第二十章「変革する運命」
◆幕間シーン 〜フィーとガゼルの冒険譚1〜
フィーよ!今、王国途中の森林地帯からあらすじを送るわ!
アタシと一緒のガゼルの馬鹿が道に迷ってアタシまで森で迷ってるわ!
い、言っておくけど迷ったのはガゼルよ!アタシじゃないからね!!
えっと、フィルなんとかと機関なんとかとオカマが戦う事になって以上!
あらすじなんか後よ!後!今は食料の確保と水場を…ぎゃー!虫―――!!!(ぶつん)

ガゼル「今日もオレと一緒にエスペランサーセイバー(きら〜ん)」

ライラ:ちょ、フィー(爆笑)

アスタロト:とりあえずしばらくは追手の心配はいりませんね!

クフィル:噴いた(笑)フィー(笑)

GM:まず、あらすじすらしてない(笑)

クフィル:可愛いのぅ可愛いのぅ(笑)


◆ミドルシーン11 〜変革する運命〜
オグドアス12“黄昏の剣”ロクスを倒し、クフィル達は黄昏の空間から元の王座の間へと戻る。
そしてそんなクフィル達の眼前に現れた光景は体中を血に染め
もはや満身創意としか言えぬ身でなおもベテルギウスと戦うレイルの姿があった。

GM(レイル):「……はぁはぁ…はぁ…!」
傍目に見てもそれはすでに戦える姿ではないことが分かる。

クフィル:それは即座に割って入るしかあるまいて!

ライラ:渾身の力でカバーリングを宣言しますが構いませんね!

アスタロト:アスタロトも銃を構え援護の体勢に入ります!

GM:それはありです(笑)

レイルを護るようにクフィルとライラが立ちはだかり、アストの銃口がベテルギウスに狙いを付ける

GM(ユニ):「――!フィル!戻ってきたんだね!」
戻ってきた君達を見てユニが最初にそう声を掛ける。続けてユニのその声に気づきレイルもまた
「……フィル…良かった、無事だったんだね…」

クフィル:「ばーか、俺が負ける訳ねーだろが」

ライラ:「そう仰るマスターこそ、まずは息が有って何よりです。お下がりください、あとはわたしが」

GM(レイル):「…そうだね、さすがにこの身体じゃあ役には立てないね…。すまない、ライラ」
そう言ってレイルは君達の後ろに下がる。下がる寸前にレイルはライラに
「フィルを護ってくれて…ありがとう」と声を掛ける。

ライラ:「いいえ、それがわたしの務めですので」
【ホホエミ回路が拡張されました】(てろりん♪

GM:ホホエミ回路きたぜ(笑)

だからなんてエロゲだt(ry

GM:では後ろに控えていたユニが少し心配そうにフィルの後ろまで来て声をかける。
「…フィル…君…すごくボロボロじゃない。そんな身体じゃ…無理だよ!
私、ずっとレイルさんとベテルギウスの戦いを見ていたけど!そんな身体じゃ…フィルがやられるよ!」
と君の身を心配する。

クフィル:「ダチが俺の為に命張ったんだ。俺が逃げる訳にゃいかねぇだろ」

GM(ユニ):「…フィル…」
君の決意に納得したのか気圧されたのか、少し俯きながらもユニも後ろに下がる。
そして、それと入れ違うように――君達の眼前にいる存在、ベテルギウスが前に出る。
「驚いたな、クフィル。まさかお前が最下位とは言えオグドアス12のベガを退けるとは。
まあ、ライラと真白の継承者もいる。そう不思議でもないか」
と言ってベテルギウスはフィルの両脇に立つライラ、アスタロトを見る。
「とりあえず、レイルに関する疑問も解けた。現存する『欠片』とその継承者達も判明した。
もう余興はこれまででいいだろう」

言ってベテルギウスは静かに――構える。

瞬間――

『ばぎぃぃぃぃぃぃん!!!!』

ライラの腕が、掻き消えた。

見えなかった。感じなかった。

気づいた時にすでにその右腕は――消滅していた。

GM(ベテルギウス):「お前たちは光栄だぞ」
見ると――ベテルギウスの腕には2mは越すであろう漆黒の大剣が握られていた。

ライラ:【EMERGENCY:Atack hitted! Critical damage】
痛覚はないんで痛がりませんがびっくりしてます

GM(ベテルギウス):「最後に――この世界を総べてる神人の頂点に立つ者の力を、見れるのだから」
その言葉と共に再びベテルギウスの姿が消える。
そして――

『どごおおおおおおぉぉぉぉぉぉん!!!!』

刹那にも満たない0秒後にベテルギウスはアスタロトとライラの背に瞬時に移動し
その背に向け大剣の一撃を振り下ろした。
その衝撃と一撃でライラもアスタロトも同時に壁に叩きつけられる。
ただの一撃で肋骨の数本は砕け、利き腕も骨折、内臓や器官にも多大なダメージが与えられる。

そう、ただの一撃でベテルギウスと対峙した二人が戦闘不能へと陥った。
それはもはや戦闘とも呼べぬ瞬間の出来事。

クフィル:キャー!

GM:見る事も感じる事も反応する事も何も出来ない。
ただ立ち尽くしていただけで、二人は地に斃れていた。

ライラ:うわぁい。眼テロップが流れる暇もないぜ

GM(ベテルギウス):「理解したか?オグドアスb竢フ号無しを倒して
お前たちは機関に勝てると思いあがったみたいだが――」

「これが、“神”の力だ」

GM:圧倒的なプレッシャー。神たる者が放つ覇気。
ただ対峙するだけで心折られ、身体が地に伏せるような魂の質量が
ベテルギウスから放たれている。

クフィル:その覇気に歯が鳴り、足が震える。
それ程の威圧感。否、絶対的な生物としての完成度の違い。
 
GM(ベテルギウス):「今更、神に対して反旗をした事に後悔が表れたか?
ならばクフィル。お前だけは助けてもいいぞ。我ら『機関』に忠誠を誓うというのなら、な」
それは正に神が弱き人間に対し手を差し伸べるようにベテルギウスは言った。

クフィル:「…ハ…ッ!冗談は顔と言動だけにしとけよ」

GM(ベテルギウス):君のその台詞を聞き、僅かに目を伏せたベテルギウスはただ静かに呟く。
「そうか、それは――」

「残念だ」

言ってベテルギウスは大剣を構えた、刹那。

“ばきぃぃぃぃぃぃぃん!!!”

それは金属が断ち切られる音。
刹那にも満たない一瞬。そのわずかな瞬間で、クフィルの持つ愛剣“クリティアス”は
真っ二つに――折られた。

“―――からんっ”

クフィル:ェー!!

折られた刃が乾いた音を立てて静かに地に落ちる。

クフィル:「…な…ッ…!」

GM(ベテルギウス):「神への祈りの時間をやろう」
見るとベテルギウスの刃は君のすぐ眼前、目の前に掲げられていた。

クフィル:「生憎だがよ、俺は神に祈る事なんてしねぇ…ッ!」

GM(ベテルギウス):「そうか。ならば――――――死ね」


そして。


「――――フィル!!」


◆  ◆  ◆

少女はただ見ているだけだった。

目の前で皆が戦っている。苦しんでいる。
それなのに少女は何もできなかった。出来ずにいた。それが悔しかった。もどかしかった。

何度も助けてもらった。
自分は彼のおかげで色々な事も知れた。
この数日は少女にとって知らなかった世界が広がった数日間だった。

その恩に報いたい。何よりも彼を――私の手を引いてくれたあの人を、殺させたくない。

だからそれは頭で考えた末の行動ではなかった。ただ少女の一心が生み出した本能的行動。
されども迷い無き彼女の純粋な想い。故に。

「――――フィル!!」

ユニは駆け出した。

◆  ◆  ◆

“びちゃ…”

それは血がかかる感触。
二度と味わいたくない、生理的に拒絶反応が起きる現象。
そう目の前で、クフィルのすぐ目の前で…
少女・ユニは――その心臓を深く貫かれた。

ユニの背から生えた剣よりかかった血の感触がクフィルの頬を濡らす。

GM(ユニ):「―――――ぁ……」

クフィル:眼前の状況が理解出来ない。いや、理解はしている。
それ故に、頭が、心が、受け入れる事を拒否している。

GM(ベテルギウス):「………」
そんな目の前の現象にまるで興味が無いようにベテルギウスは刺さった剣を抜きさる。

同時に――血が吹き出る。
ユニの胸と背より血がとめどなく噴き出る。

“どさり……”

糸の切れた人形のように、ユニは前のめりに静かに赤の中心に倒れた。
倒れた彼女の身体からはそれでも血が、命の源が流れ続けている。

クフィル:「…ユ…ニ…?」
思わず膝を付き彼女の体を抱き寄せる。

GM(ユニ):「……ぁ…フィル…無事だったね…良かった…えへへ…」
君の顔を見て、ユニは無理やり笑顔を作る。
だがその顔色は徐々に生気を無くしていっている。

クフィル:レクトルの、イーグルの事が頭をよぎる。
「…ば、か。お前、何、してんだよ…?」
舌が縺れる。嫌な予感が拭えない。

GM(ユニ):「だ、だって…私、いつも何の役にも立ってなかったから…
フィルに恩を返さないと…いけなかったし…」

クフィル:「…あ、あぁ…血、が、止まら、ない。」

GM(ユニ):「…ご、ごめんね…もっと上手く助けようと思ったけど…
なんか…体が勝手に動いちゃって…突き飛ばすつもりが…前に出ちゃった…」

クフィル:また助けられないのか。己の眼の前で。また死なせてしまうのか。己の腕の中で。

GM(ユニ):「…フィル…ごめん…ね……」
もはや瞳に光を宿さず、その目は虚空を見つめ呟くように続ける。
「……ごめん、ね……」

クフィル:「謝んなよ!意味わかんねぇよ!何でお前がこんな…!死にそうになってんだよ!」
 
GM(ユニ):「…そうだよ、ね…これが死ぬってことだよね…。
…えへへ、想像よりも…何か…ずっと、怖いよ……」
血が流れ続ける。フィルの手はすでに真っ赤。だがそれでも赤い血は止まらない…。
 
「………ごめん………」

「……キリ……―――」

最後に、彼女は何かを呟こうとした。

だがそれをフィルが聞き取る事は――出来なかった。

彼女は、ユニは―――フィルの腕の中で―――息絶えたのだから。

流れていた血が――止まる。

静かにその場に絶望の色だけが染まる。

これが神に反旗をした愚か者共への報いなのか―――…。

だが、そんな雰囲気の中。不意に、ベテルギウスの表情が、変わる。
 
GM(ベテルギウス):「……ん」
彼は静かに倒れ、死したユニの身体を見つめる。そして―――。
「まさか、その娘……」と初めてその表情を驚愕のものへと変える。
「―――そういう事、か」納得したようにベテルギウスは頷き、目の前にいるクフィルへ声を掛ける。
「無様だな。クフィル。いくら格好をつけようとも、お前の腕では誰も護れない。
これが神へ反旗をした者への“罰”というわけだ」

「…まあ、いい。だがこれだけは覚えておけ、クフィル。
何かを為すならば、己の信ずる道を貫き通す
その道が例え絶望しかなくとも、ただ一つの希望を信じて貫き進む」

「それが――『王道』だ」

GM:そして、ベテルギウスは大剣をその手より消す。
「――“修正”するとしよう。どうもこのままだと問題が発生しそうだからな」
呟き彼はその掌に何かを生み出し始める。
「そうだな…半日ほどでいいだろう」
言って、ベテルギウスはその手を掲げる。
瞬間、その掌から圧倒的な次元を歪ませる頂上的な力が生まれる。
「人間にこれを見せるのは始めてだな。まあ、と言っても、どうせこれを見た事も忘れるだろうがな」

ベテルギウスより生まれたその“力”は瞬時に広がり
この王座の間を包み、王城を包み、王都を包み、大陸を包み、そして――世界を包んだ。

包まれた中でクフィル達は次元が歪む感覚を味わった。
記憶が肉体が感覚が全てが歪み、戻っていく――。

その中で――ベテルギウスが呟いた最後の言葉を聞いた。

「【時の変革(クロノス・クロック)】」

星宝:【時の変革(クロノス・クロック)】 形態:現象型 ランク:S
タイミング:宣言 対象:世界全て 射程:世界全て
説明:エトワール機関統治者・0ベテルギウスが持つ最高のSランクの星宝の一つ。
この星宝の発動と同時にベテルギウスは48時間以内の時を自在に戻す事ができる。
それにより48時間以内に起こった出来事を“無かった事”にして
歴史や時の流れを自在に変革する事が出来る神の業。
ベテルギウスを除く世界全ての存在は時が変革・逆流した事に気づかず
再びその日に行なった同じ行動を行なう。

そして時は―――遡る。


◆ミドルシーン12 〜変革された時の中で〜
「勿論よ。でも無理はしないようにしなさい、クフィル」

「無理でも無茶でも…男にはやんなきゃいけねぇ時もあるもんさ」

「そう、それもそうね」

言ってベテルギウスはクフィル達を笑顔で見送った。

◆  ◆  ◆

GM:そんな会話が終わりクフィル達はベテルギウスの部屋を出た。
クフィル、アスタロト、ライラ、レイル、ユニ、イーグルら計六人は再び合流し
この王国に存在する『機関』の内通者を調べると言う作業を行なおうとしているシーンから始まります。
「……あれ」
しかし合流してすぐにユニは不思議そうな顔をしてそんな言葉を漏らす。
「…気のせいかな、何か、これ…前にもあったような気が?」

クフィル:「ははッ…ユニ何言ってんだよ。熱でもあるのか?」
ユニの額に手を当てる。
 
GM(ユニ):「そ、そんな事ないよ〜!失礼だな〜!」
言って笑いながらユニは君の手を払う。そんな光景を見ながらレイルが
「はは、二人共仲がいいね。それで情報収集は僕とライラ。
フィルとユニ。アスタロトとイーグルさんに分かれてでいいんだよね?」
と確認するように全員にそう聞く。

ライラ:「問題はないかと思います」こくりと頷きませう

アスタロト:「はい、それで構いません」

クフィル:「ま、それが妥当な案だろうな」

GM(イーグル):「なら、さっさと分かれて行きましょう。
アスタロトさん、城内の案内はオレに任せていいですからね」

アスタロト:「助かります、イーグルさん」

GM:アスタロトとイーグルは“その日に行なったナナリアとの会話”のために移動をする。
「じゃあ、僕達も宰相の情報を探りに行こう。ライラ」
とレイルもまた“その日に行なった宰相の情報収集”のためにライラと共に移動を。

ライラ:「畏まりました」あとをついていきます

GM(ユニ):「えっと、私達はどうするの?フィル」

クフィル:「ん?俺は腹の探りあいとかは苦手だからな。直接師匠に確認してこようと思ってる」

GM(ユニ):「あはは、フィルらしいやー」
そう笑いながら君とユニは“その日に行なったセオドルとの会話”のために移動をする。

そう、誰一人として変革された時の流れには気づく事はない――この時点では。

◆  ◆  ◆

「ロクス、いるか」

クフィル達が去った後、ベテルギウスは自室でそう静かに部下の名を呼ぶ。

「は、こちらに」

それに反応するように“黄昏の剣”ロクスは姿を現す。

「『星宝』を使った。今の時間は修正の最中だ。ひとまずお前には最初にイーグルの始末を任せる」

「――了解いたしました」

絶対なる統治者の命令をこなす忠実な部下としてロクスはそう単調に返事を返す。

「それともう一つ、レイルを私の前まで拘束して連れて来い。
理由は適当で構わん。なるべく急いで私の下へ連れて来るように手配しろ」

「――承知致しました」

そう、二つの任務を承諾しロクスは静かにその場より消え去る。
静寂が訪れる部屋の中でベテルギウスは静かに呟いた。

「さて、お前は果たしてどこまで『王道』を貫けるかな。クフィル―――」

◆  ◆  ◆

クフィル:GMの狙いはPLとPCの心をボロボロにする事だと見た!

GM:挫折から立ち上がるのは王道王道(笑)

ナナリアとの会話が終了後、アスタロトとイーグルはロクスの情報収集の為に移動を開始していた。
だがその途中で…。

GM(イーグル):「…ん、アスタロトさん。少し待ってもらえませんか」
何かに気づいたようにイーグルは歩いていた歩を止める。

アスタロト:「…はい、何でしょう?」

GM(イーグル):「…誰かが来ている。恐らく城の者でしょう。
アスタロトさんはそこで待っていてもらえませんか」

アスタロト:「…分かりました。気をつけてください」

GM(イーグル):「アスタロトさんも城の者になるべく見つからないように」
言ってイーグルは君から離れ通路の奥に行く。ではここで運命選択肢です(笑)
このまま待つか。こっそり後を付いていくか。
どちらかどうぞ(笑)

クフィル:フェイトシステム!(笑)

アスタロト:う〜、迷う(笑)
前回は見送ったので、ここは付いていきます!

GM:了解です!(笑)
ではこっそり付いていく事しばし、イーグルは桃色の髪をした騎士に呼び出され
通路の奥に向かって行く。そこは人通りが無く、目立たない場所のようだ。
君は二人に気づかれない位置で二人の姿を観察している。

「一体こんな場所でオレに何の用だ?ロクス」

そう問うイーグルに対しロクスは簡潔に答える。

「ああ、用というのは他でもない。貴様に、消えてもらう事だ」

そうロクスが宣言するや否や。

“どすっっ!!!”

それはイーグルの不意を完全に付いた初撃決殺の一閃。

GM(イーグル):「――!ロクス…!お前…ッ?!」
イーグルの心臓の位置に深々とロクスの剣が入っている。

ライラ:(死んだと判ってるキャラでももう一回殺されるのはけっこうエグい

GM(ロクス):「我ら『機関』の秘密を知った者は闇に消えるのが理。
消え去るがいい、イーグル=ストライフ」
言ってロクスは静かに血に塗れた剣を抜き去る。
「――――」
倒れる寸前、イーグルは通路の奥でこの光景を見ていたアスタロトに気づく。
「!………」
イーグルは君の姿を見て、「そのまま動くな」というように手で制止をかけ倒れる。

アスタロト:アスタロトは予想外の出来事に動転して身動きをとり損ねつつも、ロクスの隙を窺う。

GM(ロクス):「閣下からは“今回はキッチリと殺しておけ”と言われていたからな。
その状態なら仲間に何かを伝える事も出来ないだろう」
言ってロクスは血を拭き取り、剣を収める。
そうしてイーグルが動く事が出来ず、あと数秒の命であることを確認するとロクスはその姿を消した。
 
GM(イーグル):「……ごぼ……アスタロト…さん……」
イーグルは死の寸前で君の名を呼ぶ。

アスタロト:「イーグルさん!」
堰が切れたように駆け寄る。

アスタロト:「ごめんなさい…私、どうすることも…」
 
GM(イーグル):「…気にしないで……これは単にオレの不注意でした、から…。
…それに…ど、どうやら…話す時間は…無いみたいです……これを…――」
言ってイーグルは血に塗れた手で一枚のメモを渡す。

アスタロト:「これは――」
 
GM:それは彼がこれまで得た情報と己の推測が書かれた重要なメモだった。
「念のために…書いておいて…正解でした…これを…殿下に……」

アスタロト:「――分かりました、必ず、必ずこれを届けます」

GM:君がその言葉を言ったのを聞いたイーグルは満足して笑みを浮かべ
静かにその瞳を瞑ろうとした瞬間―――

「――イーグル!!」

通りの向こうから少女のそんな彼の名を呼ぶ声が聞こえる。声の主は――ナナリア。
 
GM(ナナリア):「…な、なんだよ…これ、なんで、こんな!イーグル!しっかり!イーグル!!」
通路の奥から血まみれで倒れたイーグルを確認したナナリアは一目散に彼の下まで走り
その眼前まで来て手を握る。
 
「…よぉ…ナナリア…はは、これは運命の女神様も最後に、いいプレゼントしてくれたぜ……」

すでに朦朧とした意識の中でイーグルを己の手を掴む少女に対しそう笑いかける。

「何、馬鹿言ってるんだよ!どうしてこんな…!は、早く治さないと!」

必死で自分の傷口を押さえる少女を片目にイーグルはただ冷静に事実を告げる。

「無理だって…この傷じゃ……」

「だけど!だけど!……イーグルの馬鹿!
僕に帝国の事を色々聞かせてくれるんじゃなかったのかよぉ!」

そう涙をボロボロ流しながらナナリアは必死でイーグルの手を握り叫ぶ。

「……悪い……」

数秒の沈黙とナナリアの泣き声の後、イーグルは最後の力を振り絞り
“あの時、伝えられなかった言葉をナナリアへと伝えた”

「ナナリア、お前の事…好きだったぜ」

「……僕も……好き、だよ……」

それはあの時告げられなかった想い。二人の想いが通じ合った瞬間。
イーグルは愛した娘の前で静かに息を引き取った。

GM:しばらく涙を流し続けたナナリアだったが、感情が落ち着くと
すぐにアスタロトの方へその真剣な瞳を向ける。
「…何が起きているか、教えてもらえる」

アスタロト:「…勿論です…ただ、その事をここで話すには危険すぎるかもしれません」
 
GM(ナナリア):「分かっている。場所を移してそこで聞かせて欲しい。
イーグルや君達が調べている事の全貌を」

◆  ◆  ◆

一方――ライラとレイルは国王について情報収集をしようとしていた。
そんな矢先だった。

GM(レイル):「…!ライラ、隠れてくれ。前から複数の騎士が来ている」
レイルは通路の奥から来ている騎士の影に気づき、そんな声を君にかける。

ライラ:「その指示に従うわけにはいきません。我々の行動が後手に回り
機関に先を越されている可能性が考えられます。とすれば、マスターに危害が及ぶのも
想像に難くありません。わたしは、マスターへの危害を見過ごす行為を許されていません」
まぁ平たく言えば「だが断る」ってことです

GM:すげぇ遠まわしに断ってきた!(笑)
「え、い、いや、確かにそうだけど…その君の姿が城のほかの人に見られたら困るかなって思って。
あ、いや!確かに君に言う事も一理はあるわけで、君がそう決断するなら
僕はそれにとやかく言うつもりはないから!」いつにも増してしどろもどろなレイル(笑)
と、そうこうしている間に君達の前に複数の騎士達が現れる。
その先頭を切っているのは光輝五星の一人でもある“黄昏の剣”ロクス。
そのロクスの姿を見るとレイルは敬礼をする。
 
GM(ロクス):「レイル。無事に帰還したようで何よりだ。
だが残念ながらお前に対し捕縛の後に連行するようにと命令を受けている。私達と共に来てもらおう」
そう言うが早いか、ロクスの隣にいた複数の騎士達がレイルの四肢を掴み無理やり連行しようとする。
「な、い、いきなり何故!どういうことですか!ロクス卿!」
その事態にさすがのレイルもそう反抗の声を上げるが
「抵抗しないなら危害は加えない。これは国王の命令だ」
とロクスの口から漏れた命令主の存在を知り、レイルは一瞬呆気に取られる。
「…ベテルギウス様の…?」

ライラ:黙っているわけには参りませんので介入していいでしょうかと目で合図しよう。

GM:レイルはそんなライラの合図を受け取るが
「ここは大丈夫だから。僕が連れ去られた後、フィルにこの事を伝えてくれ」と目で語り返す。

ライラ:「了解しました」と文字通り目で語ります。

GM(レイル):「…国王の命令なら従います。抵抗はしませんので自分で歩かせてください」
「…いいだろう」言ってロクスはレイルと共に通路の奥へと向かう。
ちらりとロクスはライラの方を見るが、すぐに視線を前方に戻し
レイルとロクス達はこの場より去って行った。

ライラ:では私はどこかに居るであろう殿下を探して廊下の奥へ駆けて行く感じで!

GM:OK!それで(笑)

今、静かに変革された時の中で歴史は修正あるいは予期せぬ道へと向かい始めていた。

 
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