第三章「頂より落ちる英雄」
“どくんッ”

それは鼓動の音。胎動の音。降臨の音。

ヴァーミリオン:おう!?

GM:おぞましい違和感。否、異質な空気、存在、現象。
ありとあらゆる不条理が不現実が“そこにいてはならない何か”がこの場に現れた衝撃。

ヴァーミリオン:(な…なんだ…“これ”は…)

GM:動悸が激しい、呼気ができない、魂が恐怖に震える。
君はヴァーミリオンは始めて、己が“押し潰れされる”という感覚を味わった。
それは肉体などに与えられる生半可なものではない。魂そのものへ与えられる衝撃。
瞬間、君が放とうとした死の焔が“暴発”した。君の手で暴発した焔は君の腕を焼き払う。

ヴァーミリオン:「ぐっ――!?」

GM:ありえない。こんな事態など起こるはずがない。なぜなら焔は君の分身、君の一部。
例えるならそれは“何億分の一の確率”にすぎないそんな不条理な現象。
「見事、人の英雄よ。お前に対して真紅(オグドアス)bぶつけたのは我々の不手際だ」
そうして現れる人物。

ミシュラ:うわっ…ここでくるか(笑)

GM:それは純白の衣装を纏う目の前で倒れるデミウルゴスとは“全く別の生物”
「名乗ろう。機関最高位プロパテール2。“運命支配”のサダルメリク」
そして、“更なる”絶望が名乗りを上げる。
目の前の男の後ろから現れるのは“同じく純白の衣装を着る二人目の怪物”

GM(サダルスード):「初めまして、英雄さん。僕はプロパテール3“絶対幸運”のサダルスード」

ミシュラ:この兄弟…(笑) お前らなら両方来なくてもころころできるだろうに(笑)

ヴァーミリオン:今いるプロパテール皆やん…。

GM:最高位の純白。その二人の来訪。それだけで地はひびを上げ、砕け始まる。
だが――魂の絶望は、さらなる地獄。否、修羅を見せる。

GM(???):「多勢に無勢は好みではないが、致し方ない」
その声は君の背後から聞こえた。
振り向くとそこには――“三人目の純白”

ミシュラ:(あ、こりゃまずい にげてー)

GM(アルレシャ):「プロパテール4“無双者”アルレシャ…。最後に卿の名を聞いて置こう、英雄よ」

ミシュラ:(こんな時から変わらずちっぱいでお美しいですね^@^)

GM:(アルレシャ「…や、やかましいぞ、卿」)
それはもはや常軌を逸した状況。
むしろこの威圧の中で立ち続けている君の方がある意味で最も異常な存在とも言えた。

ヴァーミリオン:「ヴァーミリオン=アフリクト。妹護ることに命賭けてるお兄ちゃんだっ!!」
言うが否や黒い炎の鳥がヴァーミリオンから放たれる。データ的には<炎帝鳳凰翔>

GM(サダルメリク):「…無駄だ」
君が放った焔の鳥。しかし、それはまるで“何かの運命に意図的に操られるが如く”
彼らに届く眼前で四散した。

ヴァーミリオン:「…くっ!」

GM(サダルメリク):「教えて置こう、英雄よ。確かに星宝と君達の力。
それを覆すに足るものは存在するかもしれない。だが、“絶対に到達できないものもある”
それが我らのもつ最高位の星宝。Sランクの星宝だ」

ミシュラ:(アルレシャ「……」)

GM:(アルレシャ「………ふ」)

「さて、ではこれより――英雄殿を丁重に葬らせてもらおう」

GM:サダルメリクのその宣言と同時に戦闘開始です!

ヴァーミリオン:マジで!?

ミシュラ:(「……夢のようだね!」)

ヴァーミリオン:戦闘継続かぁ、とはいえここでぶっちゃけリソースを消費するのは
気が引けるのだが、まあやるしかあるまい。

GM:サダルメリクは95、サダルスードは110、アルレシャは95。
そしてサダルメリクの星宝が発動。

星宝:【運命支配(フェイト・ドミニオン)】 形態:領域型 ランク:S
タイミング:宣言 対象:射程内の全て 射程:使用者を中心に半径50m
“運命支配”サダルメリクが持つ領域型最高のSランク星宝。
この領域内に存在する全ての存在の運命、確率理論、過去の要因として選ばれる未来
その全てを支配、操作して限りなく0に近い偶然すらも必然へと変える。
この星宝の前ではあらゆる実力も能力も意味はなく、サダルメリクが選ぶ運命のみが
示され、どんな人物も偶然や奇跡とも言える確率を導き出され敗北の運命のみを選ばされる。
この領域内でPCが行なったあらゆる判定のダイス目をGMが望むダイス目に何度でも変更させる。
(例えば、PCが[9]と[7]のダイス目が出たとしてもGMはそれを[1]と[2]のダイス目に自由に変更できる)
ただし、GMがダイス目を変更した後でフォーチューンポイントを使用してそのダイスを更に変更した場合は
この運命支配によるそのダイス目の変更は行なえない。

GM:そちらのジャッジは今後一切全て「1」でよろしくです(笑)

ミシュラ:(ミシュラ「この50mってのチートだよね どんな戦術もコナゴナにしてあげますよ^^
って意識が透けて見える(*‘ω‘ *)」)

GM:確かに(笑) チートにも程がある(笑)

ヴァーミリオン:こんな奴の前で覚醒なんて使えるかい。
うーん、ということは亡者の呼び声も今使うわけにはいかんな。
こいつから離れなければならんのに、自分の移動封じてどうするってやつだし。
というわけでナシナシで。行動は出目が1・1・1になってるので30。

GM:ではまずサダルスード。

<セラフィムスパーダ> タイミング:メジャー 対象:単体 射程:視界 消費精神:−
この攻撃による命中・攻撃判定に+2D10を得る。
ただし、この攻撃を受け戦闘不能とならなったキャラクターはフォーチューンポイントを1点得る。

GM:更にサダルスードの超チート星宝も発動。

星宝:【絶対幸運加護(フォーチュン・フェイト)】 形態:特殊 ランク:S 取得D:取得不可能
タイミング:宣言 対象:使用者 射程:−
この星宝の持ち主は常に絶対の幸運を持つ。あらゆる可能性、偶然、確率、
それら全て使用者の幸運に導かれ使用者に取って絶対の幸運となる必然法則へと変わる。
このため1%にも満たない奇跡すら必然へと変えるその幸運はもはや実力などでは
到底覆す事の出来ない圧倒的“力”となる。
この星宝の力により持ち主はフォーチューンポイント取得数を無限に変化させ
全てのフォーチュンアビリティを使用できる。
また《幸運の加護》《幸運の才能》《幸運の障壁》《幸運の吸収》を星宝特技として扱える。

《幸運の加護》 タイミング:判定前 対象:自身 射程:− 消費精神:−
貴方が行なう判定を行なう際、最初のダイス目を全てクリティカル[10]として扱い振り足す。
これは判定を行なうつど、毎回自動発動する。

GM:通常の2D+セラフィムスパーダにより+2D、4D。
そしてこの4Dは最初の判定は全て自動クリティカル。命中141です。

ヴァーミリオン:避けられるかそんなもん。

GM:攻撃147点です(笑)

ミシュラ:幸運の加護の常時エスペランサーすぎる能力。
もうスーやんだけでいいんじゃないかな…!(めっちゃいい笑顔で)

GM:全くだな(笑)

ヴァーミリオン:さて、そんなもんをくらえば即落ちなんだが、最後にちょっと意地を見せてやろう。
この瞬間、≪セカンドハイロウ≫を使用。使用するのは<不死鳥の加護>、対象は自分!
いかなる強力な攻撃を受けても瞬間的に復活する、『死に死を与える力』。
というわけでHP1で復活。この場合FPはもらえるの?

GM:おお!では次はアルレシャが行動します。

ヴァーミリオン:「はぁ…はぁ…何とか間に合ったか…。…だが…」

GM(アルレシャ):「――見事。さすがは英雄だ。
故に私も全霊の一撃を卿に贈ろう。これを手向けと受け取るがよい」
そう、君の眼前にはすでに次なる死神がその鎌を奮おうとしていた。命中92です。

ヴァーミリオン:当たり。ちなみにさすがに同じ手はもう使えん。ガス欠。

GM:ではアルレシャの渾身の一撃。

<国士無双> タイミング:ダメージロール直前 対象:単体 射程:武器 消費精神:30
このターンに発生した最高攻撃値の値をアルレシャの基本攻撃値として、そこから攻撃判定を行なえる。
ただしこの特技を使用した際、一切の[タイミング:ダメージロール直前]は使用できない。

GM:先程の147からアルレシャの攻撃スタート。

ミシュラ:(「お、やさしい。アルレシャさま手加減しましたね(*‘ω‘ *)」)

ヴァーミリオン:なるほど、そういう能力か。

GM:162点です。これで優しいというあたり感覚が麻痺ってるぜ(笑)

ミシュラ:だってアルレシャさん本気出したらここでゲームセット。
はい、このシナリオおわり。になっちゃうじゃない(笑)

GM:確かに(笑)

ヴァーミリオン:無理、今度こそ即落ち。

GM:ではアルレシャの放った拳は君の腹に風穴を開ける。

“どずッッッ!!!!!!”

ヴァーミリオン:「…ちっ、そっちの野郎の攻撃まで見たかったんだが…。
さすがにそこまで甘くないか…」

GM:流れ出る命の滴。消え行く君の意識。だがそこで思い出される一人の少女の姿。
消え行く意識の中で君はその意識を引き止める。ここで自分が死んだら、誰が彼女を“護るのだ”

ヴァーミリオン:(俺には…護らなければならないものが…ある)

GM(アルレシャ):「…見事だ、この一撃を受けてまだ意識を保っているとは…。
人の身にしておくのが惜しいほどの存在だ。まして、ここで潰すには真に惜しい」
アルレシャが拳を引く。空いた穴から血が流れ出す。だが君は倒れない。倒れるわけにはいかない。

ヴァーミリオン:「護りたいものが…ある」

その瞬間。君を包む光。

――護る。護る。護る。それ即ち、単一の感情。
ならば、それ以外を切り捨て、それのみを追い求めたら?――

GM:何かが君の中で“ざわめいた”
だが――瞬間、君に止めを刺すべく攻撃を放ったサダルメリク。それが空を切る。

「なに?」
「消えた…」
「……これは」

GM:三者三様にその場より消えた君とその現象にそんな声を上げる――が。

「…あれだけの傷だ。どこに消えたとしても奴は死ぬ。
任務は果たした。これより帰還するぞ」

サダルメリクのその言葉に従うように他の二人、そして地に倒れたエルナトは
サダルスードに支えられながら彼らの戻るべき場所へと戻る。

その去り際、エルナトは呟く。
あれほど圧倒的、絶対的差を見せつけ絶望的状況下でなお戦い続けた人の強さ。

「何故…彼らは、あんなにも眩しく“強い”のだ……私は、彼らを…知りたい…」

その呟きと共にこの場より地獄は消え去った。

◆   ◆   ◆

GM(ファルナス):「…大丈夫、とは言えませんね」
倒れた君。それを覗き込むのは戦友のファルナス。
そこは王国に程近い荒野。君にとって馴染み深い場所であった。

ヴァーミリオン:「護…る…。俺は…護る…」
かろうじて繋ぎとめている意識で、ただそれだけを呟く。

GM(ファルナス):「…申し訳ありません。私がもう少し早く貴方を逃げせれば…」
そんな状態の君を見て、我が身の不徳さを嘆くファルナス。
だが君の身体を支えるように肩で抱き、目の前に見える王国へと歩き出す。
「…さぁ、戻りましょう。あそこには貴方の居場所、護るべきものが待っていますよ」

ヴァーミリオン:「護るべきもの…」

GM:歩く。歩く。ゆっくりと支えられ歩く。
何時間、だろうか。あるいは何日。
もはやまともな感覚すら失せた中で君はとうとうその場所に戻りついた。

そうして君を出迎えたのは民の声。聞きなれた賛辞と祝福、それと同時に哀しみの声。

「英雄様!我々をお守り下さい!」
「英雄様!どうか、逝かないでください!」
「英雄様!英雄様!英雄様!」

聞きなれたフレーズ。壊れたラジオのように同じようなことをわめく住人達。
だが、君はその中で、君の護るべき人物の居場所にようやく帰ってきた。

GM(シェンナ):「お兄…様…」

ヴァーミリオン:「シェンナ…」

GM:妹は君を見て、抱きつき涙を流し叫ぶ。
「お兄様!お兄様!お兄様!まだ死なないで!お兄様は死んじゃだめ!
だってお兄様は約束した!私を、護ってくれるって!」

ヴァーミリオン:「ああ…シェンナ…護るさ…護るとも…お前だけは…何としてでも…」

GM:悲観にくれるシェンナ。それと同じく嘆く民。
その空気を感じ取ってか、ファルナスはゆっくりと君達の場より離れていく。
「お兄様……なら、なら…」
ぎゅっと彼女は君の服を握り締め、君を抱いたまま歩き出す。
「来てください!お兄様は死んじゃだめ!
お兄様は守り続けなきゃいけないんだから!だから!来てください!」

彼女は君の腕を抱き、そのまま歩く。歩いていく。
それは王国の奥。誰も近寄らない、奥の奥、神聖な街の禁忌とされる場所。

ヴァーミリオン:「シェンナ…?」

GM:そこにあったのは天に届くほどの高さのオベリスク(神柱)
そこまで君を引き、シェンナは安心したような笑みを君へ見せる。
「もう…大丈夫です。お兄様、お兄様はこれで…大丈夫です」

ヴァーミリオン:「大丈…夫…?シェンナはもう…泣かないでくれるか…?」

GM:出血と傷。死の匂いと消え行く意識。
もはやヴァーミリオン=アフリクトを生かす手段などこの世界のどこにも皆無であろう。
もうじき彼は死ぬ。それはもはや避けられず、そして数分の後には訪れる。
「…泣いてなんかいませんよ。だって、お兄様は助かるんだもん。お兄様は私を護ってくれるんだもん」
言ってシェンナは君へ顔を向ける。

そうして見せたシェンナの――君が護るべき少女の表情は笑顔だった。

「お兄様。護ってください。ずっとずっといつまでも―――」

――――――――――――――――――

「人柱、というものは君はご存知だろうか」

「古来より民の未来に祝福を与える為、あるいはその場所を未来永劫
邪より護るために人一人を生贄に完成される所業。
まぁ、有体に言えば大勢の幸せの為に一人を犠牲にするというやつだね。
効果の程は実際のところ知らないが」

「だが、ここで興味深い事例がある。
ある地方では神柱と呼ばれるものが存在する。分かるかね?
これは選ばれた一人が神として召し上げられ、その地の民を永劫守り続けてくれるというやつだ」

「まぁ、実際のところやってる事は人柱と何ら変わりはしないよ。
一人を犠牲に民の未来を築く。おぞましい行為このうえない。
だがしかし、もしもその捧げられた人物が本当に“神となる素養”があったらどうだ?
またはその場所にある呪術的、または“ある奇跡によって生まれた何らかの神の遺物”があればどうだ?
まぁ、そう言った偶然が重なるというのは極めて低い可能性だが……0ではない。
故に起こりえるかもしれない。そうした所業の果てに、本当に人の手から
“カミ”が生まれたとしたら、それは――」

「“一体どんな生命になるのだろうね”」

――――――――――――――――――

“どしゅ”

GM:それは君の胸に深々と刺さった包丁。

ヴァーミリオン:「シェン…ナ…?」

GM:いつもそれは野菜を切り、君が食べる料理の食材を切るはずのもの。
それが今、君の胸を貫き、そして―――
「お兄様は、カミサマになるんです。ここで召し上げられれば
未来永劫ずっとずっと私を皆を守り続けてくれるんです」

“ざしゅっ”

GM(シェンナ):「お兄様、私を護ってください。
私もお兄様を守ります。お兄様を他の人に殺させはしません」

“ぞしゅっ”

ミシュラ:(逝かないでくださいはまだしも、瀕死の人間にお守りくださいはどうなの街の住人(´・ω・`)
それに妹超ヤンデレだし!泣ける……)

GM:まあ、この街の連中そういう奴らだから(笑)

ヴァーミリオン:ヤンデレも大好物です。

ミシュラ:「神サマの言う事を進めていく、人類のためになるやりがいある職場!
ナンバーの皆も和気藹々としててとても楽しいです♪」
アルタイル「なんだその求人広告のようなフレーズは…」
ミシュラ「いや…なんだか英雄がちょっと不憫になって」

GM(シェンナ):「お兄様はずっとずっとずっと護るんです。護るんです。護るんです」

“どすっ”

気づくとその場には広間にいた民全員が集い、各々刃を手に取り、ソシテ――

「英雄様!未来永劫我らをお守り下さい!」
「カミサマとなって守り続けてください!」
「護ってください!護ってください!護ってくださいー!」

“ぞしゅぞしゅぞしゅぞしゅ”

ミシュラ:(えぐい)

最後に、君は見た。血に塗れた妹の笑顔。安心しきって、君を心の底から安らぎさせる彼女の笑顔と言葉。

「お兄様。大好きです。ずっと私を護って下さいね」

“どすっっっ”

そうして血のブラックアウトと共に―――英雄は死んだ。


◆幕間シーン 〜カミサマ〜
―――行くべき戻る場所。辿り着く場所。

そこは本来、魂の海。イデアの海であり、そうした魂が本来向かうべき場所。

だが、稀にそうした正しい場所へ戻らない魂が存在する。

そうして戻れない魂とはどこへ向かうのか。

これはそうした、“ある高み”に達しそれ故に戻れなくなった者達の幕間。

やがてそれが次世代における真の種。本当の災いとなる事を、今はまだ誰も知らない。

「――炎。それが君の色か。決して消える事の無い光りWく炎。
これでようやく最後の一人“五角”の一つは埋まるか」


ゆさゆさと君をゆらす感覚に君は瞳を開ける。
かつてヴァーミリオンと呼ばれた君はそこで目を覚ます。
上下感覚のない空間。闇とも光とも取れぬ曖昧な場所で声が響く。

「君の名は?」

「ヴァーミリオン……アフリクト……」

「そうか。では君に問う。君は何を望む」

「護りたい…俺は…護りたいんだ…」

「ほぉ、護る。なるほど“守護”の単一か。
では君に取っての護るとは何かな?人か国か時代か、それとも世界か?」

「シェンナ…俺を護り続けてくれた大切な妹。
そしてシェンナと過ごした日々はとても優しく、美しく、かけがえのないものだった。
俺はそんな優しい世界を…人々が…シェンナが
心の底から幸せであると言えるような優しい世界を護りたい…」

「よろしい。では君の昇格を認めよう。これで君も“人神”の一員だ。
君の生誕は五角の一つ“火”を司る人神。
金を殺し、土を生む者。これで君もまごう事なき新たなる種だ」

そうして、やがて相手の声が静かに聞こえなくなっていく中
君は相手の最後の言葉を耳にする。

「さて、軽い挨拶ですまない。またいずれ君とは直に会いたいものだ。
だが、まずは“君が護るべきを護るがいい”
しかし果たして君が“何を”守るのか。その選択を私は“遥か東の先”にて見せてもらおうか」

◆    ◆    ◆

――星蝕戦役より三ヶ月。

各地で行なわれた星蝕による汚染と拡大。

やがて星蝕の洗礼はとある地方の、とある王国を一夜にして丸まると飲み込む。

そこに存在した全ての民、存在、それらあますことなく星蝕に飲まれ消えた。

だがしかし、それを起こした神すら知る由もなかった。

その星蝕の洗礼が行なわれた中心にて、星蝕の洗礼にびくともせずに
存在し続けた一つの神柱(オベリスク)

やがて、何日もの時が流れ、その神柱が“内部より砕け”そこより生誕した新たなる種。

神人デミウルゴスとは全く異なる進化を遂げた“人神(ひとがみ)”

かつて英雄として葬られたある一人の男が神としてここに再臨した事実を。

まだこの時は誰一人、知らずにいた――。

 
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