そして、ガーディの案内のもと君達が辿りついたのは
森と自然が調和した美しい大地。そしてそこにある自然と調和する人々の姿。
「着いたぞ。ここなら機関もそう簡単には手を出せない」
そこは王国、帝国のどちらの領土にも属さない第三勢力の地
ミシアン領地の最果ての場所、ミシアン領地の首都クロナス。

ルナ:「ここが……」

GM(ガーディ):「知っているかどうかは知らないけど、このミシアン領地を支配する
デミウルゴスは198年前の星蝕戦役で星王や機関と戦い、唯一生き延びた奴だ。
それだけじゃなく、現在の機関が唯一手出しできない強者として、今も尚この地で
大陸の一割を死守している。彼と戦うのは神であるイシュタルでさえ痛手を恐れているからな」

ミシュラ:「相当強い人なんだね…」感心したように溜息を付き言おう

ルナ:デミウルゴス+イシュタルでも簡単に勝てないのか…。

GM(ガーディ):「ま、そういうわけでそいつと協力できれば当面は安心って事だよ」

ルナ:「協力……してくださるでしょうか」

GM:と、ガーディの説明が終わると君達に近づいてくる女性がいる。
どうやらここの住人のようでナ○ルルのような巫女服を着た人物だ。
「お待ちしていました。ガーディ様と機関に属していた方達ですよね」
丁寧な物腰で女性は聞いてくる。

ミシュラ:「うん、そーだよ。そういう君は…?」

GM(巫女):「私はこの地を収めるファルナス様に仕える巫女です。
ファルナス様から皆様を案内するように仰せつかりました」 ぺこりとお辞儀をしながら。

ルナ:ファルナス…。

ミシュラ:いい趣味してるな…。

GM(巫女):「長旅でお疲れかもしれませんが、ファルナス様がお会いしたいと言っていますので
よろしければ一緒に来てもらえないでしょうか?」
と、巫女さんは君達に聞いてくる。

ルナ:ガドフリートを見よう

GM(ガーディ):「皆が疲れていないなら、オレはすぐにでも会ってみたいけど」
君達を見ながら。

ミシュラ:「行こうよがっちー、ルナっち。僕は大丈夫だよ」

ルナ:頷く。不安げに微笑みながら。

GM(ガーディ):「じゃあ、そう言うわけで案内を頼むぜ」
そのガーディの言葉に微笑みを浮べて巫女さんは君達を先導していく。
首都というわりにそこは大都市のように大きな建物や荘厳な城などがあるわけではなかった。
自然と調和し、必要以上の装飾のない建物が並びまるで、人類がまだ大地に地を足付け
暮らしていた頃のような光景がそこにあった。
巫女さんの案内で君達の前に現れたのは一つの古びた神殿。
だが、そこはまるで神が住まうかのような神秘的な雰囲気を携えていた。

ミシュラ:きょろきょろと辺りを見回す。
「素敵なところだね。なんだか落ち着くよ」

ルナ:「……きれい」

GM:巫女さんはその神殿の中に入り、君達を更に案内する
不思議な神秘的な創りの神殿を歩く事しばし、急に視界が開ける。
そこは楽園と呼んでもいい場所だった。
まるで世界が最初に存在した頃の穢れない大地と草と木々と動物たちが存在する場所。
神殿の最深部がこのような太古の自然が存在する場所だとは誰が想像できただろうか。

ミシュラ:似ている。自分がまだ人間の頃、幼い自分に母が話してくれた楽園/天国に。
目の前に開けた光景に息を呑む。
「…綺麗だ」
傍にいるカストルの手をきゅっと握る。

GM(カストル):「…すごく綺麗だね…」
彼女も君の言葉に同意するようにそう言い、手を握り返す。

ルナ:「物語に伝わる自然……そのもの」

GM:そんな美しい自然が広がる場所で白いテーブルクロスとイスに座る一人の青年の後姿が見えた。
だが何よりも彼の持つ真紅の髪の美しさに君達は瞳を奪われる。
「やあ、そろそろ来る頃だと思っていたよ」
と君達の来訪を感じ取り、彼は白いイスから立ち上がり君達の方を振り返る。


GM:その人物の雰囲気というよりも対面して分かるのは圧倒的な魂の脈動。
だがそれは威圧的ではなく、むしろ父のような抱擁するような温かさを感じる。
「はじめまして、私がこのミシアンの地を治める領主ファルナスだ」

ミシュラ:こんなにも圧倒的されているのに不思議と心安らぐのを感じる。
「はじめまして」

ルナ:「は、はじめまして」あわてて頭を下げるよ

GM(ファルナス):「君達の事は風の噂で大体聞いているよ。
まぁ、そう緊張せずにリラックスしていいから」
そう笑顔を浮かべ彼は君達全員分のイスを用意して、そこへ座るように促す。

ミシュラ:促されるままにちょこんと座ろう。

ルナ:同じく。ただ浅く、居心地が悪そうに座るよ。

GM:ガーディ、エルナト、カストル、あとマーク博士。彼ら全員もそのイスに座る。
「さて、こうして来て貰った事だし、ゆっくりとお話しでもしようと思うけど
事態はどうもそうのんびりとはしていられないようだね」

ミシュラ:頷きを返す。

GM(ファルナス):「まずはそうだね。機関の動きについてだけど
彼らは裏切り者を許しはしないが、現在彼らの行動原理はそれだけではない。
彼らは今ある物を血眼になって探している、それが【反魂】と呼ばれる物」

ルナ:「裏切り者」に反応して誰にも気付かないように目を細める。

GM(ファルナス):「そちらのガーディ君が反魂を手にしようとしたみたいけど、
それは少し前にそちらのルナさんに奪取されて失敗したようだけどね」
そのファルナスの言葉にガーディは笑いながら頷く。

ルナ:「どのようなものか、存じ上げませんけども」
と言い返すよ

GM(ファルナス):「まぁ、そうだろうね。それについては後で話すよ。
ミシュラ君、反魂については君も少し関わっているはずだよ。
確か君はしばらく前まで機関の“絶対牢獄(ダーク・レーン)”に牢獄されていただろう。
その罪ともなったある物を盗んだとされるが、それが反魂だったんだよ」

ミシュラ:「僕…盗んでないよ」
あの見せられた画像は一体何だったのだろう。今でも気がかりだ。

GM(ファルナス):「勿論知っているよ。誰が何の為にしたのかは、きっと知る時が来るさ。
その人物も悪意のみでそれを行ったとは限らないしね」
言ってなにやら意味深な言葉を送る。 
「現在、反魂は機関の奥深くで厳重に保管されていたはずだけど
それがしばらく前に行方不明になった。そう、機関統治者0アケルナルの反逆と同時期にね。
だから連中は反魂を探している。そして彼らはその反魂の場所を知るのがルナさん
君だと確信している」

ルナ:「え?」びっくり
みぎみてーひだりみてーファルナスみてー
「……私!?」

GM(ファルナス):「そう、君なんだよ」 にっこりと笑顔。
「どうして彼らがそう思うのか。それは君がアケルナルに拾われ、その配下なのが理由と思うかい?」

ルナ:「いえ……私はアケルナル様の反乱は存じません。最近、何かを受け取った記憶もありません」

GM(ファルナス):「そう、だけど君は知っているんだよ。“アケルナルの行動を”
“アケルナルの記憶を”」

ルナ:「そんな! 私は……」うつむくよ

GM(ファルナス):「それが君の持つ――星宝の力なんだ」

ルナ:「ア、星宝……?」ルビはアステリアで。

GM(ファルナス):「そう、それが君の星宝。【同調魂(メノン・シンクロ)】と呼ばれる物だ。
これを知っているのはプロパテールbフ者達と君の上官であったシリウス。そして…
君のその星宝研究に携わった、そちらのマーク博士だけだよ」

ルナ:「わ、私はただの人間でっ! 星宝なんか……そんな……」 

GM(ファルナス):「極希にイデアが澄み切り高まった人間が星宝を持つことがある。
それが君だ。そしてアケルナルはそんな君を自分の計画成就のために拾ったのだろう」

ルナ:「そんな……」

GM(マーク):「…ルナ…」
それまで会話を聞いていたマーク博士は沈痛な表情で君を見る。
「…すまない。この事を君に黙っていた事実は謝っても許されないだろう…」

ルナ:「……(アケルナル、様)」

GM(マーク):「私はアケルナル様に命じられお前の研究をしていた…。
罪悪感もあったがそれ以上に君と君の中にある星宝の可能性に夢中になった…。
あの事実を知るまでは……」 言って彼は区切り何かを思い出すように奥歯を噛み締める。
「…君の星宝【同調魂(メノン・シンクロ)】はランク付けも出来ない特殊な星宝だ。
戦闘用とは言いがたいし、使い方によってはどんな星宝よりも扱いにくいものだ。
君の星宝とは発動した瞬間に指定された人物の魂と同調を開始する。
それは記憶や行動なども同調し、やがては指定された人物と同等の能力、高みすらも得られる。
この時、指定された人物がただの人間であればその時点でこの星宝は意味は無い。
だが、もしも指定された人物が、神にすら匹敵する者であれば――」
 
「君のその【同調魂(メノン・シンクロ)】は数年前に発動をしている。
そして、その対象は君を拾いその星宝に気づいた人物、即ち――アケルナル様。
つまり、君の魂はアケルナル様と同調をしている。
アケルナル様の記憶、行動、能力、その全てが君へと流れてるんだよ」

ルナ:「アケルナル様と、同調?」

GM(マーク):「…だがこれは正直、良い結末を産む事はない。
アケルナル様はデミウルゴスの中でも頂点に位置する人物。
その彼の能力や力が人間の身体でもある君に入りきるはずがない。
このまま同調が進めば、最後は君の身体は君自身の星宝の負荷に耐え切れず死に絶える…」

ルナ:「死……」

GM(マーク):「これに気づいたのは最近だった…。
そしてアケルナル様は最初からこれを知って、君の星宝を発動させていた…」

ミシュラ:「なんとかして、止める方法は無いの?」
おそるおそる聞こう。

GM(マーク):「……分からない。今の段階では、同調している人物が死ねば同調は止まる。
つまり、アケルナル様が死ねば君は助かる……」

ミシュラ:その事実の意味する事。
すなわちそれは、ルナ自身に 例えそれが仮初の物だったとしても、
幸せを与えてくれた存在を滅ぼすという事。

ルナ:「そんな! アケルナル様を、殺せとおっしゃるのですか貴方は!私、私は……!」
両手で顔を覆うよ。

GM(マーク):「…ルナ…アケルナルは君が思っているような人物ではない…彼は……」
そこまで言ってマーク博士は黙り込む。

ミシュラ:「まーくん…たとえそれが本当の事だったとしても、ルナっちにはとっても辛いことだと思う」
ぽつりと言い、俯く。

GM(ファルナス):「…まぁ、そう言うわけで機関が君を狙うのは
アケルナルの口から反魂の場所を聞くより、彼の記憶を知っている
君から聞いた方が早いと踏んだんだ。今、君の同調がどこまで進んでいるかは分からないが
もしもアケルナルの記憶を夢で見たり、彼並みの戦闘能力を発揮したのならば
同調深度はかなり進んでいると考えていい」

ルナ:でーその記憶はあるんだろうか…。

ミシュラ:アレルシャ戦を思い出す。

GM:幕間シーンで、???シーンがありましたが、あれは全部ルナの夢シーンで
言ってしまうと全てアケルナルの過去や思考のシーンでした。

ルナ:アレか!てっきり女性の転生態かと思ってそのように描写しちゃったじゃないか。
アケルナルと同調してたのならあのシーンわりと酷い(笑)

ミシュラ:昔はカマ言葉だった説急浮上。

GM:まぁ、あくまで同調だから、ルナの人格と混じってああいう会話ということでありと思います(笑)
ちなみに、だからアルレシャはあんなに激昂したのですね。

ルナ:なるほど

GM(ファルナス):「さて、それでは会話を少し戻すけれど反魂についてもう少し君達に詳しく伝えよう。
なぜ、機関がこれを求めるのか。それはこの反魂こそがこの世で唯一神を滅ぼせる星宝だからだ」

ミシュラ:「神を…滅ぼす」
その言葉に鳥肌が立つ。それほどまでに、反魂とは恐るべきものだったのか。

GM(ファルナス):「滅ぼす、とは少し違うかもしれない。
神としての力を無くす、奪うとでも言うのか……実際、詳しくは私も分からないが
とにかくこの反魂があれば星王にして神たるイシュタルを打ち滅ぼせるということだ」
 
「そして、これが出来たのは数年前でそれも偶然の産物の果てに生まれた。
そうですよね―――マーク博士」
 
ファルナスのその言葉にマーク博士は静かに頷いた。
 
ルナ:なんと!作ったのは博士であったか

GM:「反魂については私よりもそちらの反魂の生みの親である博士に聞いた方がいいだろうね」
そのファルナスの言葉を継ぐようにマーク博士が続ける。
「…ルナ。数年前、君をアケルナル様が引き取りしばらくしてから私が完成させた。
君の星宝のデータを元に、その果てにほぼ偶然ともいえる確立で…完成したんだ。
神を唯一越える星宝を」 言って彼はしかし後悔するかのように呟く。 
「その星宝と成長した君がいればアケルナル様は自らの目的が達成できると言った。
恐らくは…神を殺し、その先に何かをするつもりなのだろう…。
だが、アケルナル様の計画は失敗に終わったのだろう。反魂の場所も今となっては…」
そこまで言ってマーク博士は黙り込む。

ルナ:「反魂の場所…」

GM(ファルナス):「反魂の居場所も気掛かりだが、
とりあえず今は現状の危機を君達に伝えないといけない」
とファルナスはこれまで以上に真剣みを帯びた緊張した面持ちで告げる。
「まず最初に神である星王イシュタル。彼は人類を救うために星蝕を起こし、機関を設立した。
そう君達、機関メンバーは聞いているのだろう」

ミシュラ:こくりと頷きを返す。

GM(ファルナス):「ならば伝えておこう」

「星王イシュタルは初めから人間を救うつもりなど無い」
 
GM(ファルナス):「デミウルゴス。人類の果てに生まれる神人の種。
これすらも彼に取っては救いでも、目的でもない。
彼は最初から、この世界も人間も救うつもりなどは全くないんだ」

ミシュラ:「そんな…!」
今まで、自分のやっている事こそが世界を 人々を救う事だと信じてきていた。
信じていたからこそやってこれた。

ルナ:「イシュタル様が……」

GM(ファルナス):「イシュタルの計画の第一段階、それが星蝕によって人類を死滅させ
デミウルゴスを生み出すこと。そして第二段階が、デミウルゴスが持つ魂の粒子【デュナミス】の回収」

「つまりは、全デミウルゴスの抹殺だ」
 
GM(ファルナス):「彼(神)に取ってデミウルゴスとは【デュナミス】と呼ばれる
霊質を集めるための道具にしか過ぎない。君達を支配する神イシュタルの本質。
それは驕りと傲慢に満ちた化身に過ぎない」
 
「…神とは、そういうものだ。かつて“私の父”も、そうだったように…」
 
深い憂いの瞳を浮かべ、ファルナスは呟く。
 
GM(ファルナス):「…君達はこの世界、エル=ユーナに大地が存在した頃を知っているかな?」

ミシュラ:「そういう頃があったってことは知ってるけど…」

GM(ファルナス):「もう1000年も前になるな。その頃はこの世界にも美しい大地があった。
そしてそれよりも遥か古、何千年、何万年も前の時代。
そう、この世界が始まった黎明期の時代に最初にこの世界を支配していた神がいた」

ルナ:「そんなに……昔のこと」

GM(ファルナス):「その神の名は、神王クレイムディア。
彼はまさに神に相応しい存在だった。その性格、能力、力量全てにおいて…。
そう、世界は自らの手中にあり、人も世界全てが己の思い通りと認識していた傲慢なる神。
その神王クレイムディアは人間の女に自らの子供産ませた。
それ事態もまた彼の神としての傲慢さを現していたが、その生まれた子と言うのが
後に世界の運命を大きく変える事となる」
 
「生まれたのは“双子の兄弟”」

ファルナスは語る。それは遠い過去の神話に置き去りにされた
今や誰もが忘れた始まりの歴史の真実を。
 
「その兄弟のうち弟の方は、父であるクレイムディアすらも超越する能力を持ち
神の傲慢すらも超越する生まれながらの“絶対悪”を有していた。
そしてその子供は父である神王クレイムディアを殺し世界すらも殺しかけた。
これは全て世界を支配していた神の驕りと傲慢が生んだ結末。
この世界に存在した原初の神が滅びた理由とは神が持ち傲慢に他ならなかった」

言って彼はどこか遠くを思い出すように憂いを秘めて続ける。

「――私はそんな太古の時代からずっとこの世界を見てきた。
父のように世界を統治すること事も、弟のように自らの欲望に忠実になる事も出来ず
常に世界の“影”となりこの世界を見守り続けた。
だが、どんなに時が経とうとも世界は変わらず、今もなお傲慢な神の所業によって
世界は無くなろうとしている…」

そして彼は告げるそれはこの地を治める者に隠された真実の全て。

「私はデミウルゴスではなく、今や失われし種…神の血肉を受け継ぐデミウルゴスとは
異なる神の種族“最初のフラグメント”ファルナス」

ルナ:フラグメント?!

GM(ファルナス):「長話をしてしまったな。もうフラグメントも
最初のフラグメントである私を残し全ては死に絶えてしまったから、少し感傷に耽ってしまったよ」
言いながら彼は優しく微笑む。
「まあ、そういうわけで星王が私を恐れる理由は
私がかつてこの世界の神である神王の血肉を最も受け継ぐ息子だからだよ」

ミシュラ:平時に言われていたならば一笑に付していただろうそれらの言葉も
今こうして機関を追われている身には信憑性をもって伝わってくる。
何より、ファルナス―――彼の父性を前にして、猜疑や欺瞞を挟む余地など到底無かった。

GM(ファルナス):「弟のアルトサウディウスには劣るが
それでも私もそれなりの力を有しているから星王も簡単に手出しはできないさ」

ルナ:ちょっ!魔王の兄貴かよ!

GM:それはエスペ史上知られざる太古の、そして歴史そのものを揺るがし兼ねない驚愕の事実。
今日のシナリオはリプレイ掲載まで秘密って事で(笑)

ミシュラ:はーい(*‘ω‘ *)

ルナ:おーけいです

GM(ファルナス):「とにかく、星王の計画は第二段階に入ろうとしている。
調べた限りでは、すでに“星蝕”の機能も取り戻しつつあるという事らしい。
つまり、再び星蝕を引き起こし全人類を消滅させ、残ったデミウルゴス達のデュナミスを回収し
この世界全てを吸い上げ、そうして彼はこの星から“旅立つ”つもりだ」

ルナ:「旅立つ…?」

GM(ファルナス):「彼はもともと星を渡る神だ」
言ってファルナスは星王に隠された真実。彼の神としての本来の姿を語る。
「彼がこの世界に来たのも“ある目的”のため。
それを果たせば彼本来の性質でもある星を渡る神に戻るだけだろう」

ミシュラ:「星を渡る…。今までもそんな事を繰り返して世界を吸い上げてきたというの…?」

GM(ファルナス):「…そうだ、それが“彼の本質”。
星を渡り、その星に存在する全てを吸い上げ、侵食し次なる星を渡る…。
それが彼の星王の正体だ」

ルナ:怖っ!

ミシュラ:「そんなの…そんなの、唯の災厄じゃないか!そんなものが神であるものか!」

GM(ファルナス):「“星蝕”というのは彼という神そのものを指していると言っていいだろう」

ルナ:「災厄そのもの……星を餌に渡る存在なのね」

GM(ファルナス):「だからこそ機関を、そしてその裏にいる星王を倒さなければならない。
この星までも彼に蝕まれない内に」 
と、ファルナスがひとしきり話し終えた所でミシュラの隣にいるカストルが青白い顔をして呟く。
「…ミシュラ…ごめんなさい…私、気分が悪くなって……」
ぎゅっと君の服の袖を握る。

ミシュラ:「!…ごめん皆、話を続けてて」
かっちゃんを支えて、ナコ○ルっぽい服の巫女さんにどこか休めるところが無いか聞こう。

GM(巫女):「それでしたら、奥の部屋をお使い下さい。
皆さんが休めるように用意していましたから」
丁寧に場所を教えてくれる。

ミシュラ:礼を言ってからその場に向かおう。
「大丈夫?かっちゃん」
心配でこちらの顔まで青ざめてしまうようだ。

GM(カストル):「大丈夫…少し休めばよくなるから…ごめんね、ミシュラ…」
彼女は君の方を振り向いて弱弱しい笑顔でそう言った。
恐らく、彼女に取って先の話の真実はあまりに衝撃的であったのだろう。

ミシュラ:「そんなっ!謝ることなんてないよ」
両手をぶんぶん振って否定。
休憩場所にかっちゃんを休ませた後でも、皆の所へはすぐに戻らず傍に座っていよう

GM(カストル):「…優しいんだね、ミシュラ。でも私は大丈夫だから…。
皆の所に戻っていいから、ね」
しばらく休み、君の介護を受けていた彼女は少し顔色が良くなってからそう言った。

ミシュラ:うーん…そう言うなら物凄く不安だけど皆の元へ戻ろうかな…。
「すぐ戻ってくるからね!」「不安だったら言ってね!」
とかちょくちょく振り返りつつその場を後に。

GM(カストル):「…うん、ありがとう。ミシュラ」
彼女はそんな君の様子にお礼を言いながら手を振り返していた。
 
一方、ファルナスと会話をするメンバー達は――。
 
GM(ガーディ):「ま、カストルお嬢さんの具合が悪くなるのも当然だよ。
オレも今の話にはさすがに信じがたくないものがあるしな…」
言いつつもガーディの表情は真剣そのものであった。
「なら、早い内に機関に先制攻撃をした方がいいだろう。
この際、人間に戻れる方法も星王から直接聞き出した方がいいだろうしな」
「そうだな、それが一番の近道だろう」
ガーディのその発言に残ったエルナトも静かに同意する。
「ルナ。お前はどうする?オレ達と一緒に星王を倒すか。
それともアケルナルに会って真相を確かめるか」

ルナ:「私は……」
どっちが面白そうだろうか。
「私は、災厄よりアケルナル様に会いたい…」

GM(ガーディ):「なら、それまでオレが君をエスコートしてあげるよ」
手を差し出してガーディは笑みを浮かべた。

ルナ:手を見て、ガーディを見つめ「ありがとう」微笑んで彼の手を取ろう。

GM(ガーディ):「戦闘になってもあんまり無茶はするなよ。下手すると同調が早まるしな。
その間はオレが君を護ってあげるから」

ミシュラ:(ミシュラ「ひゅーひゅー!がっちーちょ〜プレイボーイ!」)

GM:と、君がガーディの手を取り、笑いあったその瞬間――

“どごおおおおおおぉぉぉぉぉん!!!”

この神殿の最深部すらも揺るがす衝撃が走る。
 
GM(ガーディ):「ッ、こいつは!」

ルナ:「きゃっ!」

GM(兵士):「ファルナス様!機関がここの結界を突破して神殿内部に入ってきました!」
衝撃と共にこの部屋に走ってくる数人の兵士や巫女達がそう報告してくる。 
「…馬鹿な、この領地を覆う結界はいくら奴らでも簡単には突破できないはず。
一体どうやって…」
兵士達の報告を受け、一瞬驚きをあらわにするファルナスだが、すぐにその表情を打ち消し
立ち上がる。
「敵の数は分からないが、彼らの目的は私か君達…むしろ両方か」
と、その瞬間この場にミシュラたんが戻ってくる。

ミシュラ:「さっきの音は一体!?」

GM(ファルナス):「ミシュラ君。どうやら、機関が君達がここにいる事を突き止めたらしい」

ミシュラ:「そんな…こんなに早く…」
かっちゃんの事が気がかりだ。戻れるならすぐにでも戻って背負って帰ってこよう。

GM(ファルナス):「ミシュラ君。君にはカストルさんを案内した西部分に行ってもらいたい。
私とそちらのエルナト君でこの神殿の中央部へ向かう。
ルナさん、そしてガーディ君は東部分をお願いしたい、いいかな?」
彼は君達全員を見回した後、そう判断をしてくる。

ルナ:「分かりました」腰の武器を確認して言うよ。

ミシュラ:頷きを返し、即槍を取り出し<振動速移動>で全ての壁・家具をすりぬけ
かっちゃんの所へ急行する。

GM(ガーディ):「では、行こうか。ルナ」
それに頷くようにガーディもまたルナと共に走り出す。

 
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