星の伝承記・世界観

――かつて世界には様々な時代が存在した。
神々の時代、魔王の時代、人の時代。

そして今、世界は新たなる時代『星の時代』を迎えていた。
200年前、エル=ユーナと呼ばれたこの世界に一つの災厄が現れた。
訪れた災厄の名は『星触』
星触はエル=ユーナの大地、そこに住む全ての生命を吸い上げ喰らっていった。
いかなる種族や力を持ってしてもこの星触を止めることは出来ず
世界の全てが飲み込まれようとしたその時、世界に最後の神が再臨した。

神の名は『星王イシュタル』
それはかつて神王・クレイムディアの時代、クレイムディアや三王と共にこの世界を守護するはずだった
消えた四番目の王にして最後の純粋なる神。
星王イシュタルは自らの眷族・デミウルゴスと呼ばれる人の魂より進化した新たなる種を生み出した。

イシュタルはデミウルゴス達と共に星触を封印する事に成功する。
しかし星触による星の蝕みは抑える事が出来ず、全ての大地は消え世界の命が死に絶えました。

星王イシュタルは彼が創造した最後の大陸、浮遊大陸ベルシェルスに残った人々を全て移住させ
彼の眷族でもあるデミウルゴス達と共に大陸を『星の結界』と呼ばれるもので覆い
星触よりの侵食から切り離したとされています。

これ以後、世界はベルシェルス大陸のみが存在しその大地による新たなる繁栄が始まる。


◆イデア
世界に満ちる魂の結晶。全ての生命に等しくこのイデアが宿る。
魂を構成する目に見えぬ霊質と呼ばれ、このイデアにより人や生命の意志や意識、記憶が形作られると言われる。
故に人の魂の源と称される、大いなる霊質である。
肉体が崩壊を迎えた時、その者の中にあったイデアは解放されイデアの海と呼ばれる場所へ還る。
これがイシュタルが説く『無限回帰』に繋がる。

※イデアは決して見ることの出来ない霊質である。
イシュタルが語るにはイデアは輝く光のようなものと言われる。


◆イデアの海
世界のイデアが還り集まる場所。この世界のすぐ傍にあり肉体を持つ人や神が決して辿り着くことのできない絶対領域。
物質世界に存在し肉体の牢獄に閉じていたイデアはその肉体が崩壊した時に自然、この海へ帰還をする。
イデアの海に還ったイデアはまさに海に落ちた水滴の一粒のようにかつて肉体に縛られ『個』であった時の全ては
イデアの海へと混ざり消えていき、『大いなる全』の一部となる。
エル=ユーナの世界システムにより、このイデアの海に存在するイデアは物質世界(エル=ユーナ)にて
生まれる命の魂を構成する霊質として、イデアの海より汲み上げられ、その肉体の中に宿る。
このシステムこそが魂を構成するイデアが消滅する事無く、無限に循環していくシステムと呼ばれる。
これを『無限回帰』とイシュタルは呼ぶが、この無限回帰に込められた意味は更に深いものが存在する。


◆無限回帰
魂を構成する霊質・イデア。このイデアにはその者の魂、意志や意識、そして記憶や経験が宿る。
その者の肉体が崩壊した時に、その者の中にあったイデアの記憶、即ち魂の記憶もまた、イデアと共にイデアの海に還る。
しかし、人一人のイデアの量など無限とも言えるイデアの海の中ではまさに水滴の一粒程度であり
イデアの中に宿った魂の記憶もまたイデアの海の中に溶け込み薄れていく。
だが、これはあくまで溶け込み薄れいくものであり、完全に消えるわけでもない。
イシュタルの『無限回帰』はこの無限に閉塞し同じことを繰り返す世界の無限法則を指している。
このエル=ユーナ誕生の歴史より起きている戦いの歴史。それは即ち、この『無限回帰』が原因である。
この世界において起きる戦い・災厄は全て“過去に起きた出来事の繰り返し”である。
イデアには魂の記憶が宿る。それは即ち、かつてこの世界を危機に陥れた魔王アルトサウディスの記憶や意志
かつて世界を救った神々や英雄、エスペランサー達の記憶や意志がイデアと共に海へと還る。
イデアの海の中で彼らの記憶や意識は溶け合い薄れていくがそれは完全に消えるわけではない。
そうしてそのように“混ざり合ったイデアの海”の中から再びイデアは汲み上げられ人の魂を構成していく。
つまり災厄を起こしている人物や世界を救おうと剣を握る者達はそれが“己の意志”と思っているが
その意志の奥の奥、魂の根幹にあるイデアでは“かつてそのようにした記憶”があり
そのイデアの記憶を模倣するように動いているただの“繰り返し”にしかすぎない。
なっているのではなく“なった記憶に基づいている”、起こしているのではなく“起こした記憶に基づいている”
目的や手段、感情や意識そのようなものは別であるかもしれないが、究極その者を動かした魂の底にあるのはイデアの記憶にすぎない。
故にこの世界で起こっている事、これから起きることは全て過去の繰り返し、己自身も気づかないイデアの記憶によるものである。
この法則に気づいたイシュタルはこれを『無限回帰』と呼び
この『無限回帰』に捕らわれたエル=ユーナの人々を解放する手段を捜し求めたと言われる。


◆アルコン(侵種)
この世界における魔物の総称。かつて世界を襲った災厄・星触に侵され自我や心を失った化け物。
アルコン達に理性などは存在せず、ただ星やイデアを喰らう性質のみが存在する。
このためイデアを持つ人間がこのアルコンに襲われるのは珍しくない。
アルコンに襲われた人間は肉体とイデアを同時に喰らわれ、消滅する。
またこのアルコンの持つ星触に侵され、同じアルコンとなる人間や動物も少なくない。
多くのアルコンは原形の無い形を持っている。稀に人型や動物型のアルコンも存在する。

※一般的なアルコンの例


◆デミウルゴス
神である星王イシュタル。彼により生み出された新たなる種族。それがデミウルゴス。
デミウルゴスの中に宿るイデアは人間や他の生命と全く異なっている。
彼らのイデアは星王イシュタルの力により新たに変異・進化を果たしたイデアであり、デュミナスと呼ばれている。
このデュミナスを持っているからこそ、デミウルゴスは世界に存在するあらゆる種を超越する力を有している。
それは魂の段階で他の生命よりも優っているからである。
また、デミウルゴス達の多くは『星宝』と呼ばれる独自の力、魂の結晶物と呼ばれる物を有している。
『星宝』とはその者の魂が一つの武器、あるいは一つの現象、一つの領域(世界)として具現化した者。
それは、かつて彼らがデミウルゴスとなる前に人間(生物)だった時に抱いていた夢や願望、強い意志が
デミウルゴスとなった際に具現化し、自らの中に宿った奇跡の産物とされているが。
この『星宝』を宿し、手にした代償として彼らデミウルゴスはある“重要なもの”を失ったとされる。
本来、このデミウルゴス達は星王イシュタルの下、ベルシェルスを守護する神人である存在だが
2年前に数人のデミウルゴス達が守護するべき人々を襲い災厄を撒き散らした。
このイシュタルの下より離反したデミウルゴス達を『反逆のデミウルゴス』と呼び
彼ら反逆のデミウルゴスを同じデミウルゴス達、または人間の英雄により粛清をした。
この時の事変を『デミウルゴスの粛清』と呼んだ。
デミウルゴス
※デミウルゴスの一人、ベテルギウス


◆デュナミス
デミウルゴス達が有する魂の霊質。イデアと異なり、その純度、魂の質はまさに比べるべくもない価値を誇る。
魂の価値にして換算するなら、デュナミスの霊質はイデアに比べ数十倍近くの価値を有しており
デミウルゴスとして生まれた者の最低基準がおよそ数百から数千規模の魂の価値から始まる通り
生まれた瞬間から他の生命より全てにおいて優れている事が伺える。
またデュナミスの特徴はイデアと異なり、死後、世界に囚われ、その一部となることがない。
その理由の一つにはデュナミスの霊質はイデアと異なり、一つの器に収まった以上
その器の中に留まり、消費され、その器の死と同時に消滅を行う為である。
通常、魂というものは消費や消耗が見られた際、完全なる消滅を避けるために、器に対し損壊となる現象を与え
(これがいわゆる老化や人の死と言った現象である)器からの解放を行ったあと、自らが還るべき場所
イデアの海やフェムトーなど、本来、魂が安らぐ場所に回帰し新たな魂として再利用される。
だが、デュナミスにはそうした消耗や消費に対する救済措置が一切無く、器と完全に一つとなっており
器が損壊する度に、デュナミスを消費することによりその損壊を癒し、老化や老いと言った現象も
デュナミスの消耗により抑える事が出来る。つまり、デミウルゴスが持つ不老と不死性の理由はここにある。
ただし、完全なる不老不死がいないように、彼らの中のデュナミスが底をつき、限界を迎えた時
器となる肉体と共に魂であるデュナミスもまた消滅を行う。
またデュナミスの利用価値はこれだけではなく、イデア以上に高い純度と価値を誇るデュナミスを凝縮する事により
“完全なる器(エンテレケイア)”と呼ばれる物を創り出す事が出来るとされるが、それが何であるかは不明である。


◆エトワール機関
35人のメンバーにより構成された世界を管理する機関。
機関統括には0の称号が与えられ、その下に統括補佐の『プロパテール称号』を与えられたプロパテール1〜5が存在
そのプロパテールrBの直属に相応しい者達が『オグドアス称号』を与えられオグドアス1〜12が存在する。
そしてその配下に機関の実行部隊にして実質的に舞台で動く者達『デカス称号』の1〜16までが存在する。
(これが機関におけるメンバーの数と称号とされるが、一人だけこのbキら与えられていない空白の一人が存在する。
その者が何者か役割は何なのか、なぜ空白なのかは現時点では全て謎である)


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