◆幕間シーン 〜世界を統べる策略〜
“かつかつかつ―――” 爆音轟き、時にその衝撃に天上と床が揺れる中を その男、かつての帝国第二皇子ユリウスはただ悠然と歩いていた。 すでに盤上の配置は万全。後はただ自身が星蝕へと辿り着くのみ。 「止まれ」 だが不意に目の前に現れる人影。 それと同時に自身を縛る言の葉によって形成された樹の蔓。 ユリウスは眼前に現れた少女の名をただ冷静に呟いた。 「光輝五星の一人。統括セオドル=グランコーツの娘 “天恵”ナナリア=グランコーツか 」 「…ラヴァード帝国第二皇子、ユリウス」 ナナリアは自身の情報を引き出し目の前の男の名を呟く。 そう自分の得た情報が正しければ、この男は帝国の天皇大帝の命により帝国より追放された。 そして殿下の情報を得る際に、殿下がこの男と行動を共にしていた事。 その男が今、ただ一人でこの城内部を歩いている事、そこから導かれる結論はただ一つ。 「…この惨状は君の仕業だね」 「だとしたら、どうするのだ」 否定する事無くユリウスはそう口に出す。 「なら、君をここで捕縛する。少なくとも、もう君が殿下の味方で無い事は分かる。 ここで君を捕らえれば、この先の状況において障害が一つ減る事は確実だからね」 「ナナリア=グランコーツ」 静かに自らの名を呼ばれ、背筋が凍る感覚をナナリアは受けた。 「ここでその行為を行なえば、お前はお前に取って最も無残な死に方をする。 そうなりたくなければ、今すぐ我が眼前より消えろ」 舞台裏クフィル:ぐあー、でてぇ(笑) 「………」 そんな突拍子もない言葉に息を詰まらせ、呆れると同時にどこか得も言えぬ不安をナナリアは感じた。 目の前の男は確かに稀代の天才であるとナナリアも周知の事。 だがその一方でこのユリウスという男は武芸に関しては、人並み程度である事も理解している。 護衛も付けずにただ一人でこの通路を歩いていた。 この瞬間を逃してはこの男を捕らえるチャンスは二度とない。 ナナリアは千載一遇のチャンスに遭遇してしまったが為に“それ”を振り払ってしまった。 そう彼女の本能にて告げていた“危険信号”を。 「…君の策略の高さは知っているよ。ブラフを使って僕を誘導しようとしても無駄だよ。 君は判断を誤った。この好機を逃しはしない。君はここで僕に捕まる!」 舞台裏ライラ:(死亡フラグ特盛ですね) 「そうか」 ただ一言だけ呟き。しばし瞳を瞑り――やがてその鋭い眼光を開いたユリウスは “ナナリアの背後にいたその男”へと命を発する。 「そう言うことだ。やれ」 “ぞしゅ―――” その瞬間、ユリウスを捕らえていたナナリアの神言術は解かれた。 ナナリアは自身に起こった出来事を一瞬、にわかには信じられずにいた。 胸元を見るとそこから突き出ているのは真紅に濡れた剣。 そして、その剣の装飾にナナリアはこれ以上無いほどに見覚えがあった。 ゆっくり後ろを振り向き、その人物を確認する。 だが理解できない。彼女の思考が自分を刺し貫いた人物を認知しようとしない。 それはあらゆる意味で彼女に取って想定外の人物による刃。 「……お、父さん……」 呟き、ナナリアは静かにその場に崩れ落ちる。 倒れた彼女の身体からは胸から空いた血が止め処なく溢れ出す。 しかし、眼前で倒れたはずの娘に対して父であるその男 セオドルは僅かに悲痛な表情を浮かべるだけであり、そのまま駆け寄ったのは 倒れた娘に対してではなく、目の前で悠然と立つユリウスに対してであった。 「ご無事でしょうか、ユリウス様」 「ああ、問題は無い」 そう光輝五星の統括“星輝騎士王”セオドル=グランコーツは 倒れた自身の娘を気遣うのではなく、目の前にいる覇者ユリウスに対し 膝をつき、まるで己の主人のように傅いていた。 「セオドル。“王国での任務”はご苦労であった。 光輝五星の統括としての働きと活躍、今まで良くやった」 「いえ、これも全てはこの大陸の未来の為。 我が唯一の主人ユリウス様の御為ならばいかほどのこともございません」 それは一片の曇りも無い、忠義の印にして誓い。 セオドル=グランコーツはこれまで、ただ一人の人物 ユリウス=アーグスト=ラヴァードの為にここまでの人生を歩んでいた。 それは七将王の一人ミュラーが、己が主人となるクフィルの為に 人知れず生きてきたのと同様に、この男もまたただ一人の主人の為に全てを捧げていた。 それは実の娘を天秤にかけてもなお傾く事のない忠義の心。 「それと“私が指示した”王国でのクーデターの件もお前が問題なく執り行ってくれたおかげで 私もここまで来れた。王国より追放される形となったクフィルも当初の予定通り利用できた。 あの状況もあり、奴らも私を疑う事無く招き入れてくれたようだからな」 「我が主人の為であればあの程度、造作もありません」 それはこの物語に仕掛けられた、たった一人の男による策略。 王国で起きたクーデターも、敵国の王子との出会いも、その共闘も、その王子と機関を潰し合わせる事も。 全てはこのユリウスという男が仕掛けた策略であり、茶番。 そう、すでに最初から誰も彼もユリウスと言う王の為の駒にしか過ぎなかった。 「ではユリウス様。ここから先の護衛はお任せを」 「ああ、頼んだぞ。では行くとしようか」 ユリウスは先ほどまでと変わらぬ悠然とした態度で歩き出し そのすぐ後ろを護るようにセオドルが共に歩く。 傍らで倒れたナナリアに対し僅かな決別の瞳を向け――。 「多少の変更はあったが、すでにここまでは予定通り。 後は星蝕さえ手にすれば、我が覇道は完遂する」 それは王の宣告。 同時に新世界の到来の告げる開幕の言葉であったかもしれない。 ◆バンドシーン 〜Ageless Love〜 GM:そうしてアスタロトは辿りついた。今、君はその場所、中央通路の先にいた。 だが、そこを護るのは二人の人物。 うち一人のキモオタなデミウルゴスはどうでもいい、だが問題はもう一人。 ライラ:(うちの主様になんてこと言うんですかGMwww GM:PLまで洗脳された(爆笑) クフィル:もうだめだお(笑) GM:そのキモオタに寄り添っている、かつての君達の仲間、ライラたん。 アスタロト:「……」 非常に言葉にしがたい複雑な心境である。 GM(ヌンキ):「んっふっふっ、よぉこそぉ、アスタロトたぁ〜〜ん。 私とライラたんが護る愛の停止場所へ〜〜www」 ライラ:ぺこり、とにこやかな微笑をたたえたままヌンキの左後方約一歩の位置で頭を下げよう。 GM:かつて君はこれほど(ある意味で)おぞましい敵は見たことがなかった。 とにかくあらゆる意味で総毛立つ。 「さぁ〜て、と。悪いけどここはぁ、私とライラたんの二人が君の進行を阻むお〜〜ww」 アスタロト:「愛の停止場所……ですか。面白い事を言いますね」 嫌悪感で一杯の溜息をひとつ。 GM:あ、アスタロトがかつてないほど冷静だ(笑) ライラ:(私が糾弾されているような気がしてきたお アスタロト:「でも停止するのはそっちなんじゃないですか? あなたがライラに何をしたのかは知りませんが、あなたのその『妄愛』、私がここで止めてみせます」 二丁に増えた銃を構え、臨戦態勢に入る。 GM(ヌンキ):「ふ、ふん!君が何を言おうとも所詮は一人! 私のライラたんに勝てる確率なんてないんだお!!ここで無様に斃れるんだね! ら、ライラたん!あいつをやっちゃえ!!!」 とヌンキは遠慮なくアスタロトを指して。 ライラ:「はぁーい、見ててくださいね、主様!」 と無駄にきゃらきゃらした口調で言おう。 生前のライラからすると「どこから声出してんだおまい」って感じで。 アスタロト:生前(笑) GM:だめだ(笑) ヌンキもだがライラも面白すぎる(笑) ライラ:(中の人は、うちの娘はもう死んだと思ってますお クフィル:(爆笑) GM:とにもかくにも、そんな感じでかつての仲間同士による最悪の戦いがここに幕を開ける! やがて、もうじき“全てが揃う瞬間”は間近まで迫っていた。 「どうやら始まったようだね」 彼は目の前で倒れる少女、ナナリアの傷の手当てをして立ち上がる。 彼がナナリアを発見した時、すでに傷は重傷であったが その傷は僅かに致命傷を避けており、彼の的確な治療により、何とか一命を取り止めた。 最も意識は依然として不明であり、この後の回復の見込みは彼女次第であろう。 彼は傍らにある自らの宝剣、黄金に輝く“欠片”を手にする。 それはかつてないほど強い輝きを彼の手の中で放ち まるで何かに呼応するように静かに震動をしていた。 「【黄金の剣(アルナ=ゴルト)】のこの共鳴… 間違いなく今ここには“全ての欠片”が集結している」 すでに彼は己の持つ“欠片”の性質・その真価を完全に引き出し 己の“欠片”が伝えようとしていた事を正確に受け取っていた。 「分かっている。ここにはクフィル達が来ている」 知らず彼は微笑みを浮べていた。 それは友が当初の目的を達成し、再びこの地で再会できる喜びに対してであったのだろう。 「そして、彼女もここにいる」 彼は握り締める。自らの手の中にある彼女との想い出の品、繋がりの印。 今、彼女…ライラとの約束を果たすべく彼は王者のマントを翻し向かう。 「往こう―――友(フィル)と彼女(ライラ)が待っている」 金色の髪を揺らす王、レイル=ディラスは今、再び彼らの下へ向かう。 友と大切な人との約束を果たす為。 そして、己に課した使命を全うする為に―――。 ライラ:(誰だっけ? クフィル:ぶ(笑) GM:(レイル「ちょ(笑)」 アスタロト:マジですか(笑) ライラ:ライラは主様一筋なんだよ! GM:まあ、とにかく戦闘開始だお!ライラたんとアスタロトたんは行動値&セットアップよろしく。 ちなみにヌンキも戦闘に参加しますが、彼は行動なんぞしません。 すべてライラたん任せ。つまり待機(笑) ライラ:32、FPは回避です。 GM:あと、一応お知らせしておきますとアスタロトはライラではなく 後ろにいるヌンキも攻撃対象にできます。まぁ、その場合どうなるかはいわずもがな(笑) アスタロト:こちらは39です。…カバーリングされるんですね? GM:めちゃくちゃ、されます(笑) 「あたりまえだお!wwライラたんは私の恋人なんだからね!!ふへへへwww」 ライラ:「嬉しい! ライラ頑張っちゃうよ!」 うぞぞぞぞ(世界霊魂の鳥肌の音 GM:ではアスタロトですが、どうしますか?(笑) アスタロト:<チャージ>します。 <チャージ> このターンの行動を消費する事により、次の行動時 攻撃の達成に自分の行動値の値を加算できると言う文字通り攻撃チャージのスキル。 GM:おk、ではライラたん。えっと、ヌンキが指示します(笑) 「攻勢防壁で攻撃だお!ライラたん!!」 ライラ:「りょうかいです主様ぁ!」 と明らかに妙なところから出てる声で答えつつ 【敵性目標ヲ感知→攻撃開始】 とメッセージで瞳を瞬かせて攻撃! 達成値は27……。 アスタロト:回避36っす。 GM:回避されたー(笑) 「ちょwww避けんなwww私のライラたんの攻撃がwwww」 ライラ:【敵ハ攻撃ヲ回避】 「ぬーしーさーまぁー、あいつすばしっこいよー」 と不満げにしている。 アスタロト:ありがとう星宝!(←星宝スペックのおかげで基本能力値が上昇している) GM(ヌンキ):「大丈夫だお!私達はもとよりここでの目的時間稼ぎさえ 出来れば、それで私達の勝ちに繋がるんだかね!wwwふへへへwww」 そう、ヌンキの言う通り時間がかかれば星蝕の発動ないしユリウスによる回収が行なわれる。 つまり、ここで時間を食うこと自体がアスタロトに取ってはすでに痛手に繋がる。 「だからこそ、最高の盾であるライラたんがここを護る意味が十二分にあるんだおww さあ、そんなわけで気にせず戦闘を進めよう、ライラたんww」 とヌンキはライラたんをさわさわする。おぞましい。 クフィル:――そう勝ち誇り醜い笑顔を浮かべるヌンキの眼前に突如として剣が現れる。 GM(ヌンキ):「ひ、ひぇぇ!!ら、ライラたんーー!!!」 眼前に現れた剣に腰を抜かして、ヌンキは隣にいるライラたんに助けを叫ぶ。 クフィル:それはヌンキの周囲を取り囲むように次々と、次々と次元を飛翔し、顕現する千の光刃。 ライラ:【攻撃感知→迎撃】 「不意打ちなんて卑怯だよ!」 って叫びながら間に割って入ろう。周りを見回しながら、どっちへ割って入ったものかと、はわはわし出す。 GM:驚き腰を抜かすヌンキ。そんなヌンキを護ろうとするライラだがその脳内では危険信号が鳴らされる。 これほどの戦力を有する人物を君は自身のデータから知っている。 そう、これはまぎれもなく“あの男”の――― ライラ:【警報:予測サレル敵脅威度:最大】 クフィル:空間を裂き、威風堂々と戦場へと現れる。 アスタロト:「殿下…!やっぱり来てくれたんですね」 クフィル:その姿に揺るぎは無く、唯己の道を刻む。 ライラ:【新タナル敵増援ヲ観測。敵ハ――】 名乗ってくれると演出的にうれしい。 GM(ヌンキ):「お、お、おまえは……く、クフェール!!!」(一同笑) クフィル:「俺の名は、アシュレイ=クフィル=フォン=アレクサンドロスだ。覚えておけ」 俺、参上!!! GM(ヌンキ):「て、敵が増えたからってなんだ! 私のライラたんは最高の盾なんだよ!負ける要素なんて無いお!」 ライラ:「そーですよぉ。クフェールだかクフィルだかは知りませんがぁ ライラの主様に手を出そうって言うなら、ただじゃ帰しませんよぉ?」 と頭痛くなるアニメ声で言います。 アスタロト:「ライラお願い、目を覚まして!」 GM:ライラたん最高すぎる(笑) おもしろすぎ(笑) ちょっと今回、神回だろう、これ(笑) ライラ:(案外に演じやすくて困っている GM(ヌンキ):「目を覚ますぅ〜?何を言ってるんだい。ライラたんはずっと目を開けてるお〜ww そう、これがライラたんのあるべき姿だおwwふへへへww」 と言って、ヌンキと名乗る変態がライラたんの首筋を舐める。うげおぞましい。 クフィル:「ま、格好つけて来たのはいいがな。お前らは俺の相手じゃねぇんだ」 その証拠に両手に組んで仁王立ちしてる(笑) ライラ:「眠ってなんかいないんでーす。ライラはー、主様のためなら、いつだって全力全開なんですよぉ?」 ヌンキを背後に従えて(?)そう答えようかな。 GM:ライラたん(笑)では二ターン目!それぞれ、行動値の宣言等を! ちなみにこのターンもヌンキは待機ですお。 ライラ:「この状況で武器に手をかけもしないなんて、ふざけてますねぇ?」 と殿下を挑発しにかかるお!行動値は37。 アスタロト:36です。 クフィル:「俺は仲間に振るう剣は持ってねぇよ」 堂々と待機でも宣言しようかなぁ。 GM(ヌンキ):「ふへへ、なにカッコつけちゃってんのww いいよ、ライラたん!あの王様気取りに攻勢防壁だお!」 ライラ:「仰せのままに、ですよ。主様っ」 【目標補足。“攻勢防壁”展開、攻撃開始】 達成値は27。さっきから攻撃の出目が振るわなさ過ぎてワロス。 GM:殿下、回避はー?(笑) クフィル:え、避ける必要あんの!?(ぁ ダメージ来いや。 GM:では、ライラの盾アタックがクフィルに届くその瞬間―― 懐かしい風が薙いだ。それは金色を揺らしライラとクフィルの間に現れる。 GM(レイル):「久しぶりだね、ライラ。それにフィル」 クフィル:「よう、随分と苦労かけちまったな。レイ」 まるでレイルが来るのが判っていたかのように答える。 GM(レイル):「そんな事はないよ、君のほうこそ随分色々あったんだろう。 でもこうして再会できて嬉しいよ」 クフィル:「ま、再会の弁は後だな。任せていいのか?」 ライラの方に目を向ける。 GM(レイル):「勿論、むしろ僕のほうからお願いしたいよ」 ライラ:こちらはこちらで 【新タナル目標ヲ補足。脅威度不明。攻撃中止】 とメッセージを瞬かせて急制動をかけたってことで攻撃キャンセルでいいですか?MPは支払っておきます。 GM:おkです(笑) ではレイルはライラの方に改めて向き直り、声を掛ける。 「その、久しぶりだね、ライラ。少し見ない内にちょっと変わったみたいだね」 そう言ってレイルはライラの後方に控えるヌンキを一目見る。 「…状況は何となくわかった。だけど、ライラ。君が彼に従う理由はないよ。 その盾を収めて、僕達のもとに戻ってきて欲しい」 ライラ:「従う理由がないなんて、アタマ大丈夫ですかぁ? “元”マスターさん♪ ライラのマスターはヌンキ様って、ずーっと昔からもう決まってるんですよぉ?」 クフィル:噴いた(笑) ライラ:罵倒回路は生前に復活してるから……! GM(レイル):「ライラ…。じゃあ、聞くけど君は彼を本当に心の底から マスターと認めているのかい?彼をマスターと想うきっかけは? 君の中にあのマスターとの想い出や繋がりは、あるのかい?」 ライラ:「馬鹿なこと訊かないで下さいよぉ。ヌンキ様との全てはライラのココにちゃんと納めてあるんです。 ちょっとライラの年式が古いからって、みくびらないでくださいっ」 と言ってトントンと自らのこめかみを叩こう。 GM(レイル):「いや、そうじゃなくって…」 苦笑しつつレイルは言う。 「君がそのヌンキ様との想い出や誓いを交わした言葉。その瞬間のこと、その情景、その時の事を 鮮明に思い出せるのかい?いや、そもそも“そうした記憶”があるのかい?」 ライラ:「えー? そんなの……」 口ごもる。 ……あれ? いつ、何があったんだっけ……? 「そんなの……ッ!ちょっと今思い出せないだけです! ちょっとだけ、ちょっとだけ調子が悪いだけなんだから!」 誤魔化すように、語気を強めて言おう! GM(レイル):「…ライラ、いくら思い出そうとしても“ないものを思い出すことはできないよ”」 そう、ヌンキの星宝の力とはあくまでも相手に自分の絆を押し付け無償の愛情へ変えること。 それは言わば強烈な一目惚れに近いものであり 決して過去から現在にいたるまでの過程を築き作るものではない。 「感情だけをそこに押し込めても、それは絆じゃなく偽りにしかすぎない。 だってほら、絆っていうのは“その人との想い出の上に成り立つもの”だから」 君が考え込んでいる姿を見て、優しげにレイルはそう説く。 そう君の前で諭すような導くような、だけどそこか君の成長を見守る。 そんな温かな想い、感覚が流れ込んでくる。 ライラ:では、その感覚を振り払うように。 【警告。しすてむニ異常ナのいずヲ感知。演算速度低下。全しすてむの応答、5%低下】 【提案。目標ヲ排除スベシ。しすてむノのいずハ、目標トノ接触ニヨッテ生ジルモノト推測】 【採決。許可。目標ヲ、殲滅スベシ】 とメッセが怒涛のようにライラの瞳を駆け、 「わたしと……ッ! わたしとマスターの思い出を、“ないもの”だなんて言うなァっ!」 と悲鳴のような調子で攻勢防壁を起動してぶん殴ります。MPは支払っておくね(´・ω・`)ノ GM(ヌンキ):「そ、そうだ!私のライラたんに変な言葉をかけるなー!!やっちゃえ!ライラたーん!!」 君が放った盾による攻撃。だが目の前の青年はそれを避けず、その身で受ける。 君が放った盾による攻撃は彼を傷つけ、その腕から血を流させる。 それを見たとき、どこか自分が傷つけてはならない何かを傷つけた。 そんな罪悪感がどこからともなく沸き起こる。 「…うん、強くなったね。ライラ。君は成長している。能力だけじゃない、心も」 ライラ:【警告。しすてむのいず増大】 GM(レイル):「出会った頃に比べて君は人間らしくなっているよ。そうした君の姿を見るのは嬉しい。 だけど、それは君の本当の気持ち、真に願って行動しているものじゃない。 『マスターシステム』それは本来“君が自ら捧げる相手を選びその人物の盾”となるものなんでしょう?」 ライラ:【警告。しすてむのいずハ尚モ増大中】 【危険。しすてむノ安定動作ニ重大ナ問題発生ノ可能性アリ】 急速に思考回路を侵食するノイズ。それは、振り払えば振り払おうとするほど、より思考に絡みつく。 GM(レイル):「ライラ。だから“もう一度、思い出して欲しい”。 自分が本当に選んだ行動、想い…そしてその人の為に、君自身の意志で行動して欲しい。 それが君の本来あるべき姿なんだから。それに―――」 一拍のち、レイルは胸の内を吐くようにその台詞を零す。 「僕は、そんな君に惹かれたんだ」 言ってレイルは胸のうちから“それ”を取り出す。 それは君がかつて、大事な主に預けた宝石の欠片。奇跡を呼ぶお守り、幸運の欠片を。 ライラ:「知った風な口を聞くな! わたしはアンタなんて知らない……!! そんな石ころの事なんか、わたしは……ッ!」 血を吐くような調子で叫んだ一言。だが、それは 【緊急警報。しすてむニ致命的ナのいずガ発生】 ライラの頭の奥底、思考の根幹に致命的なダメージを与えた。 【緊急警報。しすてむノ動作率ガ致命的ニ低下中。しすてむぱふぉーまんすハ平常時ノ10%以下マデ減少】 思考パルスが頭の中で迷子になる。何を見ているのか分からない。 何を聞いているのか分からない。何処に立っているのか分からない。 何を言えばいいのか分からない。 【緊急警報。しすてむノ維持管理ハ不可能。 コレ以上の連続起動ハしすてむニ問題が生ジル可能性ガ極メテ濃厚。】 いや、わからない。という表現すらもはや適当ではない 【提案。しすてむノ強制終了オヨビ再起動】 【承諾。“しぇへらざーど”ハ、コレヨリ再起動ぷろせすヲ実行スル】 ライラには、すでに思考することなど、不可能だったから。 GM(レイル):「ライラ!」 「ライラたん!ちょ、おま!なにしてくれてんの!www」 倒れるライラにレイルはその名を叫び駆け寄り、一方のヌンキは一人動転している。 ライラ:糸が切れた操り人形。まさにそういった調子でその場にくずおれる。 GM:倒れるその瞬間をレイルが支える。ヌンキが何か叫んでいるがそれをシカトしてレイルは思考する。 この状況、ライラの内に宿ったヌンキより刷り込まれた偽の感情(プログラム)と 本来自分自身の中にある想い(プログラム)とのせめぎ合いによる大負荷 それによるシャットダウン。であれば、彼女を呼び戻し意識を取り戻す方法。 レイルは決して星機器に詳しくはないし、マシーナリーに対する知識も並だ。 その異常時における対応を彼は知らない。 だが、彼はまるでそれが自分に出来る唯一の手段のように。 あの時、初めて出会った時のように、誓いを交わしたあの瞬間を思い出すように―― 今度はレイル自ら、ライラとの誓いを契る。その唇に懐かしい感触が蘇る。 ライラ:(信じられるか? これ打ち合わせしてないんだぜ) GM(ヌンキ):「いやああああああああああ!!!私のライラたんがああああああああああああ!!! 私の嫁になにしてんだおまあああああああああ?!!!!」 それを見て発狂している奴が約一名。 クフィル:ヌンキざまぁwwwwwwwwww だが――次の瞬間、それは起動する。 蒼き光。それはライラを包み、ライラより放たれ、彼女を中心に生まれる蒼。 同時に組み換えられる、否、“進化する”ライラの全性能。 身を包む鎧は蒼と白をモチーフとして美しきそれに。 腰を包むように現れるのは同じく蒼のコート。 そうして開かれる黄金の瞳と銀よりも蒼を思わせる靡く美しき髪。 それはかつて、ヒルデベルトが彼女の中に封印し、宿した最後の切り札。 かつての己が神イシュタルからも隠し続けた最後の欠片の正体。 マスターシステム、それはライラに施された成長を促すシステムと同時に 彼女の中に封じられた最後の欠片を目覚めさせる為のキーでもあった。 そして今、ライラが自身の手により己の壁を突破し、自らそこへ到達した事により、それは覚醒する。 200年の永きに渡り、マシーナリーライラの中に眠っていた最高位の力。 【システム:“ソル=レイヴァーシステム”:起動覚醒】 瞬間、世界は蒼色の世界へと染まる。 ライラより吹き上げた蒼き光がこの城の通路全てを包み込み 次の瞬間、そこは文字通りの別世界へと変貌していた。 城の天井は消え去り、次の瞬間上空に現れたのは一面の蒼空。 雲ひとつない、無限に広がる蒼穹の蒼。 そう、ここが彼女の世界、彼女が駆け抜けるべき戦場。 最高位のマシーナリーライラが統べる無限の蒼空の世界である。 GM(ヌンキ):「ライラたん覚醒きたーーーーーーー!!これでかつる!!ww さあ!ライラたん!その力でそいつらをやっちゃ――――」 ライラ:【文書・一般処理:全システム、正常に再起動完了】 【文書・一般処理:“ソル=レイヴァーシステム”は順調に稼働中】 ゆらり、と開いた瞳に蒼の文字が点滅し。 「フザケた事をぬかさない様に。少し、頭冷やします?」 氷よりも冷たい言霊の刃をヌンキに吹きつけ。 「人の頭の中にずいぶん好き勝手してくれたようですが……怒りますよ?そのうち」 ライラは再び、自分の力で立ち上がった。 GM(ヌンキ):「ちょ!ライラたん!や、約束が違うお!君はわ、私の恋人――!」 ライラ:「妄言を吐くのは、その口ですか?」 と言って、ヌンキの顔面にハイキックをカマすお。 GM(ヌンキ):「ぶべぁぁ?!!」 倒れるヌンキだが、それと同時に彼は見る。ライラを中心に広がる蒼空。 その空に存在するのは無数の蒼き星々、今やこの蒼空に存在する全てがライラの力であり、盾であり、矛。 その蒼空より降り注ぐ無数の光は君が行使する敵を穿つ為の蒼き流星雨となる。 星宝:【蒼穹の戦場(ソル・レイヴァー)】 形状:現象型 ランク:測定不能EX タイミング:宣言 対象:自身 射程:− 説明:この星宝を使用するためにはFP2点を支払う必要がある。 この星宝が発動している間、貴方が何らかのダメージを受けた際 [消費させたMP×2]点のダメージを軽減できる。 これは実ダメージ(秘奥義)を含むあらゆるダメージを軽減する事が可能。 また貴方が攻撃を受け、その攻撃を防御(または抵抗)値で減少する度に [貴方が軽減したダメージ分]を蒼穹の空のエネルギーへと変換される。 (例えば相手が攻撃値80を出し、貴方が防御判定で60の軽減をした際 その60分のエネルギーが蒼穹の空に加算される) ただし《完全なる盾》のようにダメージそのものを無効化した場合は蒼穹の空へは加算されない。 蒼穹の空にて蓄積されたエネルギーは星宝特技《蒼穹の流星雨》にて解き放たれる。 最強の盾たるライラが翔け抜ける無敵の戦場であり、彼女のための蒼穹の世界。 《蒼穹の流星雨》 タイミング:メジャー 対象:任意 射程:視界 消費精神:− 【蒼穹の戦場(ソル・レイヴァー)】が発動中にのみ使用可能。 貴方は任意の対象に[絶対命中]の【蒼穹の戦場(ソル・レイヴァー)】中に軽減した ダメージの合計を貴方の[攻撃値]として扱い攻撃判定を行ない、対象へダメージを与える。 (つまり合計80点のダメージを防いでいた場合、その80点を一時的に攻撃値として扱う) またこの《蒼穹の流星雨》を使用した際、それまで蓄積されていたエネルギーは0となる。 蒼穹の戦場にて降り注ぐ流星雨は蒼穹の乙女たるライラの矛にしてその盾の真価。 《蒼粒子閃》 タイミング:メジャー(組み合わせ可) 対象:単体 射程:至近 消費精神:5 【蒼穹の戦場(ソル・レイヴァー)】が発動中にのみ使用可能。 貴方が行う命中は[絶対命中]となり、攻撃値の代わりに防御値を使用して攻撃判定を行なえる。 (この時<攻勢防壁>を使用して盾の威力を一時的に上げ、攻撃力を上昇させる事は可能) この時[対象に与えたダメージ分]、【蒼穹の戦場(ソル・レイヴァー)】のエネルギーへと変換され 《蒼穹の流星雨》の威力を増加させる。 GM:以上、ライラの星宝能力です。 ライラ:「まったくもう、不愉快です。……あぁ、素直に寝かしてなんてあげませんよ?」 と言って(イベント的な演出で)ソル=レイヴァーの発動プロセスを行使し始めます。 GM(ヌンキ):「ひ、ひぁ…!」 君が行使するソル=レイヴァー。そしてかつてない君の威圧感に恐怖を覚えたのかヌンキは―― 「ひ、ひあああああああああああああああぁぁぁぁ!!!」 敵前逃亡を開始する。 アスタロト:じゃあその足元にダウンショットを打とう。 ライラ:「逃がさない……!」 しかし まわりこまれてしまった! クフィル:こいつらこえぇぇ(笑) GM(ヌンキ):「う、うあああぁぁ!あ、足がああああぁぁ!な、なにするんだおおお!!!」 ライラ:「よくも、人の頭の中を好き放題イジってくれましたね…?」 という指先に《蒼粒子閃》を乗っけた《蒼穹の流星雨》を極度に圧縮して紡ぎ始めます。 GM(ヌンキ):「ひ、ひえええぇ!だ、だって!ライラたんがどうしても欲しかったんだもん! そ、それにライラたんだって乗り気だったじゃないか!私達は相性いいんだお!ライラたん!ww」 ライラ:「まぁ確かに、信頼に足る主がすぐそこにいて頼りにしてくれるという状況は 非常に心地よいものでありましたが…」 と言ってからほぅっと溜息を吐いて 「アナタ相手にその感覚を覚えてしまったのが我ながら恥ずかしくてなりません。 頭ブチ抜いて思考回路を抉りだしたい気分ですよ全く。 こんなに不愉快な気持ちにしてくれたのは貴方が初めてです」 と言ってから酷薄な笑みを浮かべ。 「とはいっても、久方ぶりに目を覚ましてからこちら、主に使えるべき盾(マウアー)として きちんと仕事をさせてくれたのは貴方が初めてですから……せめて苦しまずに逝かせてあげますね☆」 GM(ヌンキ):「ひ、ひあああああああああああああぁぁぁぁぁぁ?!!!!」 ライラ:すたーらいとぶれいかー って違うか。 GM:まあ、見た目的には近い感じではある(笑) ライラ:腕を掲げ、指先をくるりと回して魔法陣を描き。 「用意(レディ)」と小さく囁けば、全天に待機したライラの見えざる弓兵は蒼い光の矢を放つ。 光の矢は魔法陣を起点にして収束を開始。さながら、ライラの小さな体が身の丈以上もある 巨大なボールを片手で鷲掴みにしたような様。そしてその手をゆっくりと目の前にかざし 「撃て(ファイア)」の号令一下、太い光の豪雨が解き放たれた。 GM:それはまさに地表に降り注ぐ蒼き流星。星の豪雨。 断罪の刃が込められた戦場に立つ敵を屠る絶対の事象。 ライラ:物量は膨大、回避は不可能。威力は巨大、防御は不可能。 可能なのはただ、灼き崩されることのみ。 GM:故に、ヌンキ。オグドアス11を掲げ、そのキモオタっぷりを遺憾なく発揮し GMの分身とまで呼ばれ、ある意味でこのシナリオ中最もインパクトを残したその敵の末路はただ一つ。 泣き、叫ぶことだった。 「ライラたあああああああああああああああああぁぁぁぁぁん!!!!!!!! くぁwせdrftgyふじこlp―――――――――――………………ッッ!!!!!!」 世界を揺らす震動。 敵の死体すら一切残さぬ完全なる消滅。完璧なる消去。 業火。煉獄。それを彷彿させる威力。 そうして、蒼き世界を収まる。 敵を倒し、ライラの意志でその“欠片”は彼女の中に戻る。 今ここに最後の欠片が覚醒し、そして―― 「――おかえり、ライラ」 ライラ:「――只今戻りました、マスター」 それは最初に結成された仲間、四人の再会。 今、絆の誓いはここに果たされた。 |