第十八章「神の機関」
◆ミドルシーン10 〜神の機関〜
クフィル達はヴァーレンハイト王国国王にして
神の機関である『エトワール機関』その統治者でもある“0”ベテルギウスを前に対峙していた。
彼はクフィル達を見据えたままゆっくりとその口を開く。
 
GM(ベテルギウス):「まず最初に、お前たちはこの世界に満ちている『イデア』が
どんなものか…知っているか?」  そう最初に彼は君達へ問うた。

クフィル:「…魂を構成する目に見えぬ霊質。人の意思や記憶の原型、だろ?」

GM(ベテルギウス):「まさにその通りだ、クフィル。
ではここで一つ、肉体から滅びた際にその者の中にあったイデアは
『イデアの海』と呼ばれるこの世界の果てに帰還する。
そうしてその者の魂は海の中の一滴の滴として混ざり落ちるわけだが…」

「これこそがこの世界の最大の過ちだ」

ベテルギウスはただ断言した。そこに全ての原因が過ちが原罪があると断言して。

GM(ベテルギウス):「イデアの海には今までこの世界で生き死した者達の魂・記憶・感情
そういったものが渦巻いている。もちろん、この世界の歴史上存在した全ての魂が
交じり合っているわけではない、一部は薄れ、一部は汲み上げられ
新しい魂として再利用されてい。」
だが、お前たちの中にある『イデア』はこの混沌とした『イデアの海』から全て汲み上げられ
通ってきた魂だ」
一拍の後にベテルギウスは問う。
「人が何故、争うのか」

「それは原初の記憶にあるからだ。“争った記憶”が」

「闘争本能。そう、お前たちが言うこの本能とやらは全て
“かつて争いという愚行を犯した人類の記憶が染み付いているから”だ」

ベテルギウスは語る。それは世界の真理にして神が定めた摂理。
その過ちを問い、そして正すが如く。この世界の新時代を切り開く神の如く。

「お前たちが何故、罪を犯すのか。
それもまたイデアの記憶にあるからだ。
つまり、お前たちはイデアとイデアの海がある限り
未来永劫、永遠に苦しみ続け、永遠に過去の過ちを繰り返し続ける」

GM(ベテルギウス):「この仕組みに気づいた我らの神・星王イシュタル様は
これを――“無限回帰”と呼んだ」
そこまで言って、ベテルギウスは静かに王座へと戻りその玉座に座る。
「だからこそ、星王様はこの回帰に捕らわれた哀れなお前たち人類を救うために
ある救済システムを創造したのだ」

「それこそが“星触”」

GM:彼は口調を落さず、そのまま続ける。
彼の口から語られるのはまさに知られざるこの世界の仕組みにして真理。
君達は聞いているだけで圧迫されるような倒錯する受ける。
「“無限回帰”この永遠の罪の世界から逃れるためにはどうすればいいか。
この世界最後の神は考えた。“無限回帰”を無くすにはイデアそのものを無くすか
イデアに変わる“新たなる霊質”を作り出せばいい」

「そうして生み出されたのが我ら――“神人・デミウルゴス”だ」

それはまさにこの世界の隠された事実にして世界の摂理を覆す事実。

GM(ベテルギウス):「我らは、“星触”の果てに産まれた新たなる生命だ。
“星触”とはイデアを喰らい消滅させる。
そしてそこから“新たなる霊質を創造する”システム。
イデアによって構成されたこの世界や人類にとってみれば
確かにある種の破滅システムだろう」
彼は口調を落す事なく続ける。
その言葉、彼より放たれる真理の言は君達の魂を押しつぶすかのような言動だった。
「だが、この“星触”の洗礼に耐えきった者はイデアより昇華された“新たなる霊質”を手にし
新たなる生命となる。それが“デュナミス”と呼ばれる新たなる霊質。
そしてそれを持つ我ら“デミウルゴス”こそがこの世界の“無限回帰”の法則を逸脱した
新世代の人類」
そこまで話しベテルギウスはただ感情の無いまるで絶対の神の如き目で君達を見回す。
「もう理解しただろう?
我らの行いはこの世界に存在するお前たち人類を救済するためのものだ。
脆弱にして無限の牢獄に捕らわれたお前たちを救うまさに神なのだ」

「さて、ではここで問おう。
お前たちは、我ら“神”――『エトワール機関』と戦うつもりなのか?」

それは確信に満ちた瞳。
お前たちは抗う事すら無意味。
ただ我々の“救い”を待てばいい。
そんな意味を込めたベテルギウスの瞳が君達全員を射抜く。

ライラ:「では……なにゆえにかつてわたしの主はあなたがたと干戈を交えるに至ったのでしょう?あなた
方の言い分は一見正しい。しかし同族のはずのデミウルゴスでさえ頷けぬ何かがある。
わたしの思考に、矛盾がありますか?」
自分で言っててなんだけれどもキャラが変わっているような気がする

GM:いやいや、ライラはこんなキャラでおk(笑)

GM(ベテルギウス):「…あいつはデミウルゴスの出来損ないだ。
我ら完全なる存在である神人(デミウルゴス)でありながら人としての感情を持っていた。
そうだな。この世界が“星触”に覆われれば世界は全て死に絶え
人類の90%以上が星触による昇華に耐え切れず消滅するからだろう?」
まるで他人事のようにベテルギウスはそう冷徹に言い放った。

ライラ:疑問を提示した→詰まれた。いまここ。

アスタロト:頑張って反論するですよ!私も考えるです!

GM(ベテルギウス):「それと言っておこう。我らは種として完全故に限りなく不老。
つまり子孫を為す必要がなく、為す事も無い」

クフィル:それはダメだわ…。

ライラ:それはあかん…。

GM:遠まわしにフィルは子供じゃねぇよって言ってるだけです(笑)

ライラ:煤i゚Д゚) よかったな、フィル。裏付け取れたぞ

クフィル:(ノД`)シクシク…嬉しいような悲しいような

ライラ:さて、反論反論

GM(ユニ):「…皆!どうしたんだよ!あの人の言う事を真に受けるつもりなの!」
そこで君達の隣にいたユニが君達に向かって、そう叫ぶ。
「確かにあの人の言っている事は正しいかもしれないけど
そのために今いる大勢の人間をほとんど消滅させるって言ってるんだよ!
こんなの…いくら神様のやり方だからって許されるはずないよ!」

ライラ:「……マスター」

GM(レイル):「…なんだい、ライラ:」

ライラ:「星蝕による人口90%の死滅と、それを防止するための、星王イシュタルへの叛逆。
どちらを取られますか? マスターの決断を頂けない場合、私の基本律では
コンフリクトを生じ、いざ事を構えることになった場合には以前の二の舞を演じる羽目になります」
華麗に決断をGMに丸投げて時間を稼ぐぜ!

GM:丸投げって(笑)レイル責任重大だなぁおい(笑)

アスタロト:反論考えてるけど発言するタイミングが分からないっす!

GM:これが終わった後に発言するといいと思うよ!(笑)

ライラ:だって実際ロボット的にはこれものっそいコンフリクトで決断できないんだもん…ッ!

GM(レイル):「……分からない。確かに僕達人間はベテルギウス様、
いやベテルギウスの言う通り、原初に犯した罪に捕らわれている存在だ…。
でも、そのために多くの人間を犠牲にしてまで…この連鎖を断ち切るのは……」
そこまで言ってレイルは隣りに立つライラを見る。その瞳にはある種の決意が込められていた。
「……君の前のマスターのヒルデベルトさんって人は立派な人だったんだね。
こんな重大な決断を下して神に刃向かったんだから」
言ってレイルは決意を秘め、剣を手にする。
「――星触によって人類が“無限回帰”の牢獄から解き放たれても
それが幸せだと、どうして言えるんだ。
どうして今ある僕達の日常が罪にだけ塗れていると、価値が無いように言える。
僕は今ある世界と人々を護る。力を貸してくれ、ライラ」

ライラ:「仰せのままに。あなた一人に背負わせるには
過剰に重い決断を強いてしまった事を御許し下さい」
と目礼……してみたはいいけど閉じ込められてるんだよなぁ。四重の結界に。

アスタロト:「ベテルギウス公――あなたは間違っています。
我々がイデアの檻に囚われた存在だと言うのなら、
まっさらなイデアの海に、罪という傷を附けた原初の人間がいるはず。
イデアがデュミナスと名を替え咎を洗われた所で、同じことが繰り返されない保障はどこにもない。
そんな不確かな可能性にすがって、今在る世界と命を奪う傲慢な神なんて
信じることはできない!」

GM(ベテルギウス):「…ほぉ、面白い見解だな。小娘」
と彼はアスタロトに視線を送り
「確かに、お前のような考え方もある。
よかろう。神に刃向かうと言うならその権利与えてやっても良いぞ」
と宣告する。そしてクフィルの隣りにいるユニもまた
「フィル!レイルやライラ:、アスタロトの言う通りだよ!君も一緒に戦おう!」
言ってユニはクフィルの手を取る。

ライラ:ざわ……ざわ……

クフィル:「確かにアンタの言ってる事は正しいのかもしれない。
誰かの犠牲無しに得られる未来なんて所詮夢物語かもしれない。
俺たち人間は過去の歴史を繰り返す愚かな者なのかもしれないさ。
けどな、アンタ達デミウルゴスだって完全だとは言えないんじゃないのか?」

GM(ベテルギウス):「ほぉ、それは何か確信があって言っているのか?クフィル」

クフィル:「さっき我ら完全なる存在である神人(デミウルゴス)でありながら
人としての感情を持っていた、つっただろ?
感情を持つ事が不完全だと言うのならアンタだって不完全なはずだ」

GM(ベテルギウス):「生憎だが、クフィル。完全なデミウルゴスは感情など持たない。
感情とはイデアより産まれるものだ。我らにそれは生まれない」

クフィル:「そうさ。つまりアンタ等のやり方じゃ『人』は救えないんだよ。
好き勝手言ってるけどな。結局アンタ等がしようとしている事は人を救う事ではなく、
ただ命令に従ってるだけだろ」

GM(ベテルギウス):「確かにそうだな。我らは神の人形のようなものだからな。
だが、だからこそデミウルゴスのみによって統治される世界は争いも無く
永遠の調和が約束されるのだぞ」

クフィル:「感情をなくした人は人じゃないだろ。それはデミウルゴスと言う名の別のモノだ。
つまりアンタがしているのは人を救う事ではなく、デミウルゴスを救う事だ。
それは俺達の為に行うことじゃない。自分達の為にしているだけだ」

GM(ベテルギウス):「――フッ」
彼は笑みを浮かべ納得したように頷く。
「確かに、その通りだな。お前のその言、正に我らの行動の核心を突いているな。
 ならばこれ以上の会話は無駄だな。所詮は人間とデミウルゴス。交わる事のない存在。
我らからすればお前たちなどただの未完成な存在にすぎん」

クフィル:「アンタは己が完全だからこそ他者を認める事は無く、他者を理解しようとも思わない。
俺達は不完全だからこそ他者を求め、繋がり、絆を紡いでいくんだ」

GM(ベテルギウス):「理解などする必要はない。それは未完成な己が
他人から何かを得たい行為。お前たちの言う“絆”を我らは必要とはしない。
ではお前たち人間の意志も決まったようだし、これ以上の言葉遊びは不要だろう。
この世界を新世代に導くためにも星王様の願いの成就のためにもお前たちには――
消えてもらおう」
そう宣言し、ベテルギウスが玉座を立った瞬間。

『がきぃぃぃぃん!!』

GM:君達の眼前に一つの円月輪が現れる。
そして君達の背後から人の気配もまた同時に現れる。
 「まさか、この王国に存在する『機関』のメンバーが私だけと思ったわけではないのだろう?」
 そうベテルギウスが言うように君達の背後から姿を現した人物。
それはクフィルやレイルが知る人物――

『光輝五星』の一人“黄昏の剣”ロクス=ヴェノビス
だが、彼が身に纏う服は普段の騎士の姿ではなく真紅のコート。

ライラ:うわー増援キタコレ。
しかしこれから戦闘開始にしても、実際どーやってこの結界から出るたもんですかねぇ。

GM(ベテルギウス):「紹介しておこう。
彼は『機関』のメンバーの一人にして真紅のawオグドアス』を持つ者」
ベテルギウスのその言葉を継ぐように君達の前に現れたロクスは自らの真名を名乗る。
「オグドアス12・“黄昏の剣”ベガ。それが私の名だ」
ロクス
GM(ベテルギウス):「さて、では余興を始めようか」
ベテルギウスはそう宣言し、彼が“ぱちん”と指を鳴らすと
ライラを包んでいた結界が瞬時に消滅した。

ライラ:「……何を?」
なにをするだァーッ! と叫ぼうと思ったけどキャラじゃないのでやめた。

GM(ベテルギウス):「余興だと言った。そこのベガを相手にどれほど耐えられるか
見せてもらうだけだよ。言っておくがオグドアスb持つベガは
以前お前たちが倒した称号無しのrBとは次元の違う存在だぞ。
それを覚悟して戦う事だな」

ライラ:「成程。勝者の余裕のつもりでしょうが……
盾たる“マウアー”の名を冠されたわたしを舐め過ぎましたね」
演出でですが守護陣のプログラムを両目に走らせ、部屋中を光り輝く白金の粒子で満たし。
「わたしを自由にしたのが敗因です。ここから先は、神の一撃さえも許しはしない」
とハッタリをかましてみるよ!

GM(ロクス):「…ベテルギウス様。『星宝』の使用許可を頂いてもよろしいでしょうか」
ロクスはそんな君の闘志を受け、そんな発言をベテルギウスへ。
「構わん。ただし、そこのレイルだけは除外しておけ。そいつの相手は私がしておこう」
「了解致しました」
そうロクスは己の主の許しを得、君達の眼前にて剣を構え、そして――
「クフィル。お前は知っているかもしれないが私の剣の腕はセオドルやリアンには一歩劣る。
だが、もしあの二人と私が戦う事になれば勝つのは私だ」
それは矛盾でありながらも迷い無き確信の言。彼は実力で勝るはずのセオドル、リアンに対し
戦いとなれば己が勝つとそう断言してみせた。
そこに隠されたものは即ち“実力差を覆す何かを持つ”が故の彼の絶対的な自信。
「その理由を今、見せてやろう。全ての法則が変わる――“黄昏の世界”を」
そうロクスが言った瞬間、君達の前にあった円月輪がひとりでに宙に浮き
周りの次元を切り裂いていく。そうして切り裂かれた次元は今存在する君達の現実世界を
塗り替えていく。それは君達とロクスを中心に空間が塗り変わる現象。

クフィル:現象型か!?もしくは領域型!?

GM:正解、領域型(笑)
「ッ!フィル!」 変化していく世界の中でレイルとユニだけはその世界から外れていく。

ライラ:「マスター!」
実はこっちも気が動転していたり。

クフィル:「――大丈夫だ」
友の眼を見、頷く。

GM(レイル):「…必ず、勝て。僕も必ず生き残る。
ライラ!しばらくの間、フィルを頼む!」

クフィル:「お前の方こそやられンじゃねぇぞ、相棒!」

ライラ:「仰せのままに。マスターこそ、ご無事で」

GM:レイルはフィルとライラ:のその言葉を受け、笑みを浮かべる。
そしてまたユニも――
「フィル!必ず戻ってきてね!君とこんな所でお別れされたら…
私!君へのたくさんの恩返しが出来ないから!」

クフィル:「ハッ、いい子で待ってな、ユニ!俺はこんな所じゃ、負けねぇよッ!!」

GM:君の最後の言葉を受け、ユニとレイルの姿は消える。
そうして君達はロクスが生み出した“黄昏の世界”にて閉じ込められた。

◆   ◆   ◆

「さて、レイル。最初に見た時から感じていたがお前からはヒルデベルトに感じたものを感じる。
あのライラが目覚め、お前に仕えているのが何よりの証拠だからな」

クフィル達が消えてすぐ、レイルはユニを背に剣を構え、ベテルギウスと対峙する。

「お前が奴の後継者か。少々確認させてもらおうか」

ベテルギウスは一歩前に出る。それは構えも何も無いただの一歩。
だというのにそれはまるでこの場、全ての空間を飲み込むほどの威圧。
これでなお“戦闘状態ですらない”ベテルギウスの圧倒的すぎる見えない力に
レイルは知らず身体が震えていた事に気づく。

「…ユニさん。離れていてください」

「……うん」

ユニが離れたのを確認し、レイルは改めて剣をベテルギウスに向ける。
 
「フィル。僕に出来うる限り、ベテルギウスは僕が引き止める。
君は全力でロクスを――」

そうしてレイルは恐怖を捨て金色の光を纏わせた剣を振るった。

――運命の時まであと数十分と迫っていた。

◆   ◆   ◆

GM:お待たせしました。中ボス戦です(笑)

クフィル:ロクスの名前が中ボスに変わりました。

アスタロト:ディスガイア的な(笑)

GM:これから起こるVSロクスは今回、第一章の中ボスです。あとラスト戦闘が残っています(笑)

ライラ:ここまでやって中ボスかよっ!?まだセイバーするなよってことですね。

クフィル:つまり全力出すと後が怖い、と。

GM:そこらへんを考えてセイバーモードとかも考えてどうぞです。
ぶっちゃけ、あんまり温存するとやられる強さでもあります(笑)

アスタロト:鬼〜。

GM:まあ、誰か一人がセイバーするのも有りかもしれませんね(笑)
ではバトルシーンに移りますけど、よろしいでしょうか〜。

クフィル:おk

ライラ:いえっさー。

アスタロト:がんばります。

GM:では、いきますね〜!

 
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