◆グランドオープニング 〜神の死〜
「…馬鹿、なッ!!」 それは蒼空の遥か彼方、星の宙にて響き渡る神の声。 「こんな…馬鹿な!神が!この私が!星王イシュタルが――ッ!」 星の大海にて存在する真なる神の居城、星王殿。 眼下に広がるは彼が支配し、飲み込み、喰らい、侵食するはずだった世界エル=ユーナ その最後の大陸であったベルシェルスが広がっていた。 だが、彼のその野望、目的、そして理も今、ここに終焉を迎えた。 それは神が犯した、ただ一つの過ちにして傲慢によって。 「バカナ…こんな…はズは……ッ」 彼はその信じがたい驚愕の光栄を目の当たりにしていた。 神であるはずの己の体が引き裂かれ、崩れ落ち、スクラップ同然に消滅していくその様を。 どこで、一体どこで間違った。 己が神である事に間違いはない。 星の神である己が有するのは理とは星の海を旅し、その先にある世界を喰らい続けること。 ゆえに己は星海の神であり、それにふさわしき存在であるはず。 「そう、貴方は神だ。故に敗れた」 それは神が最後に聞いた男の声。 ライラ:(イシュタル様が「どうしてこうなった!」ってパソコンの前で踊ってる光景を幻視しt 【この発言者は謎の力によって抹消されました】) クフィル:くそ(笑) アスタロト:いしゅたる(笑) GM:(イシュタル「どうしてこうなった!どうして私だけ本編に主演できないんだ!」) 「理を持ち、それのみを果たす単一の存在。ですが、貴方の理も器もすでに古き神に他ならない。 “旧神”。すでに太古の神話より生き続け、それゆえに擦り切れ、貴方の理自体にも衰えが見える」 そう、神が犯した過ちとは即ち、そういう事であったのだろう。 「貴方は新たなる理を、新たなる世界を、新たなる神の到来を理解しようとしなかった。 すでに貴方や“この世界”という事例があるというのに、新たなる神の到来に目を背けた。 それこそが貴方の過ちであり、すでに貴方自身が古き淘汰されるべき存在へと堕ちた瞬間に他ならない」 斃れ、這い蹲り、首だけとなった神がその瞳を動かし、目の前に立つ男の姿を見上げる。 「さようなら、古き神イシュタルよ。新世界の到来はこの私が、新たなる理の下に行おう」 そして、神は自らの額を打ち抜く最後の感覚を味わい、己が生み出したに過ぎない眷族が 己と同等の場所に上り詰めたのだと、その時、目の前の男の名を呟き、初めて認める事となる。 「アケル…ナル…ッ」 全てはこの時、この瞬間、新世界の到来は行われていた。 そして、それから二年後―――。 今、新世界を賭けた星の物語、最後の戦いが幕を開ける。 ――古き世界の理は死に、今、新世界の到来が行われる。 ◆オープニングシーン 〜神(THE GOD)V〜 そこは、かつて世界に住む人類の誰一人として見た事のない景色。 眼下に広がるのは君達が暮らし、生まれ、育っていた大地と大陸と星の姿。 そんな自分達の母なる世界の姿をこうして眼下にて間近で見ようとは、果たして誰が想像できたであろうか。 だが、それより何よりも。 君達を、君たちの魂を捉え、話さず、今もその威圧に指先の一つを動かせずにいる存在が目の前にいる。 星の海を背に荘厳なる玉座に座るひとつの存在。 その存在に付き従うは、あの時、帝城の最下層にて対峙していた、ユリウス、シリウス、セオドル達。 そして、君達を見つめていたその存在は今、ゆっくりと語りかける。 「ようこそ、クフィル、アスタロト、ライラ、レイル、そしてユニ。 君達を招待したのは他ならぬ、この私だ」 言って、その存在は自らの名を明かす。 「我が名はアケルナル。旧神イシュタルより生み出され、かの神を超越せし神人。 いや…新世界を総べる新たなる神といったほうがいいかな」 アケルナルと名乗った男は続ける。 「さて、クフィル。まずは君に対する評価を改めよう。 君は私が作り出す新世界の王にも、そして民としても不必要な存在かと思っていたが あの帝城での戦い、全て見させてもらった」 言ってアケルナルはどこか羨望の眼差しをクフィルへ向ける。 「自らの王道を挫かれながらの生還、ミルファクを打ち破り、君と君の友とのあの目を奪われる麗しき死闘。 これを持って君を我が世界へ迎え入れる資格ありと認めよう。 無論それは君と共に戦い続けたその者達、アスタロト、ライラ、レイル。君たちも同様だ」 続けてアケルナルはクフィルの隣りに立つアスタロト、ライラ、レイル達にもそう声をかける。 「故に、さあ剣を捨て、我が下に降るがいい。私はお前たちを私が築く新世界の民として迎え入れよう」 そう星の大海を背に玉座に座る男は言う。 その物言いはまさに神。倣岸にして不遜なる者。 あくまでも自らが全ての主導権を握っているかのように、それは決定であると君達へ告げる。 クフィル:「だが断る」 GM(アケルナル):「ほぉ」 そこには大した意外さもなく、むしろどこか愉しむような口調が混じっていた。 「理由を聞いてもよいかな?」 アストロト:「ここまで来て、あなたたちのような者の下につくようなことがあれば… それじゃあ、何の為に、命を懸けてまで、私たちがここまで来たのか、分かりません」 ライラ:「まぁ、貴方にもご理解頂けるように平たく申し上げますと…… お前の全部が気に入らない、という事にでもなりましょうか」パーソナリティが迷子 アストロト:「私たちは、誰かの言いなりになるために、戦ってきたわけではありません」 (パーソナリティはPCの歩いた後にできるんだ…!だからアストも迷子…! クフィル:「聞いての通りだ、俺達には俺達の意思と目的がある。 それに、ここで屈するようなら最初から戦う事を選んだりしねーよ」 GM(アケルナル):「フフッ、確かにそうだな。いや、予想通りの答えだ、それでこそだ」 そう言って彼はまるで君たちの答えが予定調和であるように微笑む。 クフィル:(ぼくこういう敵好き GM(アケルナル):「だが、君達がそうして戦い続けられたのは 君達が知る今のあの世界やその日常、人々がいたからこそであろう」 言ってなにか含みを持つ言い方をする。 「少々、私の話に付き合ってくれ、その後で今の問いをまた投げかけよう。 それに対し、今の答えと同じ答えを返すも異なる答えを返すも、それは君たちの自由だ」 言って神は語る。 「君達は世界の始まりという概念がどういうものか知っているかね? それは文字通り、世界の創世、始まりだ。どのようにして君達が存在している世界が生まれたか」 それはクフィル達が住む世界のある秘密、根源に関する話。 「それは神の誕生と共に世界は生まれるのだよ。 君達の世界、エル=ユーナもそうした一人の神の誕生と共に生まれた。 それが世界神エルドラシルと呼ばれる女神だ。彼女の誕生と共に彼女の理によって世界は創生された」 それは世界の始まりと、神という概念に関する真実。 「だが、神にも様々な種類の神が存在する。そうした世界を生み出す創生神。あるいは世界を破壊する破壊神。 己と言う一己の種を未来永劫無限に存在させる神。善神、邪神、魔神、世界神、至高神。 まぁ、神の名称、種類、呼び名にしても様々だと思ってくれればいい」 クフィル:(あけるなる先生の世界の歴史 GM:(アケルナル「みんな、ここ重要だからよく覚えるんだよー」 アスタロト:(「せんせー、教科書忘れましたー ライラ:(世界一受けたい授業 今日の先生は、アケルナル先生です) 「我がデミウルゴスの神、イシュタルはそうした概念で言えば、破壊を司る邪神であったと言える。 彼の神としての能力――即ち“理”とは他の世界を、その理を喰らう事。 彼は星の海を渡り、そこに行き着いた世界を喰らい世界を司る神すらを喰らい尽くし 無限に膨れ上がる略奪の神であった。そうして、彼が目をつけたのがこの星、エル=ユーナだ」 言ってアケルナルは真実を語る。それはベルシェルス大陸に住む誰もが知らなかった 自分たちを司ると信じていた神の本当の正体を。 「何故、彼がこの星を喰らう事に執着したのか。それはこの世界を司る神が 自らよりも遥かに高位の神であると気づいたからだ。その神とは即ち、世界神エルドラシル。 彼女の神としての階位はイシュタルよりも上であった。その彼女とその世界を喰らえば 自らが上位神へと進化することも叶うかもしれない。故に彼は時間をかけた。 この世界の全てを掌握し、喰らいつくすために我らデミウルゴスすら生み出し偽りの支配すらも掲げた。 ああ、ここまで言えば分かるかもしれないが、我らデミウルゴスは最初から イシュタルにとっての手足であり道具、この星と共に喰われる食材の一種に過ぎなかったのだよ」 それは人間のみならずイシュタルに仕え続けたデミウルゴスですら知らなかった真実。 「無論、その事を知るデミウルゴスは一人も存在しなかった。そう、神の右腕である私を除いてな。 故にここまで話せば分かるだろう?何故、私が神を殺したのか。 私はこの世界を、そこに存在する全てを救ってやったのだ。あの“侵食”しか脳のない低俗な旧神からな」 アケルナルは自らこそが世界の救世主であると、そう語りながら話を続ける。 「私は神を殺し、神と同じ領域に至った。だが、そこにきて、私はある事実に気づいた。 それは“旧神”と呼ばれる存在はイシュタルのみではないという事実。 教えてやろう、クフィル、そしてその仲間達よ」 言ってアケルナルは信じられない事実を口にする。 「もうじき、あと数年以内にこの世界は朽ち果て、消滅する」 それはあまりに理解の上を超えた事実の発言。 クフィル:「なん…だと…」 アストロト:「消滅…?!そんな…!」 だが、アケルナルはしごく平静に当たり前のように続ける。 「ああ、言っておくが、コレに関しては私は無関係だよ。 例え私が何をしなくても、そうだな、ここで座して静観しているだけでも世界は消え去る」 アケルナルは君たちの反応を愉しむように続ける。 「何故か、理由を教えてあげようか?星の寿命…神の理の終焉というやつだ」 言ってアケルナルは続ける。それは最初に説明した神の理に関する秘密。 「なぜ、世界が創生されたか、これは最初に説明したな。神と呼ばれる存在が己の理を基盤に構築した。 “理(ロゴス)”とはその神が司る根源の全てであり、これこそが神たる者の証明と言える。 イシュタルが宿した理が“侵食”であったように、彼の理から生み出されたのが“星触”。 星を全ての存在を喰らうという理の具現化」 続けてアケルナルはこの世界の理に関しても告げる。 「そして、この世界を生み出したエルドラシルもそうした“理”からこの世界を生み出した。 だが、残念なことに、そのエルドラシルの理、世界システムと呼ばれる全てが限界に近づいているのだよ。 これは単にエルドラシルによる寿命か、あるいはイシュタルによる星触の影響か それともエルドラシルの理に“何らかの不純物”がまざったか。いずれにしろ、放っておけば世界は消滅する」 そう区切り、アケルナルは宣言するように続きを口走る。 「故に私は新世界の創生を誓った。 君達は私が語る新世界を次なる次世代、新たなる時代と勘違いしていたかもしれないが 私が語る新世界とは、文字通りの“新たなる世界の創生”だ」 それはもはや人の規模を越え、まさに神の領域の所業。 そんなありえないことをありえないと断言できないほど目の前の男の威圧 何よりも自身に満ちた魂がそれを嘘、偽りではないと確信させる。 ライラ:「……この世界はすでに破綻を始めているから、一切合切無かった事にして 造り直して、新たな神の座に居座ろうというのですか、貴方は」 GM(アケルナル):「要約すればその通りだ。だが、それが間違いだと君は言えるかな?」 自信に満ち溢れアケルナルは続ける。 「ここで、私が行動を起こさなければ世界は滅びる。それはすでに確定だ。 そしてそれは同時に全ての生命の終焉を意味する。 もし仮に、君達が私を倒したとして、それでどうなる? 数年後の終わりを人類仲良く迎えるかね?まぁ、そうした終わりを享受するというなら致し方ないが」 アストロト:「……『終わる』のと『終わらせる』のは、異なることです」 GM(アケルナル):「確かに差異はある。だが、ここで重要なのは始めるという所業だ。 君達に、いや、私以外の何者にも世界の創生など行えない。 もはや、ここまで話せば理解出来たであろう。今までの君たちの旅も、戦いも 物語全ては私が奏であげたに過ぎない。戦争も機関も、全ては私にとっては手に取るにたらない」 だが、その闘いの中で私に認めるに相応しき者こそが、新世界へ向かう資格がある。 故に私は、新世界到来の為に、君達と、その周囲の全てを秤、これまで見続けてきた。 ここにいるユリウスもそうした全人類の中で私が認め、我が新世界の王として認めた人材」 言ってアケルナルは自らの隣に立つユリウスをさす。 当のユリウスはただ黙ってアケルナルのその話を聞いている。 GM(アケルナル):「さて、ではここで最初の質問に戻ろうか。 すでに世界の死、そしてそれが避けられず、新たなる世界を到来できるのは私のみと理解したはず。 ならばこそ、問おう。この私に付き従うかね?」 クフィル:(中の人的には大好きだよ ライラ:(ラブコールktkr アスタロト:(なんか…いい人に思えてくる不思議… GM:(アケルナル「これが神の話術だ」 クフィル:(キャラ的にも納得は出来る方法だし、恐らく現状最善なんだろうなとも思うんだよねーw GM:(この現状だと、断る理由は確かに難しい(笑)それこそ感情論とかでないとね(笑) ライラ:(ミスター・ブシドー論法か。その程度の道理、私の無理で引っ込めて見せる的な GM:(それもありだ クフィル:(キャラ的に感情論だけでは語れない話だからなー ライラ:(今回は相手のほうが道理通ってるんだもん(笑) GM:(まぁ、確かに(笑) アスタロト:(難しい…正論とか難しい…(笑) GM:(では、もうちょっと判断材料を与えましょう 「…一つ、貴方にお聞きしたい。アケルナル卿」 それまで君たちと同じに彼の話を黙って聞いていたレイルが口にする。 「確かに貴方の話は全て筋が通って正論だ。貴方のやり方こそが唯一の正しい道かもしれない。 だけど、一つだけ教えてほしい。貴方の言う新世界とやら、それはどうやって創世するというのですか?」 その問いに対し、アケルナルは笑みを浮かべ答える。 「世界を創り出すということは私単体でも行う事はできない。 それこそ、エルドラシルに匹敵する神が必要だろう。だが生憎、私はそれほどの領域には至っていない。 ならば、どうする。簡単なことだ。足りない分は他所から補えばいい」 ライラ:(PCに「!?」っていう演出が入っております) GM:言って彼は眼下の大陸、そのある一箇所を指し示す。そこにあるのはラヴァード帝国の帝城。 「イシュタルが生み出した理は“星触”。その本質は奪い、略奪し、喰らうこと。 そう、足りない分は“この星蝕を使い”この世界から奪い補う」 アスタロト:「そんな、勝手なっ…!」 GM(アケルナル):「だが、他に道はあるまい。それにな」 言ってアケルナルはすっと…指先を前に出す。 「新世界の礎となれるなら、その犠牲となる人々も本望であろう」 次の瞬間、ぱちんと、彼は指を鳴らした。 ――ラヴァード帝国、帝城 「…そうか、クフィル殿下達は行方不明か、ミュラー殿」 「はい、さきほど、最深部へ向かいましたが、フィル様の姿はありませんでした」 ミュラーは傍らに抱えたナナリアをカールに渡しながらそう答える。 「私はもう少しフィル様の捜索にかかります。カール殿はここにる兵達を集め、一度ミシアン領地に」 「うむ、確かにそれがよさ……」 そう二人が会話を交わしとした瞬間、ある異変に気づく。 それはまるで空間が歪み、時空が崩壊していくかのような感覚。 「 な、 ん …これ は… ?」 「?! な、 なに が ―――」 カールもミュラーも、そして帝国の帝城に存在した全ての人間達がそれを理解する事はなかった。 次の瞬間、そこにあったはずの帝城は消え去り。 ぽっかりと無限に地の底まで続く大きな穴だけが広がっていた。 そして、そこにあったはずの星触もまた、消え去っていた。 GM(アケルナル):「さて、これで星触の回収は完了だな」 言って、アケルナルは手を広げる。 そこには手のひらに収まる程度の暗闇、否、虚無が広がっていた。 それはあの時、帝城の最下層で見たあの一面に広がる漆黒とおなじもの。 あの巨大な星触が全て、アケルナルの手のひらへと凝縮し、制御されている。 「帝城にいた者達には申し訳なかったが“これ”の回収が優先なのでね。消させてもらったよ」 言ってアケルナルは手のひらに収まっている星触を満足そうにながめ まるで足元で虫が死んだ程度に帝城にいた全ての人間に対してそう評価する。 そこには君達の仲間、共に戦い続けた者達、そして、何も知らずただ平穏に暮らしていた者達もいたというのに。 「さて、それでは返事がまだだったな。どうかね?私と共に来るかね」 ライラ:「……ようやく、合点が行きました。……わたしは、貴方には従わない」 アスタロト:「なんてことを……!あなたみたいな、あなたみたいな者に付き従うくらいなら……」 激しい怒りを隠しきれない表情で、下げた手をぎゅっと握り締めます GM(アケルナル):「…ふむ、なるほど、それが人の持つ感情というやつか。 新世界の神とはいえ、所詮は私もデミウルゴス。君達のそうした反応は見ていて、実に興味をそそられる」 ライラ:「わたしの場合は、感情というほどロマンチシズム溢れるものではありません。 ただ、貴方のやり方が気に食わないだけ、貴方のやり方が、わたしの基本律に著しく背くだけです。 貴方に付き従っていては、わたしは貴方を殺したくてたまらなくなってしまう。 獅子身中の虫を抱えるのは、貴方とて本位ではないでしょう?」 (AIなキャラはパーソナリティが変化しても成長ですって言い張れるから楽もとい余計に大変ですね) GM(アケルナル):「なるほど。実に単純で明快な理由だ。 合理的ではないが、君のそうした答えは嫌いではないよ」 言ってアケルナルは視線をアスタロトへ向ける。 「では、そちらの少女も同じ理由で私には従えないかね?」 アスタロト:「…ええ、その通りです。あなたに従うなんてことになれば、それは…私が、私でなくなってしまう。 レクトル様から、殿下から、ライラから、フィーから…私を助けてくれた人たち全てに背くような真似は、できません」 GM(アケルナル):「なるほど、それもよかろう。己の理を信じ、それに順ずる。 ある意味でそうした君の考えは神たる者の思考に近い。一応断っておくが、これは賞賛だよ」 そうして、アケルナルは最後にクフィルを見つめる。 「さて、では最後に君の返答を聞こうか、クフィル」 クフィル:「俺とアンタは相容れない存在だ。 確かにアンタの言った事は納得にたる物だったがな、俺とアンタじゃ決定的に立っている位置が違う」 GM(アケルナル):「ほぉ、ならば君の立っている場所とはどこかね?」 クフィル:「俺が立っているのはこの世界だ。この世界に住む多くの者達と同じ大地だ。 こんな高みからでしか全てを見れないアンタには理解できないかもしれんがな。 俺はこの世界を、この世界の人々を愛してる。故にこの世界を犠牲にするアンタとは相容れない」 GM(アケルナル):「――なるほど」 彼はただその一言を言い、全てを納得したようにうなづく。 「クフィルよ、君のその意思、見事だよ。惜しいな、百年、いや数十年前に生まれていれば 君は君のその意思を持って世界に名を残し、偉大なる王として人々の記憶に残ったであろうに。 だが、もはや時が遅すぎた」 言って、アケルナルは立ち上がる。 ただそれだけで君達は全員、世界の圧力を受けるかのごとく、平伏し、ひざをつく。 クフィル:圧倒的な重圧に飲まれながらもギリギリで膝を付くことは耐える。 GM(アケルナル):「君達のその魂に敬意を評そう。君達でなら我が新世界の礎 それを構成する一欠片としても不相応ではない」 そうして、新世界の神を称する神人は一歩を踏み出す。 「――だが、その前に“君”の方の回収もしないとね」 言ってアケルナルは星触を持つ手とは別のもう片方の腕を掲げ広げる、そこには一つの宝珠が握られていた。 ライラ:(イヤナヨカンガスルヨー) 「さぁ、君の役割は終わりだよ、存分に世界を堪能できたかい? ユニ、いや――世界神エルドラシルよ」 GM:言ってアケルナルは君達と一緒にいる少女、ユニを指し、その宝珠を輝かせる。 その宝珠から放たれる光を受けた瞬間、ユニはその場に倒れ気絶する。 クフィル:「ッだらッ!!!」 その光景を見て重圧を振り切り立ち上がる。 アスタロト:「ユニさん!」 アケルナルからの凄まじい圧力を受けながらも、そちらの方へ走りよろうとする。 GM:ユニにかけよるアスタロトだが、彼女は命に別状はない、気絶しているだけだ。 ライラ:盾になりに前へ進み出よう。ほとんど這ってるけど GM:そして、立ち上がるクフィルの眼前にある信じられない光景が生まれる。 それはアケルナルの眼前にて、生まれた一つの光。 ユニから放たれた光がアケルナルの眼前に移動し、一つの形、人の姿を形作る。 やがてそれは一人の少女、一人の神の姿へと変貌する。 GM:それは眼前に存在するアケルナルとは異なる神の御姿となる。 高圧的でも威圧的でも、押さえつけるような重圧もない。 ただ全てを包む優しく抱きしめるかのような女神の抱擁。 その威厳と魂を持った一人の少女が今、君たちの前に姿を現す。 「……あ」 彼女は形成された自らの姿を見て、そして、目の前で必死に立ち上がるクフィルを見て、涙を浮かべる。 「…クフィル………ご、めん…なさい…」 それは何に対しての謝罪であったのだろうか。君達を欺き、その正体を偽ったことか。 己が生み出した世界が終わりを迎えつつあることなのか。 今、この瞬間、何も出来ずにアケルナルに囚われた現状なのか。 あるいは、その全てに対してか、彼女はそう一言もらした。 クフィル:「なーに謝ってんだよ」 ともすれば膝を屈しそうな重圧に耐え、なお微笑む。 GM(エルドラシル):「え?…だ、だって…」 いつもと変わらない君の微笑みに彼女は困惑を隠せない。 クフィル:「お前の正体が何であっても俺達にとってはユニはユニさ。 俺達の大事な仲間だ」 GM(エルドラシル):「――クフィル…!」 君のその言葉に、彼女は涙をこらえ、笑顔を浮かべる。 仲間と呼ばれ君に認められた事に彼女はただ純粋に微笑んだ。 「さて」 だが、そんなクフィル達のやり取りをよそに アケルナルはエルドラシルの腕を掴み、自らのもとへと抱き寄せる。 「これで全ての準備は整った。 世界神エルドラシルよ、貴方は自らの望みでもある己が世界の見聞を果たした。 ゆえに次は私の望みを叶えてもらおう。世界全てを星触で覆うには時間がかかりすぎる。 だが、それもこれで短縮できる。そう、女神エルドラシル」 一拍後、アケルナルは告げる。 「貴方の命を、頂こう」 クフィル:とめてえええええええ “どすんッ!!!!” GM:それは君たちの魂にまで響く音。 目の前では決してありえてはいけない出来事が広がっていた。 そう、世界を司り、世界を生み出し、君たちにとって、全ての生命に取っても母であるはずの存在エルドラシル。 その彼女の胸に今、アケルナルの腕が深々と突き刺さっていた。 「………ぁ」 “ずぶ…っ”とゆっくりとアケルナルは腕を戻す。 ライラ:(痴漢よー(違 GM:だが彼の腕にあったはずの星触、それが今エルドラシルの胸の中心へと埋め込まれた。 そしてそれは活動を開始し、エルドラシルの全身全てを蝕みはじめる。 アスタロト:(今日も安心の欝展開 ライラ:(かーなーしーみのー GM(エルドラシル):「…あ、…ぁ……ッ」 彼女は自身の中にて広がるそれを抑えようとするが、傍目にもそれは無駄だと理解できる。 アスタロト:「ユニさん!一体、何が…!」 GM(アケルナル):「さて、世界を支える女神はご覧の通り、星触を埋め込まれた。 彼女は世界を生み出せるほどの上位神だが、その力はすでに衰え、この状況では数日そこらで 彼女の全ては星触に喰われる」 そうなれば、彼女によって生み出された君たちの世界も終焉だ。すぐにでも朽ち果てるだろう」 アスタロト:「…そん、な…」 GM(アケルナル):「さあ、では、この世界最後の闘いを始めようか」 言ってアケルナルは両手を広げる。 「私を斃さない限り、星触の活動は収まらず、エルドラシルの死は確定だ。 君達の全て、全力、それらを私に対し、ぶつけるがいい。それを持って新世界の産声としよう」 その様は闘いを向けるというよりも、君たちの最後の挙動を見てやろうと言うかのごとく。 今ここに世界の終焉をかけた星の戦いは始まろうとしていた。 |