第八章「新たなる主との契約」
◆PC3オープニング3 〜新たなる主との契約〜
200年前。
ライラは主ヒルデベルトによって生み出された。
そしてその時に彼よりライラへと伝えられた事があった。

GM(ヒルデベルト):「ライラ。お前には特殊な力が備わっている。
そしてそれを制御するための特殊なシステムもまたお前に備わっている。
“マスターシステム”、いわゆる主人を護るためにお前に施されたシステムだ。
これがある限り、お前はお前が認めた主のためにお前の真価を発揮できる」

ライラ:黙ってその説明を受けています。

GM(ヒルデベルト):「ただ、このマスターシステムの認知はお前が自分自身で行なうんだ。
お前が仕えるに相応しいと思った人物にのみ、お前の忠義とその力を捧げるといい」
そう言って金の髪の青年は笑った。

ライラ:「はい(wilco)。では、ヒルデベルト・アルヴァレス様」
少女はその場に跪いて“主”の手の甲に口づけ
「わたし、“ライラ”のマスターに、なって頂けますか?」
静かに、問うた。

GM(ヒルデベルト):「無論」
君の“主”ヒルデベルトは君の誓いをそう一言で受理する。
「ライラ。お前が認めてくれるなら、私はお前のマスターとなるよ。
そしてお前に恥じない主として共に最後まで戦い抜こう」
優しく、答える。

ライラ:「有難う御座います。―――失礼」
少女は立ち上がるとその場で伸びあがり、“主”の唇に自らの唇でそっと触れた。
少女の瞳の上を目まぐるしく銀色の文字が駆け巡った後に、一言。
「認証が完了いたしました。システム上の都合とはいえど、先の無礼をお許しください」
頭を垂れて少女は詫びる。

GM:その行為に少し驚くヒルデベルトだったが、すぐに表情を戻し
「いや、構わないよ。ありがとう、ライラ」
主は君にそう微笑み、君へそっと手を差し伸べる。

ライラ:「この身が砕け力を失うその瞬間まで、お供させていただきます、“マスター”」
差しのべられた手を取り、少女は言った。

GM:そして――その誓いから200年が過ぎた。

◆   ◆   ◆

GM:カプセルより目覚めたライラ。
だが、その身体は目覚めたばかりの反動か思うように動くことが出来ず
記憶データの方にも一部エラーが存在する。
先の目覚めの記憶と主と共に星触へと向かった最後の記憶。
その部分のみしか、現在の君の記憶データには無く、他の記憶が薄れている状態。

ライラ:【text:actuater has some torouble】
【Error:main memory has too much blank】
では、セルフチェックのプログラムを起動したらそう言われたということで
メモリーの隅っこをほじくり返したりとか、ハードウェアドライバをいじって最適化してるので、
傍目には難しい顔をして考え込んでいるように見えます。

GM(レイル):「お、驚いたな。君、マシーナリーだよね?どうしてこんな場所で眠りなんか」
そう君の目の前にいる主の瓜二つの青年が問いかける。

ライラ:「……申し訳ありません、わたしには、わかりかねます。
プログラムの時計を信用するのであれば大凡200年ほど前に、星蝕を相手取った
決戦の場に居た記憶までしか、わたしのメモリには残されていませんでしたので」
難しい顔をしたまま答えよう。
「その後にどういった経緯でこの場で“眠る”に至ったのかは、残念ながらメモリに残されていません」

GM(レイル):「!200年!それに星触って…君は星触戦役を戦ったマシーナリーの生き残りなのかい…!」
その発言にはさすがに驚く。

ライラ:「……そう言う言い方も可能なのではないかと」
耳慣れない単語があるので(そりゃ200年寝てましたからね)意味を考えつつ答えます。

GM(レイル):「ず、随分、冷静なんだね、君。いや、マシーナリーだから当然…なのかな?」

ライラ:「わたしは戦闘用に生産されていますから。感情を処理するプログラムは弱めに設定されています。
不快感を与えてしまっていればお詫びいたします」
まぁ傍目には、幼女が精一杯難しい単語使ってるようにしか見えないんだけどね!

GM(レイル):「いや!そんな事!不快って事は全然ないよ!」
必死に否定するレイル。

クフィル:成り行きを見守り中〜(笑)

GM:と、そんな光景を見ていた護衛のイーグルがクフィルの傍まで来て耳打ちをする。
「殿下。なんだか妙な事になっていますけど、どうします?
オレ達は一応和平会談のために帝都に行く任務があるわけですし」

クフィル:「俺もそれを考えてた。取りあえず…あの嬢ちゃんにもご同行願って、だ。
道すがら話聞くのが一番だろ」
立ち上がりレイルへと呼びかける。
「レイ。幼女を口説くのもいいけどよ、俺達も忙しいんだ。そろそろ行こうぜ」

GM(レイル):「く、口説いてないよ!どこを見て言ってるんだよ!フィル!」

GM(イーグル):「ま、そのパターンが一番ですか」
そう言って早速出発準備をしようとしたイーグルだったが…。
「――!全員!伏せて!!」
イーグルのそんな真剣な声がその場にいる全員へ響く。

アスタロト:とっさに伏せながら周囲に気を配ります。

クフィル:「よっと」
咄嗟にユニを庇いつつ伏せます。

GM(ユニ):「わわ」
庇われた瞬間に少しそんな声を出すユニ。
そしてその瞬間。その場へ空を駆けるように天空より光爆の焔が飛来する!

ライラ:【text:attack apprehended】
ライラの瞳に光が走る。
イメージ的には、ぐぽーんっつってザクのモノアイが点灯するアレが近いかもしれない。
「わたしにお任せを」
ライラはそう言いつつ手を突き出し、
【Command:code "Great-wall" start】
上空に力場を展開!飛んできた焔を正面から受け止めますよ!

GM:咄嗟にライラより張られた力場。
その力場に触れた瞬間、上空で焔の爆砕が巻き起こる。

“どこおおおおおおおん!!”

GM:上空より落ちる火の粉。
そしてそれと同時に君達全員の前に二人の人物が姿を現す。

アスタロト:銃を構え、警戒を強めます!

GM:それは漆黒のコートに身をつつんだ二人の男女。
その瞳はまるで感情がこもっていないように静かに君達を見る。

ライラ:…どこぞの未来世界の救世主御一行様だったりしませんよね?

GM:ないない(笑)

クフィル:「あー…糞。服が汚れちまったよ。ユニ、怪我ねぇか?」

GM(ユニ):「あ、大丈夫だよ!あ、ありがとう、フィル。何度も助けてもらって」
ちょっと照れくさそうに。

クフィル:「なーに、女護るのは男の義務だろ?」

GM:そして、漆黒のコートを着る男の方が君達の前へ進み出る。
その頬には「11」という数字が刻まれている。

ライラ:「いきなり何用でしょうか? 出会いがしらに砲撃とは、穏やかではありませんね」
まぁいい感じの二人は放っておいて、襲撃者(?)に向かって言うわけで。

GM(11):「王子クフィル。それに……マシーナリー・ライラ。
驚いたな、お前が生き残っていたとは」

ライラ:……だれ?

GM:目の前の人物にライラは何かしらの違和感を感じる。
かつてどこかであったような…それも敵として。
しかしその記憶を現在の状態で引き出すのは無理だと言う事も分かる。

クフィル:「あー…もしかして狙われてんのって俺か?」

GM(11):「察しが早くて助かるな。王子クフィル。君が帝都に向かうと少々厄介なのでな。
ここで潰させてもらおう。それと――」
言ってナンバー11が刻まれた男はライラをその瞳で捕らえる。
「そちらのマシーナリー・ライラも後の障害になる前に消させてもらう」

アスタロト:「お二人とも、お逃げ下さい」
引き金に指を掛けながらそう言い放つアスタロト。

クフィル:「気遣いはありがてぇけどよアスト。後ろに下がったって『道』は出来ねぇんだ。
それに俺が此処で逃げてもコイツ等が追ってきたらどうする?他の奴が巻き添えになるかもしれないだろ」

アスタロト:「…私が時間を稼ぎます。その間に、援軍を呼んでいただければ」

ライラ:「その判断は合理的ではありません」

アスタロト:「…もし私達がここで全滅すれば、この危険な存在が誰にも知られずに野放しになります。
少なくとも、誰かが伝令に発つべきです」

クフィル:「つーかよ。女の子見捨てて逃げて王が名乗れるか、つー事だよ」

ライラ:っちょ、華麗に短くまとめよった。

GM(イーグル):「なら、その伝達はオレがやってやるよ。お嬢さん」
アスタロトの傍に来てイーグルが言う。
「足の速さには自信はある。
とりあえず帝国領の都市までオレがその役を受けるから、その間に殿下達を頼むぜ」

アスタロト:「分かりました――感謝いたします」

ライラ:「なんにせよ、これで頭数はこちらが有利。
相手の能力は未知数にせよ、数の優位はそうそう覆るものではありません」

クフィル:「イーグル、他にも居るかもしれねぇから気をつけろよ」

GM(イーグル):「分かってますよ。殿下達こそ、気を抜かずに」

クフィル:「俺に黙ってくたばったらナナリアにお前の恥ずかしい秘密をばらすぞ」

GM(イーグル):「ははは、それはご勘弁を」
そう言うと同時にイーグルは蒼い翼を広げ、疾風のように帝国領へと向かう。

クフィル:「汝に星と剣の加護を。任せたぜ」

GM:その言葉を受け去るイーグル。だが、眼前の敵の余裕は全く消えない。
「…その考えは結構。だが油断したな。我らの数が“二人”だけだと思ったのか?」
その敵の発言と同時だった。

ライラ:これでイーグルが撃墜されたら笑う。

GM:それはまさに瞬間の出来事。
ライラのすぐ背後まで迫っていた“三人目の敵”がライラへとその凶刃を振るったのは。

アスタロト:挟み撃ちですか?!

ライラ:ナナナナンダッテー!?

“―避けられない”

そうライラの思考が冷静な判断を下す。
だが、その刃は君には届かなかった。

『どすんっ!!』

GM(レイル):「――ッ、うッ…!」

ライラ:ぇ?

GM:君のすぐ傍にいたレイルがその身を咄嗟に盾としたためだ。
刃を受けたレイルは脇腹に深い一撃を受け、そのまま膝をつく。
「……だ、大丈夫…かい?」
そうレイルは君の身の心配をする。

ライラ:「わたしなどよりご自身の心配をなさってくださいッ!」
言いつつ、相手を殴り倒そうとする。

GM:しかし相手は君の攻撃を紙一重で避け、後ろへと下がる。
「どうやらマスターシステムの契約がなくなっているようだな、ライラ。
そんな状態で我々に勝てると思ったのか?」
相手は君の今の状態を冷静に分析し、そんな発言を下す。

クフィル:「レイ、下がってろ」
ポイッとポーションを投げ渡す。

GM(レイル):「…フィル…すまない…」

クフィル:「後で説教してやっから少し待ってろ馬鹿」

ライラ:舌打ちしつつもにじり寄って二発目。
【Command:code "Shiled-Bash" start】
左の腕を振りかぶり、至近から盾で一撃――の、はずだった。

【Error:conflict. --Basis-- MUSTN'T be injure human."Shield-Bash" Canceled】

突然のエラーメッセージ。
基本律に曰く、「人間を傷つけてはいけない」。
ライラが放とうとしたシールドバッシュは強制停止をする。
攻撃不能。その事実がライラを襲う。

GM(11):「…フッ、どうやら基本律が邪魔で我々にも手を出せないようだな。ライラ」

ライラ:「…否定はしません。ですが、私はそもそも戈として作られているわけではない。
攻撃ができずとも楯として働くことはできる。他力本願なのが悔しいところですが」
レイルを背後に庇いつつ言います

GM(11):「ほぉ…“楯”としてか」
意味ありげに11は笑みを浮かべる。

ライラ:んで、言いながら
【Command:code"Great wall" start. target Friendly side】
と守護陣の演出メッセージ。個人的にここで誰か敵に攻撃してくれると嬉しいです!

アスタロト:なんとか一矢報いようと、No.11の額目掛けて銃弾を放ちます。

【Error:--Basis-- protect human.target corrected "ALL units in this area".】

それは再びライラの中で起こったエラーメッセージ。
曰く、「人間は守らなければならない」。
そう、その対象は“敵”も例外では無かった。つまり――。

ライラ:守護陣の範囲が拡大され、アスタロトの放った弾丸に対して力場を展開・・・・・!

GM:そのライラの行動を見越していたのだろう。11はアスタロトの銃弾を避ける気配すらみせなかった。
そしてアスタロトの放った銃弾は11の前で阻まれた。
そう“ライラの放った守護陣”によって。

ライラ:奥歯をかみしめながら守護陣の発動をキャンセル…。

GM(11):「マスターシステムが働いていないお前は自分の力を制御できず、
“全ての人間”それに類するものを護る。お前の楯が仇になったな、ライラ」
それは侮蔑にも似た11の宣言。紛れも無く今の君の現状を正確に射抜いた発言でもあった。

ライラ:ここでカメラがアップになるわけですがライラの拳が震えているわけです(笑)

GM:そう余裕の表情の敵を見て、それまで肩膝をついていたレイルが脇腹を押さえながゆっくり立ち上がる。
その抑えた手からは、とめどなく血が溢れ出ている。
「…もう、十分だよ、ライラでいいんだよね?
後は…僕たちがこいつらを撃退するから…君は下がっててくれ…」
金の髪をなびかせレイルはそう君へ痛みを堪え微笑む。

ライラ:「……」
押し黙る。返す言葉がない。
【WARNING:Friendly damage increasing】
傷が深い。時間経過とともに状況は悪化の一途。
【Command】
回路に叩き込んだ命令は必ず【error:conflict】の一文と共に突き返される。
【error:conflict】
【error:conflict】【error:conflict】
【error:conflict】【error:conflict】【error:conflict】
【text:AI safety proglam runned. task dumped.Source chencking】
エラーメッセージの嵐の中、必死に走らせた自己解析プログラムが、光明を見出した。

【textuggestion-----MASTER slot is blank now.】
【text:MUSTER recognition Y/N?】

ライラ:「……レイル様、勝手なお願いながら、申し上げます。わたしの“主”に、なって頂けますか?」

GM(レイル):「…え?ぼ、僕が君の主?」
いきなりの発言にそう驚くレイル。
「ど、どうして、そんな急に…?」

ライラ:「わたしは、わたしに刻まれた基本律のために相手に手を出すことができません。
ですがあなたの命令のもとであれば、わたしは力を振るうことができる。あなたを守るための力を」

GM(レイル):「…そうか、それがあいつらが言っている君のマスターシステム。
けど、いいのかい?その…僕なんかで」

ライラ:「わたしの不手際があなたに傷を負わせたこともあります。ですがなにより、わたしは、あなたがいい」
レイルの向こうに透けて見える主の面影を感じながらライラは言う。

GM:君のその発言に少し頬を赤らめるレイルだったが
君の瞳をまっすぐ見つめ、彼は答える。

「――分かった。結ぼう、君との主としての誓いを」

ライラ:「有難う御座います。――失礼」
時間もないので強引に脳内でYを連打しつつ、伸びあがって――くちづけ。
背伸びするライラ
【text:MASTER recognition program start】
【text:recognition sample picking】
【SAMPLE:face----complete】
【SAMPLE:retina----complete】
【SAMPLE:fingerprint----complete】
【SAMPLE:IDEA-pattern----complete】
【text:MASTER recognition complete】

ライラ:「――失礼致しました。ですが――同じ轍は、二度と踏みません」
レイルの返答を待たずにNo.11に向き直って、言う。
「――さて、わざわざ私が認証を終えるまで待っていただけたことに感謝申し上げます。
後悔は、あの世でごゆるりと」

GM:君の突然の行為に驚き、たちまち顔を赤くするレイルだったが
これにより君の中にてマスターシステムの認証と共に力の制限が解き放たれた。

ライラ:コンフリクトが解消されていくのが判ります。超キモチイー。

GM(11):「フンッ、たかがマスターシステムを得たくらいで何を言っている。
まだお前は“例の機能”も完全には目覚めていない。ならば我らの敵ではない」
言って11は先ほどレイルを指した仲間へ声を掛ける。
「16。お前は先ほど帝国領へ消えた奴を追え、こいつらはオレと15で片付けておく」
11のその命に応えるようにレイルを刺した黒コートの男、16は頷き帝国領へと向かう。
そして君達の前には改めて漆黒のコートを着た男女。11と15が構える。

「我ら機関の目的のため、お前たちには消えてもらおう」

その発言と共に戦闘は開始された。

 
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